JPQRって何? コード決済の仕組みや使い方解説

QRコード決済の種類はどんどん増えており、レジでQRコード決済をしようとしても何種類もQRコードがあると、どれを読み取ればいいのか戸惑ってしまうことがあります。
そんなときに利用すると便利なのがJPQRです。JPQRとはQRコード決済の統一規格のことですが、自分がよく使うQRコード決済で本当に利用できるのか、不思議に思う人も多いでしょう。
QRコード決済の仕組みがどうなっているのかや、JPQRが何なのかよくわからないので、くわしく知っておきたいとお思いではありませんか。
この記事では、JPQRとは何なのかや使い方などについて詳しく紹介していきます。
この記事の目次
- JPQRはQRコード決済の統一規格
- 総務省が主導になっている
- 国内の複数QRコード決済に対応
- 対応しているQRコード決済一覧
- JPQRでの支払方法
- 自分がQRコードを読み取る
- スマホのQRコードを読み取ってもらう
- QRコード決済で支払うための準備
- 対応しているアプリを設定しておく
- チャージまたは引き落とし設定しておく
- 利用者にとってのJPQRのメリット4つ
- 決済が素早くできる
- QRコード決済を利用できる店が増える
- 使えるか不安に考えずに済む
- キャンペーンが開催されているペイを選ぶとお得
- 利用者にとってのJPQRのデメリット3つ
- 起動しなければ使えない
- 電池切れや電波が入らないと使えない
- 金額入力ミスのリスクがある
- まとめ
JPQRはQRコード決済の統一規格
JPQRはQRコード決済の統一規格であり、利用できる店が増加中です。
この章では、JPQRの概要を紹介していきます。
くわしく見ていきましょう。
総務省が主導になっている
JPQRは、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が策定したQRコード決済の統一規格のことで、総務省が主導して普及事業に取り組んでいます。
2019年度に岩手・長野・栃木・和歌山・福岡の5県において、JPQR普及事業の取り組みが開始。
約12,000店舗にJPQRが導入され、キャッシュレス化の進展の検証が行われました。
2020年度には、6月22日から全国の店舗でJPQR申込受付が開始され、全国展開が始まっています。
飲食店やサービス業、習い事やタクシー、地方公共団体など、QRコード決済が利用できる数多くのお店やサービスで利用可能です。
国内の複数QRコード決済に対応
JPQRを導入すると、店頭に置く決済用QRコードが統一されます。
導入していない状態だと複数のQRコード決済を利用できても、それぞれの決済サービスごとにQRコードを設置せねばなりません。
JPQRを導入することで、決済時にそれぞれのQRコードを探す手間がかからず、会計がスムーズです。
複数のQRコード決済に対応していることからレジ周りがすっきりしますので、店舗側としても複数のQRコード決済を導入しやすくなります。
対応しているQRコード決済一覧
JPQRに対応しているQRコード決済の種類は、徐々に増えつつあります。
2021年1月現在の参加事業者は下記の通りです。
通信系
- auPAY
- d払い
- PayPay
- LINE Pay
銀行系
- J-Coin Pay
- ゆうちょPay
- はまPAY
- ほくほくPay
- YOKA!Pay
- MoneyTap
- OKI PAY EC
コンビニエンスストア系
- 楽天ペイ
- atone
- commoney
- FamiPay
- メルペイ
外資
- WeChat Pay
- UnionPay
主なQRコード決済の多くは対応している形です。
JPQRに対応していない支払方法
前項で紹介した事業者以外は、まだJPQRには対応していません。
例えば下記の支払方法は非対応です。
- Tマネー
- Bank Pay
- りそなウォレット
- Alipay
- PAY ID
など
また、QRコード決済ではない電子マネーも、JPQRでは利用できません。
- 楽天Edy
- waon
- 交通系IC電子マネー(Suica、PASMOなど)
- iD
- QUICPay
- nanaco
- Paypal
- Pring
など
まだまだJPQRで使えない支払方法は多いので、使えるかどうか店頭で確認して支払いましょう。
この章では、JPQRの概要を紹介してきました。
次の章では、JPQRでの支払方法を紹介していきます。
JPQRでの支払方法
レジや窓口でJPQRを使って支払う場合、支払方法は2種類のみです。
この章では、JPQRでの支払方法を紹介していきます。
くわしく見ていきましょう。
自分がQRコードを読み取る
QRコード決済用のアプリでお店に設置されたJPQRを読み取る方法は、町の小売店など主に小規模な事業者で用いられている支払方法です。
支払手順は下記の通りです。
支払いで使いたいQRコードアプリを立ち上げる
.読み取り画面に切り替える
.店頭のJPQRを読み取る
.支払金額を入力する
.店頭スタッフに画面を見せて支払いボタンを押す
.支払完了の画面を店頭スタッフに見せて完了
.自分で金額を入力するので、入力ミスしないよう注意しながら操作しましょう。
スマホのQRコードを読み取ってもらう
コンビニエンスストアをはじめとする大規模チェーン店では、スマホに表示したバーコードを読み取ってもらうだけで決済完了します。
支払手順は下記の通りです。
支払いで使いたいQRコードアプリを立ち上げる
.バーコードを表示させる
.スタッフに提示してバーコードリーダーなどでスキャンしてもらう
.決済完了の画面に切り替わったら店頭スタッフに見せて支払完了
.自分が金額を入力する必要がないため、入力ミスの心配がありません。
ただし、利用できるのは基本的に大規模店舗が多く、そう多くの店で利用できる訳ではない点に注意してください。
この章では、JPQRでの支払方法を紹介してきました。
次の章ではQRコード決済で支払うために準備すべき点を紹介していきます。
QRコード決済で支払うための準備
QRコード決済で支払うためには、あらかじめ準備が必要です。
この章ではQRコード決済で支払うために準備すべき点を紹介していきます。
くわしく見ていきましょう。
対応しているアプリを設定しておく
QRコード決済を使うには、各QRコード決済専用アプリをダウンロードして設定しておく必要があります。
アプリのダウンロードは基本的に無料です。
設定方法はアプリによって異なりますが、電話番号やメールアドレスで登録するだけで、基本機能は使えるアプリもあります。
例えば、LINE PayはLINEを使っている人なら規約に同意するだけでLINE Payに登録でき、支払に利用可能。本人確認の手続きをすると、個人間送金や出金にも対応できます。
また、銀行系のQRコード決済の場合、必ず本人認証が必要な場合が多いです。
いずれにしても設定には時間や手間がかかるので、あらかじめダウンロードしてすぐに使えるよう設定しておきましょう。
チャージまたは引き落とし設定しておく
QRコード決済に対応しているアプリをダウンロードして登録しても、支払いの準備ができていなければ、残高不足などエラーが出てしまいます。
あらかじめチャージしておくか、銀行口座やクレジットカードから支払えるよう、手続きしておきましょう。
例えばPayPayの場合、下記のような支払方法が設定できます。
- 銀行口座やクレジットカードから残高をチャージ
- クレジットカードから使った額を支払い
また、銀行系のJ-Coin Payの場合は、使った金額を銀行口座から引き落とせますし、種類によってはポイントを充当できる場合もあります。
QRコード決済の種類によって必要な設定が異なりますので、支払いで使う前に設定しておいてください。
この章ではQRコード決済で支払うために準備すべき点を紹介してきました。
次の章では、JPQRを使う利用者側のメリットを紹介していきます。
利用者にとってのJPQRのメリット4つ
JPQRは店舗側だけでなく、お店の利用者にとってのメリットもあります。
この章では、JPQRを使う利用者側のメリットを紹介していきます。
くわしく見ていきましょう。
決済が素早くできる
QRコード決済の種類ごとに別々のQRコードがあると、どのQRコードを使えばいいのかレジの担当者が迷ってしまい、決済に時間がかかってしまいます。
JPQRを導入しているお店で支払う場合、お店が提示するQRコードはひとつだけなので、お店の人がどのQRコードを提示すればいいのか迷うことがありません。
お店の人がQRコードを探したり迷ったりしないことから、決済に時間がかからずに済みます。
複数のQRコード決済を導入しているお店で支払う場合も、JPQRを導入しているお店なら処理がスムーズに済むことが、素早い決済につながります。
QRコード決済を利用できる店が増える
QRコードを読み取るスタイルでQRコード決済を導入したお店は、通常それぞれのQRコード決済ごとにQRコードを準備しておかなければならず、支払手続きの際に戸惑ってしまうことも多いです。
JPQRを導入すると複数のQRコードをひとつにまとめられますし、申し込みも一括で済みますので、店舗側の負担も少なく済みます。
レジでの手間や導入の手続きが軽減されることから、お店側としても複数種類のQRコード決済を導入しやすいです。
これまでは利用できるQRコード決済は1種類のみであったお店でも複数のQRコード決済を導入しやすくなることから、自分が使っているQRコード決済を利用できる店が増えることにつながるでしょう。
使えるか不安に考えずに済む
QRコードを読み取って支払うとき、提示されたQRコードでいいのか確認しようと、戸惑ってしまうこともあります。
JPQRであれば支払時に使用するQRコードは共通ですし、使えるQRコードの種類も表示されています。
このQRコードが自分の希望する支払方法で使えるのか一目でわかるので、不安なくさっと使える点は大きなメリットです。
キャンペーンが開催されているペイを選ぶとお得
QRコード決済の種類によっては、キャンペーンが開催されており、ポイント付与率や還元率などがお得な場合もあります。
複数種類のQRコード決済を設定しているなら、お得なQRコード決済を選んで使用可能です。
利用者としてはよりメリットの大きいQRコード決済に即座に切り替えられ、お得な方法を選んで支払えます。
値引きと同等のキャンペーンも多いことから、もちろん現金に比べてお得な場合が多く、節約につなげられるでしょう。
この章では、JPQRを使う利用者側のメリットを紹介してきました。
次の章では、あらかじめ押さえておきたいデメリットを紹介していきます。
利用者にとってのJPQRのデメリット3つ
JPQRで支払うことはメリットがとても多いですが、いくつかデメリットもありますので、理解したうえで使っていきましょう。
この章では、JPQRを使う利用者側のデメリットを紹介していきます。
くわしく見ていきましょう。
起動しなければ使えない
JPQRで支払う場合、アプリのQRコードを表示させて読み取ってもらうか、店舗のQRコードを読み取ることが必要です。
アプリの起動はもちろん、スマホ自体の起動が必ず必要となります。
iDやQUICPayなどのように、タッチするだけで決済完了という訳にはいきません。
支払いするまでに起動しておかなければならず、起動していない状態から支払おうとすると少し手間がかかってしまうことがあります。
あらかじめ起動しておくか、ワンタッチで起動できるよう、ウィジェットやホーム画面などに追加しておきましょう。
電池切れや電波が入らないと使えない
JPQRで支払う場合、QRコード決済アプリを起動しておくことが必要不可欠ですので、スマホが電池切れの状態だと使えません。
また、決済には通信が必要となるので、電波がない状態でも決済ができません。
店舗側も電気や電波が必要となるので、停電や大規模な通信障害が起こってしまうと、支払いに使えなくなる場合もあります。
台風や地震など、大規模災害時には使えなくなることもあることから、普段の買い物にQRコード決済ばかりを使っている場合でも、多少の現金を手元に準備しておきましょう。
金額入力ミスのリスクがある
お店に設定しているJPQRのQRコードを読み取って支払う場合、自分が金額を入力する必要があります。
金額の入力を間違えないよう、しっかり確認をしながら支払いましょう。
もし間違った場合には店頭での操作が可能ですので、決済した店舗のレジで申告してください。
間違っても訂正は可能ではあるものの、処理に少し時間がかかってしまいます。
入力ミスをしないよう、自分とお店のスタッフとで相互に確認をして、できるだけ金額の入力を間違えないようにしてください。
この章では、JPQRを使う利用者側のデメリットを紹介してきました。
JPQRを使う際には、ここで紹介してきた点に注意しながら使いましょう。
まとめ
この記事では、JPQRとは何なのかや、メリット・デメリットについて紹介してきました。
JPQRとは総務省主導で普及事業を行っている、QRコード決済の統一規格のことであり、複数のQRコード決済での支払いが可能です。
支払方法は、スマホに表示しているQRコードをお店が読み取るか、お店のJPQRを利用者がアプリで読み取って金額を入力するかの2種類。
JPQRを導入しているお店では、それぞれのQRコード決済ごとに読み取り用のQRコードを設置する必要がなく、これひとつで問題ありません。
支払時にどのQRコードを読み取ればいいか迷う必要がなく、スムーズに支払できます。
しかし、停電や電波障害などの状況下では使えないこともある点には注意しましょう。
現金に比べて素早く支払いできるうえ、キャンペーンもよく開催されているので、お得に買い物しやすいです。

ぜひ、日々の買い物に取り入れて、活用してみてください。
記事を読むことでJPQRについて理解して、安心して決済できるようになります。