アメックスのビジネスカードで審査落ちする6つの理由とその対策
監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
世界的に有名なクレジットカード会社アメリカン・エキスプレス、アメックスが発行するビジネスカードは、高いステータスと豊富なサービスが特徴です。それでいて、カード発行の条件はそこまで高くないといわれています。
会社設立から間がない法人代表者や、独立したての個人事業主など、審査落ちが気になる人にはやさしいカードです。とはいえ、アメックスのビジネスカードにも審査落ちはあります。
どのような理由で審査落ちするのか、審査落ちを回避するためにはどうすべきかなど、知りたいことはたくさんあるでしょう。アメックスのビジネスカードの審査落ちについて、アメックスのビジネスカードを持ちたいポイントも含めて解説します。
この記事の目次
- アメックスのビジネスカードにも審査落ちはある
- アメックスのビジネスカードが作りやすいといわれる理由
- 作りやすいカードといわれても落ちるときは落ちる
- 審査落ちする6つの主な理由
- 基本的な条件を満たしていない
- 個人の信用状態が悪い
- 事業の信頼性が疑われる
- カードの申し込みや保有枚数が多い
- カード利用による残債務が多い
- 本人確認ができない
- アメックスのビジネスカードで審査落ちを避ける6つの工夫
- 支払い能力がアップしてから申し込む
- 信用情報が回復してから申し込む
- クレヒスを積み上げる
- 事業の体裁を整える
- 不要なカードや借入を処理する
- 本人確認には細心の注意を払う
- 申し込みから日数が経っても審査落ちとは限らない
- アメックスのビジネスの審査には意外に日数がかかる
- 送付物が届くのは審査が進行している証拠
- カードが届くのは本人確認から10日程度
- アメックスのビジネスがおすすめとなる5つのポイント
- 経費管理が楽になる明細とオンライン・サービス
- クラウド会計ソフトとの連携ができる
- 各種空港サービスで出張が楽になる
- 年会費は経費で処理しポイントはお得に貯める
- 充実した付帯サービスがいっぱい
- まとめ
アメックスのビジネスカードにも審査落ちはある
アメックスのビジネスカードには、以下の3種類があります。
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
このうち、プラチナ以外の2種類が自分から申し込むことのできるカードです。そして、アメックスのビジネスカードにも申し込みに対する審査があります。したがって、審査落ちもありえます。
アメックスのビジネスカードが作りやすいといわれる理由
アメックスのビジネスカードは、ステータスが高いにもかかわらず作りやすいカードだといわれています。
ここでは、なぜアメックスビジネスカードが作りやすいと言われているかの理由を説明していきます。
合否判定の基準は非公開
どこのクレジットカード会社も、基本的に審査基準は非公開となっています。クレジットカード会社ごとに異なる細かな基準を設けており、その基準を満たしていれば後日審査通過通知が送られてきます。
詳しい判定基準は非公開となっていますが、ビジネスカードの場合は「会社と個人の返済能力」そして「明確な住所」が重視されると言われています。
安定した収入があり返済能力があることを審査されるのはもちろんのこと、夜逃げや倒産を避けるために、明確な住所や固定電話の有無もチェックされるポイント。これらの情報から信用レベルを測って、通過した人のみがクレジットカードを持つことが可能です。
審査で会社よりも個人を見ているから
一般的な法人カードでは、開業や法人の設立から2年または3年程度経過していることが前提といわれます。しかし、アメックスのビジネスカードの場合、個人事業を開業して間もない人でも作れた例や、法人成りしたばかりで作れた例が多いとされており、作りやすいカードとして認識されています。
アメックスでは、他のクレジットカード会社と同様に具体的な審査の基準を公表していませんが、会社よりも個人を見て審査をしているためだといえます。
アメックスのビジネスカードには限度額がない
もうひとつ、アメックスのビジネスカードが作りやすい理由として、発行された時点での限度額が大きくないことが考えられます。他社のカードとは異なり、アメックスのビジネスカードに限度額の設定はありません。個別の利用状況や信用度合いなどを判断して、タイムリーな利用可能額の目安を決めているのがアメックスのビジネスカードです。
他社のカードでは限度額に下限があり、その額が大きいほど審査は厳しくならざるを得ません。しかし、アメックスのビジネスカードなら上限だけでなく下限も決まっていないため、低い額で発行することも可能です。利用できる目安額が小さければ、カード発行のハードルが下がると考えられます。
作りやすいカードといわれても落ちるときは落ちる
作りやすいカードといっても、必ず作れるカードではありません。アメックスのビジネスカードでも審査に落ちるときは落ちます。信用と実績が重視されるクレジットカードの審査である以上、利用代金の支払い能力に疑問を持たれるなど、カード発行の要件を満たさない場合は審査落ちもあります。
次の章では、審査落ちする6つの主な理由について解説します。
審査落ちする6つの主な理由
アメックスのビジネスカードで審査落ちする理由としては、主に以下に示す6つが考えられます。
- 基本的な条件を満たしていない
- 個人の信用状態が悪い
- 事業の信頼性が疑われる
- カードの申し込みや保有枚数が多い
- カード利用による残債務が多い
- 本人確認ができない
それぞれ見ていきましょう。
基本的な条件を満たしていない
まず、アメックスが定める基本的なカードホルダーとしての条件を満たしていないとカード発行には至りません。
申し込み資格は緩やか
アメックスビジネスに申し込むこと自体は、以下の条件を満たせば可能です。
- 年齢が20歳以上
- 個人事業主または法人の代表者
本業である必要はなく、会社に勤務しながらの副業であっても申し込めます。このように申し込み条件は緩やかとはいえ、たとえば19歳ならその時点でNGです。
アメックスのビジネスには一定の年収条件がある
基本的な条件の第一は年収条件です。アメックスといえば、ステータスの高さで他のクレジットカードを大きく引き離すことで知られています。それだけに、作りやすいカードといわれていても、年収がネックになることがあります。アメックスのビジネスカードでは、年収300万円前後は必要と考えられています。ただ、年収300万円前後であれば、それほど難しい条件とはいえないでしょう。
個人の属性も重要視される
アメックスの審査では、年収以外の属性も重要とされます。たとえば、個人事業主といっても医師や弁護士などと実態が不明なフリーランスとでは信用度が違います。また、副業での利用を考えている場合は、本業の勤務先や勤続年数なども重要です。
個人の信用状態が悪い
クレジットカードの申し込みで審査落ちする代表的な理由が信用状態の問題です。ここはアメックスのビジネスカードでも変わりがありません。
延滞や事故情報が登録されている
日本のすべてのカード会社では、クレジットカードの申し込みを受けて審査をするにあたり、信用情報機関に登録されている情報を照会します。これは、割賦販売法に定められた義務であり、情報の照会を経ずにカードを発行することはできません。
このとき、他社のカードで支払いが延滞していたり、破産などの事故情報が登録されていたりすれば審査落ちの可能性が大です。また、カードの所有枚数が多すぎるとか、半年間に多数のカードを申し込んでいるといった状況もマイナスポイントとなります。本人の信用情報では、割賦販売法の対象となるショッピングに関するものだけでなく、貸金業法の範疇であるキャッシングの情報も含めて審査の判断材料となります。
事業の信頼性が疑われる
個人事業主の場合、本当に事業の実態があるのかを判断することは難しい面があります。事業実態がなければ支払い能力の前提となる収入も望めないため、審査落ちが現実的になります。
事業用の固定電話がない
フリーランスでは仕事の連絡をスマホだけで済ませているケースもありますが、事業として専用の固定電話を持っていないのは一般的にマイナスです。
専用の事務所がない
固定電話ほどではありませんが、事務所を構えていないとマイナスになることがあります。
事業用の銀行口座がない
ビジネスカードを利用するのに、銀行口座がプライベートと共通では評価が低くなる可能性があります。悪くいえば、公私の区別がついていない状態だからです。
カードの申し込みや保有枚数が多い
信用情報機関には、過去半年間にカードを申し込んだ情報が登録されています。短期間に複数の申し込みをしていると、不審な行動として疑われるおそれがあります。また、カードの所有枚数が多すぎるのも疑われる要素です。
カードの利用方法に問題がないとしても、カード収集マニアのように持つだけであまり使わないケースでは、カード会社にはたいしてメリットがありません。このように、申し込み過多やカードの多数保有は審査落ちの可能性が高くなる要因です。
カード利用による残債務が多い
カード枚数が多いだけなら必ずしもマイナスではありませんが、カード利用残高が多すぎるのは審査落ちにつながる可能性があります。支払い能力を超えるおそれがあるためです。
本人確認ができない
クレジットカードの発行をするにあたり、本人確認は絶対条件です。申し込み者の本人確認ができない場合はカードが発行されません。
- クレジットカード専門家 菊地崇仁 解説
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードなどで審査落ちするのは、法人としてではなく、代表者個人の信用情報に傷がついている可能性が高いです。
- 利用中の個人のクレジットカードで延滞している場合や、住宅ローンなどを延滞した場合などは審査が通りにくくなります。気をつけなければならないのがスマホ代金を分割販売で購入している場合や奨学金です。
- スマホ代金を分割販売で購入する場合、端末代金の引き落としをクレジットカードにしている場合はそれほど気にしなくても良いのですが、請求書払いにしているとうっかり支払う事を忘れてしまう場合もあります。
- その場合は、信用情報に傷がつき、クレジットカードの審査が通りにくくなります。スマホ代金くらいと安易に考えず、しっかり支払うようにしましょう。
- また、奨学金も最近は延滞が増えています。以前は奨学金を延滞しても信用情報に傷がつくことはなかったのですが、最近は奨学金の延滞でも信用情報に登録されてしまいますので気をつけるようにしましょう。延滞しているかどうかなどはCICの情報開示請求で確認できます。1,000円で調べることができますので、どうしても審査が通らない場合は信用情報を確認するようにしてみましょう。
次の章では、アメックスのビジネスカードで審査落ちを避けるために行うべき6つの工夫について解説します。
アメックスのビジネスカードで審査落ちを避ける6つの工夫
審査落ちする原因がわかったところで、審査落ちを避ける工夫を6つ確認しておきましょう。
- 支払い能力がアップしてから申し込む
- 信用情報が回復してから申し込む
- クレヒスを積み上げる
- 事業の体裁を整える
- 不要なカードや借入を処理する
- 本人確認には細心の注意を払う
以下簡単に説明いたします。
支払い能力がアップしてから申し込む
年収が少なくて支払い能力に不安がある場合は、事業の収益が上がるなど支払い能力がアップしてから申し込むことで審査落ちを回避します。
信用情報が回復してから申し込む
過去の延滞や破産などの情報が残っている場合は、登録期間が過ぎて情報が抹消されてから申し込みます。情報の登録期間は信用情報機関によって異なりますが、最長は全銀協の全国銀行個人信用情報センターにおける官報情報(破産や民事再生)の「決定日から10年を超えない期間」です。
クレヒスを積み上げる
カードを使ったことがない人は、作りやすいといわれる個人カードに申し込み、カードのクレヒス(利用実績)を積み上げることで審査落ちの可能性を低下させます。
事業の体裁を整える
個人事業であっても、専用の固定電話や事業用銀行口座を用意しましょう。事務所も開設できればなおよいです。事業実態をアピールするために、公式サイトを立ち上げることも有効です。
不要なカードや借入を処理する
クレジットカードを多数持っている場合は、不要なものを解約します。また、キャッシングなど借入の利用があるなら、返済しておきます。
本人確認には細心の注意を払う
肝心の本人確認ができなければ意味がありません。アメックスのビジネスカードの場合は後述する本人確認の手順があるため、しっかりと対応することが重要です。
次の章では、アメックスビジネスカードでは審査日数が長引くことがある点を解説します。
申し込みから日数が経っても審査落ちとは限らない
アメックスのビジネスカードでは、審査期間が長くなることがあります。申し込みから何日も連絡がないと、審査に落ちたのかと思ってしまうかもしれませんが、気長に待ってみましょう。
アメックスのビジネスの審査には意外に日数がかかる
アメックスのビジネスカードの審査期間は、概ね3週間程度かかることが多いといわれています。ケースバイケースで早くなる可能性はありますが、遅ければ1ヶ月以上かかることもあります。
送付物が届くのは審査が進行している証拠
アメックスのビジネスカードでは、審査の途中で送付物が届くことがあります。実は、送付物が届かなければカードが発行されることはないというのが真相です。この送付物とは、本人確認のために差し出されるもので、届出の住所で本人が受け取れば審査の最終段階をクリアすることになります。
カードが届くのは本人確認から10日程度
本人確認用の送付物を受け取ると、その後10日程度でカードが送られてきます。したがって、いますぐ使いたいといっても無理があります。余裕を持って申し込みましょう。
最後に、アメックスのビジネスカードをおすすめできる理由を解説します。
アメックスのビジネスがおすすめとなる5つのポイント
ビジネスカードの中でもアメックスのビジネスカードがおすすめとなるのは、主に5つのポイントがあるためです。
最後はこれらについて見ていきましょう。
経費管理が楽になる明細とオンライン・サービス
アメックスのビジネスカードは、法人カードとして欠かせない機能である経費管理の効率化に役立ちます。発行される利用代金明細書があれば、仕分けも内容の検討も楽にできます。また、明細をデータでダウンロードできるオンライン・サービスも便利です。
クラウド会計ソフトとの連携ができる
クラウド会計ソフト「freee」とAPI連携することで、カード明細データをソフトに取り込んで処理することができます。
各種空港サービスで出張が楽になる
空港ラウンジや手荷物配送サービスなど、飛行機で移動することが多い事業主にはうれしいサービスが多数です。
年会費は経費で処理しポイントはお得に貯める
アメックスのビジネスカードの年会費は、グリーンが無料、ゴールドで31,000円です。この年会費は経費で落とすことが可能です。加えて、利用額に応じてポイントも貯まりお得です。また、プラチナの年会費は13万円ですが、受けられるサービスを考えればタダ同然との声も少なくありません。
充実した付帯サービスがいっぱい
ホテルなどの優待ができるクラブオフや、ビジネスシーンを手助けしてくれるコンシェルジュサービス、電話で無料健康相談ができるサービスなど、アメックスのビジネスカードには特典や付帯サービスが満載です。
なお、本サイトからお申込みいただくと、初年度年会費が無料になり、かなりお得になりますので、検討されている方はぜひ下記のリンクをクリックしてみください。
まとめ
アメックスのビジネスカードはコストパフォーマンスがよく、ステータスシンボルとしても使えるカードです。
同時に作りやすいカードでもあります。
ただ、条件によっては審査落ちすることもあるため、引っかかりそうな点を解決してから申し込むことも大切です。
アメックスのビジネスはグリーンとゴールドで審査基準に大きな差はないといわれています。
ステータスとサービス内容を考えれば、ゴールドがよりおすすめといえます。
そして、さらにより高いステータス性を重視したい方にはプラチナがおすすめです。
- 監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
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約80枚のクレジットカードを保有し、約130万円の年会費を支払っている。 一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。