アメックスビジネスのETCカードはおすすめ?他社ETCカードと比較してみよう
監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
アメックス・ビジネス・カードを持っていれば、ETCカードを作ることができます。ETCカードを作れば、高速道路の料金所で一時停止したり、現金のやりとりをしたりする必要がありません。料金の支払いはクレジットカードの利用代金と一緒になるため事務効率も向上します。
同時に、ETCカードを発行できるクレジットカードはアメックス以外にもあります。どのカードを選ぶのがよいかを判断するには比較が重要です。
この記事では、法人カードとして人気の高いアメックス・ビジネスカードで作るETCカードのメリットや、アメックス・ビジネス・カード自体の概要、他社との比較などを解説しています。ETCカード選びと法人カード選びの参考にしてください。
この記事の目次
- アメックス・ビジネス・カードで作れるETCカード
- 法人カードのオーナーは手数料無料で作れる
- ビジネス・カード会員のETCカード年会費は税別500円
- 個人事業主でも法人代表者でも5枚まで持てる
- 追加カードを利用すれば社員も1枚使える
- ETCカードが届くのは申し込みから半月程度
- 利用代金はアメックス・ビジネス・カードと合算されるので便利
- アメックス・ビジネス・カードでETCカードを利用する3つのメリット
- 経費計上が簡単にできる
- ビジネス・カード1枚で社用車5台の高速道路利用状況の管理が可能
- アメックス・ビジネス・カードのサービスを活用できる
- アメックス・ビジネス・カードのスペック
- アメックス・ビジネス・カード
- アメックス・ビジネス・ゴールド・カード
- 年会費無料のETCマイレージサービスも利用できる
- サービスの利用には無料登録が必要
- ETCマイレージを実施している高速道路会社
- 付与されるポイントは会社によって異なる
- アメックス・ビジネスの比較対象となる他社法人カードのETCカード
- JCBゴールド法人カードで作るETCカード
- オリコEX Gold for Bizで作るETCカード
- 三井住友ビジネスカード for Ownersで作るETCカード
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードで作るETCカード
- まとめ
アメックス・ビジネス・カードで作れるETCカード
事業に車を使用しており、高速道路の利用が多い場合は、ETCカードの導入が視野に入ります。クレジットカードのサービスの一環として発行されるETCカードならお得で便利です。ETCカードを作るなら、法人カードの中でも人気の高いアメックス・ビジネス・カードがおすすめです。
法人カードのオーナーは手数料無料で作れる
アメリカン・エキスプレスでは、法人カードのオーナーがETCカードを作るときの新規発行手数料が無料になっています。もちろん、枚数に関係なく無料です。
ビジネス・カード会員のETCカード年会費は税別500円
アメックス・ビジネス・カード会員がETCカードを持つとかかる年会費は税別500円と割安になっています。たとえば、同じアメックスの個人カードでETCカードを作る場合、年会費は無料ですが、ETCカード1枚につき税別850円の新規発行手数料が必要です。ビジネス・カード会員の方がお得であるだけでなく、経費処理するカードは法人カードが適しています。
個人事業主でも法人代表者でも5枚まで持てる
アメックス・ビジネス・カード会員なら、個人事業主と法人代表者の違いに関係なく、基本カード会員として5枚までETCカードを持てます。本人と社員を合わせて5人までであれば、1人1枚で使い分け可能です。
追加カードを利用すれば社員も1枚使える
アメックス・ビジネス・カード会員で基本カード会員が持てるETCカードとは別に、追加カード会員でもETCカードの発行を受けられます。追加カード1枚につきETCカードも1枚です。社員や社用車が増えて6枚以上必要になっても対応可能です。
ETCカードが届くのは申し込みから半月程度
アメックス・ビジネス・カード会員がETCカードを作る場合、通常は申し込みから半月程度で手元に届きます。いつでも使えるようにしたければ、余裕を持って申し込むことが必要です。
利用代金はアメックス・ビジネス・カードと合算されるので便利
アメックス・ビジネス・カード会員として持つETCカードの利用代金は、ビジネス・カードと合算で請求されるので、別途支払う必要がありません。クレジットカードのサービスで発行されるETCカードの利用代金の支払いに、別途手続が必要ではメリットが半減してしまいます。アメックス・ビジネス・カード会員なら、そのような煩雑さがなく便利です。
次の章では、アメックス・ビジネス・カードでETCカードを利用するメリットを3つ解説します。
アメックス・ビジネス・カードでETCカードを利用する3つのメリット
アメックス・ビジネス・カードでETCカードを使う主なメリットは以下の3つです。
- 経費計上が簡単にできる
- ビジネス・カード1枚で社用車5台の高速道路利用状況の管理が可能
- アメックス・ビジネス・カードのサービスを活用できる
それぞれ順にみていきましょう。
経費計上が簡単にできる
アメックス・ビジネス・カードに紐ついているため、経費計上が簡単にできます。法人カードは用途を経費の支払いに特化したカードで、個人カードよりも利用代金の経費処理が容易です。したがって、法人カードであるビジネス・カードと合算での請求となるETCカードの利用代金を経費計上することも簡単になります。
ビジネス・カード1枚で社用車5台の高速道路利用状況の管理が可能
ビジネス・カード1枚あれば、ETCカードを5枚まで持てます。そのため、社用車が5台あっても、すべての高速道路利用状況を管理可能です。しかも、追加カードを利用すれば6台以上の社用車の管理にも対応できます。
仮に、ビジネス・カード1枚につきETCカードを1枚しか持てないとなれば、関連性のないETCカードを何枚も使うことになってしまいます。そうなれば、経費管理の効率化が限定的なものとなってしまうでしょう。基本カードで5枚のETCカードを発行でき、追加カードでもETCカードを発行できるのは、アメックス・ビジネス・カードの大きなメリットです。
アメックス・ビジネス・カードのサービスを活用できる
アメックス・ビジネス・カードでETCカードを使うということは、アメックス・ビジネス・カードそのものに付帯するサービスや特典も使えるということです。主なサービス・特典を見ておきましょう。
経費管理向けサービス
基本となる経費管理向けサービスとして、利用状況の分析や勘定科目の仕分けなどに便利な利用明細書が発行されます。紙ベースの詳細な利用明細書の他に、パソコンやスマでの確認やPDFデータとしてのダウンロードも可能です。また、オンライン・サービスでは過去一定期間のデータも確認できます。
しかも、CSVファイルやExcelファイルなどの形式でのダウンロードにも対応しています。パソコン上で利用明細の分類・ソート・集計が可能となり、経費管理に役立つ生きたデータに作り変えることも可能です。
加えて、クラウド会計ソフト「freee」との間で、API連携によるデータの移行を行えば、会計事務が飛躍的に効率化されるでしょう。
空港利用時のサービス
アメックス・ビジネス・カードでは、空港利用時のサービスも充実しています。他のクレジットカードでも一般的になっている空港ラウンジサービスがついているのは当然です。その他、無料ポーターサービスや自宅と空港間の往復が楽になるスーツケースの無料宅配サービス、出発駅から出張先のホテルまで手荷物を運んでくれる当日無料宅配などがあります。フライト機会の多い事業者のメリットは大です。
福利厚生サービス
社員を雇用する事業者にとって、福利厚生の充実は重大な関心事といえるでしょう。しかし、自前で用意するのは大変です。アメックス・ビジネス・カードには、福利厚生プログラムの「クラブオフ」VIP会員に、年間登録料なしで登録できる特典がついています。クラブオフで利用できる施設は75,000以上に及びます。
つまり、ほぼ何もしなくても有利な福利厚生サービスを導入できるのです。契約施設の利用料も優待価格でお得になっています。
年会費無料のビジネス情報サービス
ビジネスに役立つ情報が得られる「ジー・リサーチ」の年会費が無料です。取引先に関するものや、業界の動向など、帝国データバンクなどの重要情報を手軽に費用負担なしで活用できます。
その他の各種優待サービス
「ビジネス・ダイニングbyぐるなび」の利用では、コンシェルジュサービスや、条件を満たせば抽選でギフトカードが当たるサービスを受けられます。健康維持などについての質問ができる「ヘルスケア無料電話健康相談」ともどもビジネス・ゴールド・カード会員が使えます。
次の章では、アメックス・ビジネス・カードのスペックについて解説します。
アメックス・ビジネス・カードのスペック
ここでは、アメックス・ビジネス・カードそのもののスペックを解説します。
一般に申し込めるのは、グリーンカラーのビジネス・カードとゴールドカードであるビジネス・ゴールド・カードの2種類です。
ビジネス・プラチナ・カードは、アメックスからのインビテーション(招待)を待って申し込む形となっています。
アメックス・ビジネス・カード
券面が緑色であることからグリーンカードとも呼ばれているのが、アメックス・ビジネス・カードです。年会費は無料で、追加カードは1枚あたり税別6,000円となっています。経費管理に関する機能やサービス面では上位カードであるビジネス・ゴールド・カードと同様です。
また、ETCカードの取扱いについても変わるところはありません。
経費管理とETCカードの発行だけを考えるのであれば、ビジネス・ゴールド・カードよりも年会費が安いこちらがお得と考えることができます。
利用限度額に一律の設定はなく、下限・上限とも個別の状況で変わります。
海外旅行傷害保険は、基本カード会員本人に付帯されますが、チケットやツアー代をカード決済することが条件となる利用付帯です。最高額は5,000万円となっています。
アメックス・ビジネス・ゴールド・カード
アメックス・ビジネス・カードとして高い人気を得ているのがビジネス・ゴールド・カードです。
アメックスのカードは総じて高いステータスで知られており、一般カードに位置づけられているグリーンのビジネス・カードが他社のゴールドカードに相当するといわれています。年会費を見ても納得できる評価です。
したがって、ステータスでいえば、ビジネス・ゴールド・カードは他社のプラチナカード相当です。
それだけの高いステータスでありながら、個人事業主やスタートアップして間もない法人の代表者でも持ちやすいカードである点も人気の理由といえます。
また、アメックス・ビジネス・ゴールド・カードについてさらに知りたいという方は下記記事も参考にしてみてください。
海外旅行傷害保険は自動付帯もある
ビジネス・ゴールド・カードの年会費は税別31,000円で追加カードは1枚につき税別12,000円です。
利用限度額に一律の設定がないのはビジネス・カードと同様で、そのため、上位カードだから限度額が多いとは限りません。
逆に考えれば、限度額の設定にカードランクの上下は関係ないことから、持ちやすさがビジネス・カードと変わらない傾向が見られます。
つまり、はじめからステータスの高いこちらを持つことも可能です。
利用付帯される海外旅行傷害保険は最高額1億円で、ビジネス・カードの2倍あります。
また、チケットやツアーの代金をカード決済しなくても最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付帯される自動付帯が特徴です。
接待に使える各種サービスも用意されている
ビジネス・ゴールド・カードの会員限定のイベントや、新国立劇場での観劇、京都観光ラウンジ、ゴールド・ワインクラブ、ゴルフ関連サービスなども見逃せません。接待やビジネスの合間のリフレッシュに使えるサービスです。
次の章では、ETCマイレージサービスについて解説します。
年会費無料のETCマイレージサービスも利用できる
アメックス・ビジネス・カードのETCカードで、ETCマイレージサービスの年会費が無料になります。また、ETCマイレージサービスを利用すると、通行料金をETCカードで支払った分だけポイントが貯まってお得です。
サービスの利用には無料登録が必要
ETCマイレージサービスを利用するための登録は無料でできます。登録したETCカードを別の車両で使用してもポイントがつきます。すぐに使いたいときはインターネットで登録しましょう。ネット環境が使えない場合でも郵送による登録が可能です。
ETCマイレージを実施している高速道路会社
ETCマイレージを実施しているのは、以下の各高速道路会社・公社です。
- NEXCO東日本
- 中日本
- 西日本
- 宮城県道路
- 本州四国連絡高速道路
- 阪神高速道路(※)
- 名古屋高速道路
- 愛知県道路
- 神戸市道路
- 広島高速道路
- 福岡北九州高速道路
(※)阪神高速道路は8号京都線のみとなっています。
付与されるポイントは会社によって異なる
NEXCOなどは10円で1ポイントが付与されますが、100円1ポイントなど会社・公社によってレートが異なります。なお、ポイントは翌年度末まで有効で、通行料金として利用可能です。
【参考】ETCマイレージサービス
最後に、他社の法人カードとの比較を行います。
アメックス・ビジネスの比較対象となる他社法人カードのETCカード
アメックス・ビジネスと他社のETCカードを比較してみましょう。
クレジットカード名称 | ETCカード年会費 | ETCカード発行可能枚数 |
---|---|---|
アメックス・ビジネス・カード | 500円 | 基本カードは5枚 追加カード1枚につき1枚 |
JCBゴールド法人 | 無料 | 複数枚発行可能 |
オリコEX Gold for Biz | 無料 | クレジットカード1枚あたりETCカード1枚 |
三井住友ビジネスカード for Owners | 500円または無料 | クレジットカード1枚あたりETCカード1枚 |
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード | 無料 | クレジットカード1枚あたりETCカード1枚 |
JCBゴールド法人カードで作るETCカード
JCBゴールド法人カードでは、ETCスルーカードNを発行できます。このカードの特徴は、クレジットカード自体を発行しないでも発行されることです。
JCBゴールド法人カードのカードスペック
税別年会費は10,000円で、追加カードは税別3,000円です。限度額は50万~250万円に設定されています。旅行傷害保険の最高額は、海外で1億円、国内が5,000万円です。JCBのOki Dokiポイントが付与される他、空港ラウンジサービスなど付帯サービスも充実しています。
オリコEX Gold for Bizで作るETCカード
オリコEX Gold for Bizで作れるのがオリコETCカードです。発行枚数はオリコEX Gold for Biz 1枚に対して1枚となっています。
オリコEX Gold for Bizのカードスペック
オリコEX Gold for Bizには、個人事業主向けのSと法人代表者向けのMの2種類がありますが、基本的なスペックはまったく同じです。年会費は税別2,000円で初年度無料となっており、2枚目以降も無料という手軽さが受けています。限度額は10万円~300万円です。主な付帯サービスは国際ブランドにより異なります。
海外旅行傷害保険が自動付帯で最高2,000万円つきますが、国内は利用付帯で最高1,000万円です。オリコEX Gold for Bizには、個人事業主向けのSと法人代表者向けのMの2種類がありますが、基本的なスペックはまったく同じです。年会費は税別2,000円で初年度無料となっており、2枚目以降も無料という手軽さが受けています。限度額は10万円~300万円です。空港ラウンジサービス以外の主な付帯サービスは、VisaとMasterで異なります。
海外旅行傷害保険が自動付帯で最高2,000万円つきますが、国内は利用付帯で最高1,000万円です。
三井住友ビジネスカード for Ownersで作るETCカード
三井住友ビジネスカード for Owners1枚あたりETCカード1枚が発行されます。初年度の年会費は無料です。その後は、前年度にETC利用による請求実績があれば無料となります。プラチナのみ無条件で無料です。
三井住友ビジネスカード for Ownersのカードスペック
三井住友ビジネスカード for Ownersのゴールドカードは税別年会費10,000円で、パートナー会員は1名あたり2,000円となっています。ネットからの入会のみ初年度無料となります。 限度額は50万~300万円です。分割やリボ払いに対応しているカードで、福利厚生代行サービスなどが利用できます。旅行傷害保険の最高額は5,000万円で、自動付帯と利用付帯で金額が異なります。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードで作るETCカード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードで作るETCカードは、セゾンのETCカードです。クレジットカード1枚につき1枚となっており、追加カード分だけ増やせます。追加カードは4枚までです。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードのカードスペック
年会費は税別20,000円で追加カードは税別3,000円となっています。初期限度額は~500万円と高めです。旅行傷害保険は海外が1億円で国内が5,000万円となっており、ともに自動で付帯されます。付帯サービスにはセゾンカードとして提供されるものと、アメックスのカードとして使えるものがあり充実しています。
まとめ
アメックス・ビジネス・カードで作るETCカードは、基本カードだけで5枚発行できる点が大きな特徴です。
つまり、追加カードを発行しなくても社員にETCカードを持たせることができます。
もちろん、自分用の1枚があれば足りる個人事業主でも使用可能です。
他社との比較では、ETCカード自体に違いがないため、ETCカードの年会費や発行枚数だけでなく、クレジットカードの使い勝手のよさも決め手となります。
具体的には、年会費や限度額、付帯サービスなどです。
その点、アメックス・ビジネス・カードは、多くの方におすすめできるカードといえます。
- 監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
-
年間、100本以上の記事執筆や監修を行っていますが、同じタイトルの記事でも、その時の経済情勢や法改正などで、内容は日々変わっていきます。 『かかりつけのお金と人生の相談者』いうスタンスを大切に、最新かつ正確な情報をお届けすると共に、読者にとって「わかりやすい」記事を提供することを心がけています。