アメックス・ビジネス・ゴールドカードの限度額は無制限ではない
監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの発行を考えている人の中には、利用限度額はどれくらいなのか気になりますよね。
アメックスの公式サイトには、「一律のご利用限度を設けず」とあるため、無制限で利用できると勘違いしている人もいます。
しかし、実際は無制限なのではなく「利用限度額は利用者によって決まる」ようになっています。
そこでこの記事では以下のようなことをお伝えします。
- アメックス・ビジネス・ゴールドカードの本当の利用限度額
- 追加カードを発行した際の利用限度額
- 一時的に利用限度額以上利用する方法
この記事を読めば、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額の仕組みや、利用限度額を上げる方法について正しく知ることができます。ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事の目次
アメックス・ビジネス・ゴールドカードの限度額は無制限ではない
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの限度額は無制限だと考えている人がいますが、冒頭でも説明したとおり、それは間違いです。
無制限と誤解してしまう理由や本当の利用限度額はどうなのかお伝えしていきます。
アメックス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額が無制限と誤解されている理由
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの限度額は無制限ではありません。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの限度額が無制限という誤解が生じているのは、アメックスの公式サイトの限度額の欄に「一律のご利用限度を設けず」の文字があるからです。この部分だけを読んで、無制限に利用できると誤解する人がいたと考えられます。
ただ、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードを利用している人の中には、利用限度額が1,000万円になるケースも存在します。無制限ではないものの、1,000万円も利用できればかなりのものですよね。
利用限度額は利用者によって決まる
では、「一律のご利用限度を設けず」はどのように決まるのかですが、その判断基準となるのは利用者の返済能力です。「一律のご利用限度を設けず」は制限がないのではなくて、それぞれの人の返済能力によって違うので、「一律に」決められているものではないという意味です。
つまり、利用限度額が100万円の人もいれば、1,000万円の人もいることになります。
1,000万円の利用限度額になれば、法人カードの中でもトップクラスの利用限度額で、使い勝手の良い法人カードになりますね。
カード発行時は通常100万円でスタート
1,000万円以上の利用限度額を設定されることもあるアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードですが、カード発行時基本的には100万円でスタートをすることが多いです。実際、年収2,000万円の自営業者のカード発行時の利用限度額が100万円となっているケースも存在しています。
自営業者だったので利用限度額が低く抑えられた可能性ももちろんありますが、年収2,000万円があっても最初の利用限度額が100万円ですから、2,000万円以下の人もスタートが100万円を超えることは考えにくいでしょう。
カード発行時に利用限度額が多くなるケースもある
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードは必ず利用限度額が100万円でスタートするわけではなく、最初から利用限度額が多くなるケースもあります。
最初から利用限度額が大きくなる要素を2つお伝えしましょう。以下の2つの要素は最初の利用限度額に大きく影響します。
- 会社員である
- アメックスのクレジットヒストリーを持っている
順に見ていきましょう。
会社員である
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードは会社員でも発行が可能です。銀行やクレジットカード会社などの金融業界では、会社員の方が、個人事業主や中小企業の経営者より、返済能力が高いと見なされます。ですから会社員であれば、もう少し利用限度額が大きくなる可能性もあります。
これから起業を考えている人は、会社員のうちにアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードを発行すると良いでしょう。
アメックスのクレジットヒストリーを持っている
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの発行申請を行う前に、他のアメックスのクレジットカードを持っていて返済で滞りがない場合も利用限度額が大きくなる可能性があります。
ここでいうアメックスのクレジットカードというのは、アメックスのもう1つの法人カードのアメックス・ビジネス・カードに限りません。アメックスには、個人用クレジットカードとして以下のようなカードがあります。
- アメリカン・エキスプレス・カード
- アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
- プラチナ・カード
さらに、提携クレジットカードとして以下のようなカードもあります。
- ANAアメリカン・エキスプレス・カード
- ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
- ANAアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
- デルタ・スカイマイル・アメリカン・エキスプレス・カード
- デルタ・スカイマイル・アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
- スターウッド・プリファード・ゲスト・アメリカン・エキスプレス・カード
- ペルソナ・STACIA・アメリカン・エキスプレス・カード
- ザ・ペニンシュラ東京との提携によるアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
上記のアメックスのその他のクレジットカードあるいはアメックスと提携しているクレジットカードを既に持っていて返済が滞っていなければ、クレジットヒストリーが積み上がっています。
そうすれば、最初からアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額が多めに設定されることも考えられます。
利用限度額1,000万円まで上げる方法
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額を1,000万円まで上げるのに役立つ4つのポイントをご紹介します。
- 年収を上げる
- 引き落とし日に確実に支払う
- 事前承認手続きを利用する
- アメックス・ビジネス・ゴールドカードをたくさん利用する
順に見ていきましょう。
年収を上げる
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額を上げる為に大切な1つの要素は年収を上げることです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額を上げるためには、カードの裏に書かれている電話番号に電話をする必要があります。オペレーターに繋がると以下のようなことを尋ねられます。
- 住所
- 年収
- 貯蓄額
- 役職
- 希望上限額
年収を尋ねられるわけですから、年収が利用上限額を上げるのに大きく関わることがわかります。また貯蓄額も尋ねられるので、貯蓄額も利用限度額を上げることに関係しますが、年収が増えれば、貯蓄額も増えていくことでしょう。
引き落とし日に確実に支払う
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードを持ったなら、引き落とし日に確実に引き落とされるようにしましょう。もしも引き落とし日に残高不足で引き落としができなかったら、返済能力がないとアメックス側に思われてしまいます。そうなれば、利用限度額は上がりづらくなるでしょう。
事前承認手続きを利用する
この後詳しく述べますが、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードは一時的に利用限度額を超えて利用することができます。事前承認手続きという手続きをすることで限度額を1度だけ上げることが可能なのですが、この事前承認手続きを利用することで、利用限度額が足りていないというアピールを行うことができるのです。
アメックス・ビジネス・ゴールドカードをたくさん利用する
アメックスのクレジットヒストリーを作っていくには、アメックス・ビジネス・ゴールドカードを発行したら、たくさん利用することも大切です。
支払いが滞らないこともクレジットヒストリーを作るには大事な要素ですが、使わないから支払いが滞らないでは、アメックスとの信用が増えていきません。たくさん利用し、きちんと支払っていくことでクレジットヒストリーが作られ、利用限度額が上がっていくのです。
ここまでアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額について見てきました。「一律のご利用限度を設けず」は無制限の意味ではなく、利用者の返済能力によって決まるということです。
最初の利用限度額と利用限度額を1,000万円まで上げるのに役立つ事柄も見てきました。では、次に利用限度額がどのようなものかを見ていきましょう。
利用限度額は追加カード分も合算
利用限度額は、文字通り利用できる限度額のことですが、追加カードを発行した際には追加カードの分も合算されます。
例えば、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードで、追加カードを3枚発行した場合、メインのカードと合わせて4枚あります。そのような状況で利用限度額100万円なら、4枚分合わせて100万円となるのです。
メインのカードで50万円利用した場合、追加カード3枚で利用できるのは合わせて50万円ということになります。
しかも利用限度額というのは、法人カードの場合、毎月限度額いっぱいまで使えるわけではありません。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードは翌月引き落としです。ですから締め日から翌月の引き落とし日までは利用限度額から前回の締め日までに使った金額を差し引いた金額しか利用できないのです。
法人カードの場合、会社で利用しますので追加カードを発行することは多いでしょう。先ほど考慮したように利用限度額を上げていくようにしましょう。
ここまで利用限度額は追加カード分も合算されるといいうことをお伝えしました。次に一時的に利用限度額以上に利用する事前承認手続きについて詳しく見ていきましょう。
事前承認手続きで利用限度額以上の利用可能
先に述べましたが、事前承認手続きで一時的に利用限度額以上の利用が可能です。個人事業主でも中小企業でも、新たな設備を導入する際や海外に出張にいく際など一時的に利用限度額より大きな金額が必要になることもあるでしょう。そのような場合にまだ利用限度額が低いなら、事前承認手続きは大変便利です。
事前承認手続きの方法
事前承認手続きの方法ですが、コールセンターに電話をする必要があります。そして以下の2つのことを行うことが必要です。
- 最新の資産の情報開示
- 事前の入金
最新の資産の情報開示は、口座残高や個人資産の開示が必要です。事前の入金はアメックスにする必要があります。コールセンターに電話し、これら2つのことを行えば、利用限度額を超えて利用することができるでしょう。
ここまで事前承認手続きについてお伝えしました。次にここまで注目してきたアメックス・ビジネス・ゴールドカードについておさらいしておきましょう。
アメックス・ビジネス・ゴールドカードの特徴
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの特徴は、高いステータス性です。アメックスといえば、最上級のカードにアメックス・センチュリオンがあります。入会金と年会費を合わせて約90万円もするブラックカードで、ヘリコプターや高級外車も買えると言われています。
そのようなアメックス・センチュリオンの影響もあってか、ステータス性の高いクレジットカードのイメージがついているのです。
ステータス性の高いクレジットカードを持っていれば、他の経営者から一目置かれる存在になったり、会社の信用が増したりします。持っていて損はない法人カードです。
特徴と合わせてアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの審査についても見ていきましょう。
アメックス・ビジネス・ゴールドカードの審査
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの審査は優しいといわれています。そもそもアメックスの審査は他のクレジットカード会社と一線を画しています。多くのクレジットカード会社は、信用情報機関と連携して他社も含めたクレジットカードの利用情報を共有しています。
しかしアメックスは、独自の審査基準で返済能力を判断しています。そのため以前にクレジットカードの支払いで滞ったことがあっても、現在の返済能力に問題がなければ、問題なく審査は通るのです。
また、多くの法人カードの審査では、起業して1年目は審査が通らないとされています。しかしアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードは起業した直後でも、個人の返済能力に問題ないとされれば、審査は通るといわれています。
ここまでアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの審査についてお伝えしました。最後にこの記事をまとめたいと思います。
まとめ
この記事では、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額についてお伝えしました。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額は「一律のご利用限度を設けず」とあります。そのため無制限で利用できると勘違いされる方もいるようです。しかし「一律のご利用限度を設けず」というのは、利用者に応じて利用限度額が決まっているということです。
カード発行時は、100万円からスタートすることが多いです。しかしクレジットヒストリーを積むと利用限度額1000万円も不可能ではありません。
カード発行時に利用限度額が少ない人は、事前承認手続きを行えば、一時的に利用限度額以上の利用も可能になります。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードは利用限度額も多く、ステータス性の高い法人カードです。
本サイトからお申込みいただきますと、初年度年会費が無料になりますので、持っていない人はすぐに発行しましょう。
- 監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
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