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法人カードのルール作りはカード利用を適切化しメリットを最大化させる肝!

監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
「Accouming」が表示されたパソコン

法人カードを代表者が自分だけで使っている間はルールの必要性を感じないかもしれません。しかし、社員が増えて追加カードの枚数が多くなれば、しっかりとしたカード管理が必要になります。なぜなら、事業の経費を決済するための法人カードを使った私的流用や、経費の使いすぎといった不正が懸念されるためです。

法人カードの利用ルールにはどのようなものがあるのか、ルールを作ることでどのようなメリットやデメリットがあるのかを知ることが、法人カードの適正利用の重要ポイントになります。

この記事では、法人カードのルールについての解説と、おすすめのカード3枚を紹介しています。

この記事の目次

法人カードの利用ルールを定めるメリットは大きく3つある

テーブルでお札を出しあう様子

法人カードを利用するにあたり、ルールを決めることで得られる3つの大きなメリットがあります。

  • 法人カードの利用ルールを決めることで仕事の効率が向上する
  • ルールを決めることで不正利用の抑止効果を期待できる
  • 使いすぎを防げるのもルールを決めるメリット 

以下で詳しく見ていきましょう。

法人カードの利用ルールを決めることで仕事の効率が向上する

まず考えられるのが、仕事の効率が向上することです。

導入しただけなら法人カードのメリットは少ない

法人カードを導入する大きな目的は、経費管理に費やす事務を効率化することです。もし、事務の効率化に逆行するような状況を続けたなら、法人カードを導入したメリットが激減してしまいます。

本来なら、事業で支出する経費の支払いを法人カード決済に統一することにより、支払日を毎月1回に集約できます。また、経費が発生する都度行っていた立替払いや精算といった事務作業が不要になります。

さらに、使った経費をひと目で確認できるため、仕事の効率が飛躍的に向上するといっても過言ではありません。

仮払いや個人カード決済などが混在したのでは意味がない

法人カードを持っているのに仮払いをしたり、個人カード決済をしたりといったケースがあります。これは事務効率の合理化を鈍らせてしまう状況です。合理的な理由があればともかく、ルールを明確に定めていないために従来の決済方法を漫然と続けているなら意味がありません。

また、さらに問題なのは個人カードで決済すれば自分のポイントが貯まると考えて法人カードを使わない社員の存在です。法人カードに統一しないのであれば問題とはいえませんが、事務の効率化と公私の区別をつけるためには避けたい運用といえます。

いつでもすぐに使える法人カードの威力を活用する

法人カードをどこまで使ってよいのかわからないから使えないというケースも考えられます。ルールがないなら仕方ないことです。

法人カードを使うメリットは、事後の経費に関する事務の効率化だけでなく、必要なときにすぐに使えるタイムロスをなくす点にもあります。手持ちの現金や銀行口座の残高を気にする必要もなく、大きな威力を発揮するのが法人カードです。

ルールを決めることで不正利用の抑止効果を期待できる

不正利用の抑止効果を期待できるのもルールを決めるメリットといえます。法人カードは使いたいときに使える機動力を持った決済手段です。誰に断る必要もなく、カード券面に表示された本人であれば限度額の範囲内で自由に利用できます。そのため、不正利用しやすい面があります。

故意に行う不正利用は防ぎ切れないかもしれませんが、「うっかり」不正利用してしまうことならルールを定めることで対応可能です。何が適正かが曖昧なままでは、使う方も困ります。何に使えて何がダメなのかを事前に知らせておけば、うっかり使ってしまうことも抑えられるでしょう。

使いすぎを防げるのもルールを決めるメリット

カードの使用が適正か不正かを明確にするとともに、使いすぎを防ぐ点でもルールは重要です。用途としては正しいものの金額が妥当かどうかの判断や、累計でいくらまで使ってよいかの判断は、ルールがなければ迷ってしまうこともあります。その結果、使いすぎたとしても責任の所在が疑問です。

次の章では、適正な利用のための3つのルールについて、メリットとデメリットを解説します。

不正利用や使いすぎを防ぐ3大ルールのメリットとデメリット

「BALANCE」「MERIT」「DEMERIT」を黒板に書く手

不正利用や使いすぎを防ぐために有効なルールは主に3つです。

  • 【ルール1】法人カードの名義人となれる対象を絞る
  • 【ルール2】カード決済とする経費項目や金額を限定する
  • 【ルール3】一定のカード決済を事前承認制にする 

こちらも順にみていきましょう。

ルール1.法人カードの名義人となれる対象を絞る

法人カードの名義人となれる人を絞ることで、不正利用や使いすぎを防ぐ効果を期待できます。信頼度の高い人に限って法人カードを使用させる方法です。法人カードには、法人代表者や個人事業主が使用する基本カードと、社員が使うための追加カードの2種類あります。

追加カードも基本カード同様1対1のカードです。つまり、使用する社員1人につき1枚発行されます。クレジットカードは団体に対して発行されるものではなく、使用者本人に発行されるものだからです。したがって、カードの名義人も個人名となります。選ばれた個人に限り追加カードを発行することで適正利用を確保が容易になるでしょう。

カードを使う人数が少ない方が管理しやすい

追加カードを持てる人が少なくなれば、カードの管理自体も楽になります。枚数が多ければ紛失や盗難のリスクも上昇しますが、絞ってしまえば心配することも少ないです。

責任ある立場なら適切な利用を期待できる

カードの名義人となる人を絞る場合、経営陣や幹部社員、管理職などの責任ある立場の人だけに発行する方法があります。立場上、不適切な利用をする可能性が低いと考えられるためです。

経費処理の統一感に欠けるのがデメリット

名義人を絞るメリットは魅力ですが、そこには大きなデメリットが存在します。経費処理の統一感に欠けることです。経費処理の方法を法人カードに統一することで、効率アップが期待できるにもかかわらず、法人カード決済と他の決済が混在することは無視できないデメリットといえます。経費処理を分ける場合は、一元化を上回るメリットがあるか検討が必要でしょう。

ルール2.カード決済とする経費項目や金額を限定する

すべての経費をカード決済にするのではなく、社員の多くが利用する機会の多い項目に限定することで、機動性を確保しつつ不正利用や使いすぎを防止します。また、一度に決済できる金額を抑える方法なら、使いすぎの抑止に効果的です。

関係ない決済がわかりやすい

法人カードで決済できる経費項目を限定することで、利用明細を見た際に、対象外の物品やサービスの購入がわかりやすくなります。不正利用や使いすぎの早期発見に役立つことがメリットです。

経費処理の一元化を阻害する点がデメリット

法人カード決済の対象外となる経費や高額の決済が立替払いや仮払い、銀行振込などになることで、経費処理の一元化を阻害する可能性があります。考えたいのは、なるべく効率が落ちない形での運用です。

ルール3.一定のカード決済を事前承認制にする

不正利用や使いすぎを防ぐルールの3つめは、一定のカード決済を事前承認制にすることです。

不適切な支出を防止できる

日常的に決済する種類の利用でないものを事前承認制にすることで、不適切な支出はほぼ不可能となります。妥当性の疑わしい支出は申請自体ハードルが高いものです。

法人カードの機動力を活かせないのがデメリット

法人カードをもっていれば、いつでも必要に応じて経費を使える点が大きなメリットのひとつです。しかし、決済にあたって事前承認を要するとなれば、機動力の点で大きくマイナスになってしまいます。

個人事業主も自戒の念を込めてルール化したい

法人カードの使用ルールを定める必要があるのは、社員に追加カードを使用させる法人です。また、個人事業主でも従業員を抱えており、追加カードを発行する場合は法人と同様にルールが必要になります。

一方、自分だけで事業を行っている個人事業主や、法人成りしたばかりで社員を持たない法人代表者なら追加カードは不要です。しかし、基本カードでも経費以外の決済や使いすぎが起きないわけではありません。自戒の念を込めてルールを作るとよいでしょう。

次は法人カードの不正利用例について触れてみたいと思います。

よくある法人カードの不正利用例はこれだ

カードを見て困惑する女性

法人カードの不正利用には代表的なパターンとして以下のものがあげられます。

  • 社員が私用に使う
  • 経費とは呼べない物を購入する

読んで字のごとくの内容ではありますが、簡単にチェックしていきましょう。

社員が私用に使う

法人カードを持つ社員が、プライベートの飲食や遊興費、物品購入に流用するケースはよく知られています。ただし、経費の決済を行う際に、同時に購入した私物を一括で決済してしまうケースもあるため、必ずしも悪意を持った私的流用ばかりではない点に注意が必要です。

経費とは呼べない物を購入する

経費のつもりで決済したものの、経費として認められないというケースもあります。どこまでが経費になるかをキチンと認識していないために起きる問題です。このケースは、ルール化によって容易に避けることができます。

ルールを定めることによって法人カードの不正利用を防ぐことはできます。しかしルールは守られてこそ意味のあるものです。その点について次はチェックしていきましょう。

ルールが守られているかをチェックすることも重要

自分を指差すスーツを着た女性

ルールを作っても、それだけで法人カードの利用が適正になるわけではありません。守られてこそ意味があるのがルールです。作っただけ、決めただけでは守られる保証がないため、役に立たないルールになってしまう懸念がでてきます。

細かくチェックすることで不正利用や使いすぎを早期に発見できる

利用状況をチェックする間隔が長ければ、それだけ不正利用や使いすぎの発見が遅れます。早期発見に有効なのは、可能な限り間隔を詰めて細かくチェックすることです。また、どのような利用であっても領収書をもらうルールを作り、適宜チェックすることが重要です。

役職上位者の利用内容を重点チェックする

追加カードの枚数が多くなると、チェックにも時間がかかるようになります。すべてのチェックが困難な場合は、役職上位者の利用を重点的にチェックしましょう。役職上位者は一般社員よりも経費を多く使ったり、決裁権限が強くなったりするためです。一般的には立場を考えて適正な利用が考えられるものの、部下に影響を与えることもあるため、不正利用があれば早期発見が望まれます。

ここまでは在職中の法人カード取扱ルールについて言及してきましたが、会社には退職がつきもの。そこで、次は退職時のルールについて考えます。

退職時のルールも忘れずに決めておく

カードを持ちパソコンを操作する手

ルールは在職中のカード利用についてだけでなく、退職時のカードの取扱いについても定めておく必要があります。

従業員が退職後に法人カードを利用することがある

従業員がカードを持ったまま退職することがあるため、退職時の取扱いのルール化も必要です。退職時には、原則として法人カードを返却するルールを定めます。それだけでは忘れられることもあるため、積極的に返却を求め、回収するルールも必要です。

法人カードによっては規約で回収が定められていますが、回収すべき理由はリスク管理にあります。未回収のカードを退職後に利用されることがあるためです。この場合、一部の例外を除いて、辞めた人のカードだから知らないとはいえません。

退職した従業員のカードを別人が使ってはいけない

退職した従業員のカードを別の従業員に使わせることは、法人カードの規約違反になります。先に述べたように、法人カードであっても発行されるのは使用する個人に対してだからです。使いまわす必要があるほどカードが足りないなら、早急に追加カードを申し込むべきといえます。

さて、ここまでルールについてみてきましたが、1つ大事なことが抜けていると思われた方も多いと思います。それは「ルールを破ったらどうなるの?」という点です。次はこちらを考えていきましょう。

ルール制定の際は破ったときのペナルティも合わせて考える

「Accouming」が表示されたパソコン

ルールには守らせるための強制力も必要です。そのひとつがペナルティですが、過不足のないよう検討することが望まれます。

ルールを破ってもそのままではルールを守る動機が薄れる

ペナルティによって強制力を持たせる理由は、ルールを破ってもお構いなしではルール違反へのハードルが下がってしまうためです。ペナルティがあることで、一定のルール順守意識が生まれると考えられます。

ペナルティの導入と内容は状況を見極めて決める

どのようなペナルティが妥当かは、職場やメンバーの状況によって異なります。また、ペナルティと名付けていても、何の不利益もないようでは意味がありません。ただし、懲戒処分などは法令との兼ね合いもあり、慎重な検討が必要です。

ここまで法人カードのルールについて説明してきました。最後はルールを実際に運用する際に重要となる周知について説明いたします。

ルールは明文化し周知徹底する

ノートパソコンを操作する女性

ルールは守られないと意味がありませんが、守られるためには知られることが必要です。

決まったルールは浸透してこそ意味がある

ルールを定めたら、速やかに周知徹底することが望まれます。ルールを知らない人がいる時点で、守られない可能性を否定できなくなります。

社員の疑問に答えられる担当者か責任者が必要

ルールを知った社員から疑問点の問い合わせが入ることも考えられます。その際、正確な回答ができる担当者か、回答権限を持つ責任者の存在は欠かせません。また、解釈に迷うようなルールは避けたいものです。

デメリットよりもメリットを重視したいのが法人カードのルール

法人カードのルールを作るにあたり、意識したいのが法人カードのメリットを活かせるルールです。デメリットを避けることだけを考えると、あれもダメ、これもダメとなってしまいかねません。

法人カードのルールに関するナレッジは以上となります。最後は実際にこれまでの内容を反映して運用したい法人カードを3枚、ご紹介します。

ルールを守って使いたいおすすめの法人カード3選

コインと赤いクレジットカード

ルールを守って法人カードを運用しよう、と思い立った方もおられるかもしれません。そんな方におすすめの法人カードを3枚、ご紹介します。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、法人カードの中でも知名度の高いカードです。クレジットカードの世界的ブランドであるアメックスのカードとしてステータスが高いことに加え、個人事業主にも持ちやすい点が人気になっています。

基本カードの年会費は34,100円(税込)とよいお値段ですが、十分ペイできる付帯サービスや特典も魅力です。一例として、利用明細のPDFやExcelデータなどでのダウンロード、75,000以上の施設が優待利用できる福利厚生サービス利用、空港ラウンジサービスなどがあります。

特徴的なのが、購入商品の返品をサポートする「リターン・プロテクション」や病気などでサービス利用を受けることが不可能となったときの「キャンセル・プロテクション」です。追加カードの年会費は13,200円(税込)です。

JCB CARD Biz GOLD

JCB CARD Biz GOLDは、日本ブランドのカードであることから、海外での加盟店が少ないといわれることがあります。しかし、海外でも日本人の渡航先としてメジャーな都市や、国内中心の利用なら法人カードとして十分使えます。

年会費は11,000円(税込)ですが、ネット申し込みなら初年度無料とお得です。少人数の事業者には手頃なゴールド法人カードです。

三井住友ビジネスゴールドカード for Owners

年会費がJCB CARD Biz GOLDと同じ11,000円(税込)の三井住友ビジネスゴールドカードは、追加カードの年会費が2,200円(税込)とさらにお手頃になっています。年会費は安くても、法人カードとしての基本的な機能やサービスは揃っています。

手軽に持てるVisaブランドの法人カードが必要な場合におすすめのカードです。

まとめ

法人カードの不正利用や使いすぎを防ぎ、経費管理・事務効率アップを意味あるものにするためにはルールが必要です。ルールもなく、行き当たりばったりの運用をしていると、自社の内部の問題だけでなく、カード会社を巻き込んだトラブルにも発展しかねません。

ただし、ルールを徹底することで、法人カードの機動力や事務効率を下げかねない矛盾を感じることもあるでしょう。そこは、優先すべき点を明確にしてバランスをとることを考えます。おすすめの3枚を参考に、自社に必要な法人カードを見つけてください。

監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美 監修者

監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美

年間、100本以上の記事執筆や監修を行っていますが、同じタイトルの記事でも、その時の経済情勢や法改正などで、内容は日々変わっていきます。『かかりつけのお金と人生の相談者』いうスタンスを大切に、最新かつ正確な情報をお届けすると共に、読者にとって「わかりやすい」記事を提供することを心がけています。

【専門家の解説】

法人カードを申し込む際に、社員も利用できるように追加カードを申し込むケースがあります。
そもそも追加カードはそのようなニーズに応えるためのサービスですので、申し込む際にはそのメリットを十分に有効活用したいと思っているはずです。

しかしながら、追加カードの発行にはデメリットも存在します。
その一番大きなものが社員の個人利用(私的利用)でしょう。
法人カードを個人利用すると、経理処理が煩雑になるだけでなく、場合によっては税務署から指摘を受けることにもなりかねません。
したがって、追加カードを導入するのであれば、法人カードの利用にあたって社内ルールをきちんと確立しておくことがポイントとなります。
常に保有することはさせず、利用の際は事前承認を行うことも有効なルールでしょう。
さらには、利用した後の報告義務についても徹底しておけば、もし個人利用が発覚しても早めに対応することでその後の影響を最小限に食い止めることができます。

また、あまりに悪質な場合は懲罰を与えるなど、毅然とした態度で臨むことも大切です。
せっかく追加カードを発行するのであれば気持ちよく使いたいものです。
追加カードの発行は必要最小限に留め、かつ使える人を限定するなど、法人カードのメリットを最大限活用するためにも導入時からしっかりとした利用ルールを策定しておきましょう。

監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美

年間、100本以上の記事執筆や監修を行っていますが、同じタイトルの記事でも、その時の経済情勢や法改正などで、内容は日々変わっていきます。 『かかりつけのお金と人生の相談者』いうスタンスを大切に、最新かつ正確な情報をお届けすると共に、読者にとって「わかりやすい」記事を提供することを心がけています。

編集者:ナビナビクレジットカード編集部
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