法人カードはどのようなビジネスシーンに役立つ?おすすめの付帯サービス解説
監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
「自分の仕事では、どの法人カードが役立つのか知りたい」
法人カードは、事業専用のクレジットカードですが、カードの種類ごとに、役立つビジネスシーンに少しずつ違いがあります。
そこで本記事では、法人カードが役立つビジネスシーンを紹介し、シーンごとにおすすめの法人カードをまとめました。
経費の一元管理や出張時に役立つサービスなど、さまざまなサービスが提供されているので、その中から自分に有用なサービスを提供しているカードを選ぶことで、ビジネスをスームズに進められます。
自分の仕事にはどの法人カードが向いているのかを検討する際、判断材料のひとつとしてぜひご一読ください。
この記事の目次
- 法人カードが役立つビジネスシーン7つ
- ビジネスシーン1:事業に必要な備品などの購入
- ビジネスシーン2:公共料金の支払い
- ビジネスシーン3:取引先への接待でレストランを予約
- ビジネスシーン4:ETC利用代金の支払い
- ビジネスシーン5:出張時の宿や交通チケットの手配
- ビジネスシーン6:飛行機を使っての出張時の荷物宅配や空港ラウンジ利用
- ビジネスシーン7:利用した経費を一元管理
- ビジネスシーン1:事業に必要な備品などの購入に便利な法人カード2選
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- オリコ EX Gold for Biz
- ビジネスシーン2:公共料金の支払いにおすすめの法人カード2選
- 三井住友ビジネスカード for Owners
- 楽天ビジネスカード
- ビジネスシーン3:レストランの予約で1名分無料になる法人カード2選
- オリコEx Gold for Biz(国際ブランド:Mastercard)
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
- ビジネスシーン4:ETC利用におすすめの法人カード2選
- JCB法人カード(一般またはゴールド)
- 三井住友ビジネスカード for Owners
- ビジネスシーン5:出張時の宿や交通チケットの手配が便利な法人カード2選
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- 三井住友ビジネスカード for Owners
- ビジネスシーン6:空港関連サービスの充実している法人カード2選
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
- 楽天ビジネスカード
- ビジネスシーン7:経費管理に便利なクラウド会計ソフト連携まとめ
- ほとんどは「freee」と連携
- 「弥生」と連携している法人カードも
- まとめ
法人カードが役立つビジネスシーン7つ
法人カードが役立つビジネスシーンは以下の通りです。
2.公共料金の支払い
3.取引先への接待でレストランを予約
4.ETC利用代金の支払い
5.出張時の宿や交通チケットの手配
6.飛行機を使っての出張時の荷物宅配や空港ラウンジ利用
7.利用した経費を一元管理
それぞれのシーンを具体的に解説します。
ビジネスシーン1:事業に必要な備品などの購入
頻度の多い使い方は、事業に必要な備品や仕入れなどの支払いです。法人カードで支払うことで、事業に必要な経費を一元管理できます。利用明細を見れば、月々かかっている経費が明確になる上、クラウド会計ソフトと連携して、自動でデータを取り込むことも可能です。
備品や仕入れなどの支払いに使う法人カードを選ぶときは、月々の必要経費の倍以上の利用可能枠を持つ法人カードをピックアップし、そのなかからポイント還元率の良いカードを選びましょう。
ビジネスシーン2:公共料金の支払い
所得税・法人税などの支払いや、電気・ガス・水道料金、家賃などの支払いにも法人カードは利用できます。
ただし、中には公共料金の支払いにはポイントがつかない、あるいは半減するというカードもあるので要注意です。
公共料金の支払いに使いたい法人カードを選ぶ場合は、通常の支払いと同じようにポイントが還元されるかどうかを確認しておきましょう。
ビジネスシーン3:取引先への接待でレストランを予約
接待でレストランを予約する際、優待価格で予約できる付帯サービスがある場合や、1人分のコース料理が無料で提供されるサービスが付帯している場合があります。レストランの予約などでかかる手間や時間・コストの節約になります。
ビジネスシーン4:ETC利用代金の支払い
事業用の自動車を複数台利用する事業もあるでしょう。その場合は、ETCカードを用意して、ETC割引を受けるようにしたいもの。大企業が対象のコーポレートカードなら何枚でもETCカードが発行可能です。
しかし、起業したばかりの法人や個人事業主が多くのETCカードを発行したい場合は、小規模法人や個人事業主をターゲットにしたビジネスカードの中から、ETCカードを数枚発行可能なカードを選びましょう。
また、ETCカードを多く発行するのなら、カードの利用可能枠が広いカードを探すようにしましょう。利用可能枠が少なすぎると、ETCカードを複数枚運用したとき、簡単に利用上限に達する可能性があるため注意してください。
ビジネスシーン5:出張時の宿や交通チケットの手配
公共交通機関を使った出張が多い場合は、オンライン予約サービスが充実している法人カードが便利です。
出張時の宿や交通チケットの予約サイトを優待価格で利用できる付帯サービスもあります。交通チケットの予約では、航空会社のオンライン予約、新幹線のチケット予約などが主なものです。
例えば、新幹線のEXオンライン予約サービスを使うと、常時割引価格で新幹線を利用でき、何度でも予約の変更ができる点が魅力です。
また、出張時の宿泊施設や交通チケットの手配は、プラチナクラスのカードでよく見られる専任のコンシェルジュに頼むこともできます。プラチナ法人カードを持つメリットのひとつとして、このコンシェルジュサービスは使い勝手が良い付帯サービスです。
ビジネスシーン6:飛行機を使っての出張時の荷物宅配や空港ラウンジ利用
海外出張などで飛行機を使う機会が多い場合は、空港ラウンジ利用の付帯サービスを利用する機会が多くなります。空港ラウンジでは、一般の待合スペースよりも充実した設備で、ドリンクなどを手にくつろいだ時間を過ごすことが可能です。
利用する空港がサービス対象になっているかどうかを確認して各社のサービスを選ぶと良いでしょう。
空港ラウンジサービスの他にも、手荷物を自宅から空港へ、空港からホテルへと宅配してくれるサービスなどもあります。仕事で空港利用が多い場合は、これらの付帯サービスが充実している法人カードを選ぶとメリットが大きくなります。
ビジネスシーン7:利用した経費を一元管理
会社経費の支払いを法人カードに一元化することにより、会計処理にかかる手間が大幅に削減できます。カードの利用内容を、クラウド会計ソフトや会社の経理システムに連携して取り込むことができる、クラウト会計ソフトを優待価格で利用できればさらに便利です。
このように、経費の一元管理にかかる人件費や経費を節約できるのも、法人カードが役立つ場面です。
ここまで、法人カードが役立つビジネスシーンを紹介しました。次にそれぞれのビジネスシーンで役立つ法人カードをシーンごとに紹介します。まずは、事業に必要な備品などの購入に便利な法人カードの紹介です。
ビジネスシーン1:事業に必要な備品などの購入に便利な法人カード2選
事業に必要な備品などの購入に便利な法人カードは、以下の2種類です。
それぞれの法人カードをピックアップした理由を解説します。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
利用可能枠が狭いと、すべての支払いを1枚の法人カードに集約することが難しくなります。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード(以降アメックスビジネスゴールド)は、利用可能枠の定めがなく、各種支払いを一元管理しやすい点がおすすめポイントです。
法人カードの中ではポイント還元も買い物の1%と高く、備品購入と同時にポイントが貯まりやすい点もアメックスビジネスゴールドの魅力です。
さらに特定のショップではポイントが3倍になるプログラムも利用できるため、上手に利用するとポイントを大きく貯めて、月々の支払いに充填することが可能。
利用可能枠は毎月の支払いなどで決まるので、利用状況に応じて変わる点は使いやすいと言えます。
さらに、設備投資や広告費の支払いなどでその月だけ支払い額が大きくなる場合は、事前に電話連絡し、銀行口座に必要分の現金を預けておくことで、一時的な増枠にも対応してもらえます。
オリコ EX Gold for Biz
ゴールドカードのオリコ EX Gold for Bizは利用可能枠が最大300万円と、小規模な事業であれば十分な枠があるので、経費支払いを集約しやすい法人カードです。
支払方法では翌月1回払いだけでなく、複数回の分割払いやボーナス払いなども使えます。そのため、資金コントロールに注意しながら利用することで、キャッシュフローのさらなる改善も可能です。
また、ネットショッピングで必要な備品を調達する場合、オリコモールを経由して、オリコ EX Gold for Bizを使って買い物をすることで、さらにポイントを多く貯めることができます。
ここまでで、事業に必要な備品などの購入に便利な法人カードを紹介しました。
次に、公共料金の支払いにおすすめの法人カードを紹介します。
ビジネスシーン2:公共料金の支払いにおすすめの法人カード2選
公共料金の支払いにおすすめの法人カードは以下の2種類です。
それぞれの法人カードについて、どういう点がおすすめなのかを解説します。
三井住友ビジネスカード for Owners
三井住友ビジネスカード for Ownersは、公共料金の支払いでも、通常のショッピングと同様にポイントがつく法人カードです。カードによっては、公共料金の支払いはポイント付与の対象外だったり、ポイント付与率が下がったりすることもあります。
三井住友ビジネスカード for Ownersはそのようなことがないため、安心して税金の支払いが可能です。
楽天ビジネスカード
楽天ビジネスカードも、電気料金や税金などの支払いに対しても通常と同じだけポイントが付与される法人カードとなっています。通常のポイント付与も1%と、他の法人カードに比べて高く、貯まりやすい法人カードです。
貯まったポイントは毎月の支払いに充てることもできますので、付与されたポイントを無駄にすることなく使いきれます。
※楽天ビジネスカードは、個人用「楽天プレミアムカード」の追加カードという形での発行になるため、2枚セットで保有する必要があります。
ここまでで、公共料金の支払いにおすすめの法人カードを紹介しました。
次に、レストランの予約で1名分無料になる法人カードを紹介します。
ビジネスシーン3:レストランの予約で1名分無料になる法人カード2選
レストランの予約で1名分無料になる法人カードは以下の2種類です。
それぞれの法人カードについて、どういう点がおすすめなのかを解説します。
オリコEx Gold for Biz(国際ブランド:Mastercard)
オリコEx Gold for Bizで国際ブランドにMastercardを選択すると、「ダイニング by 招待日和」が利用できます。
この付帯サービスは、全国の有名レストラン約200店の中から好きなレストランを選び、2名以上の予約を入れることで1名分のコース代金が無料になるサービスです。
1ヶ月2回までという制限付きですが、大切な取引先の方を接待する際に利用できるなど、上手に使うことで経費節減ができる大きなメリットのあるサービスです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
「ダイニングアクセス」という付帯サービスで、2名分以上の料理のうち1名分が無料になるサービスを提供している法人カードが、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード(以降アメックスビジネスプラチナ)です。
招待日和に比べると対象店舗数は首都圏の約30店と少なめですが、利用回数などに制限がありません。首都圏でビジネスを展開する人にとっては、使いやすいサービスです。
ここまでで、レストランの予約で1名分無料になる法人カードを紹介しました。
次に、ETC利用におすすめの法人カードを紹介します。
ビジネスシーン4:ETC利用におすすめの法人カード2選
ETC利用におすすめの法人カードは以下の2種類です。
それぞれの法人カードについて、おすすめポイントを詳しく解説します。
JCB法人カード(一般またはゴールド)
JCB法人カードは、起業間もない個人事業主や小規模の法人代表者でも作りやすいビジネスカードです。
ビジネスカードの中には、ETCカードが発行できても、あまり多くの枚数が発行できないものもあります。一方JCB法人カードは、ETCカードの発行枚数に制限がなく、必要数分を作成可能です。さらにETCカードの年会費は無料となっています。
審査はあるので希望数通りの発行が承認されない場合もありますが、ETCカードを多く発行できるという点は、大きな強みと言えます。
JCB法人カードの中でも、一般カードは審査に通過しやすいと言われていますが、利用可能枠が100万円までと少なめな点がネックです。
可能であれば、ワンランク上のJCBゴールド法人カードを選択すれば、利用可能枠が250万円までにアップするので安心して使えます。
三井住友ビジネスカード for Owners
三井住友ビジネスカード for Ownersも、ETCカードの発行枚数に制限がなく、年会費は実質無料です。
利用可能枠はクラシックカードで150万円まで、ゴールドカードで300万円まで。ETCカードを利用する機会の多いビジネスを展開する人にとっては、JCB法人カードと比較したい候補のひとつとなります。
ここまでで、ETC利用におすすめの法人カードを紹介しました。
次に、出張時の宿や交通チケットの手配が便利な法人カードを紹介します。
ビジネスシーン5:出張時の宿や交通チケットの手配が便利な法人カード2選
出張時の宿や交通チケットの手配が便利な法人カードは以下の2種類です。
それぞれの法人カードについて、おすすめポイントを詳しく解説します。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
アメックスビジネスゴールドは国内線法人専用運賃を利用できるオンライン予約システム「アメリカン・エキスプレス JALオンライン」が便利です。
会食や接待にふさわしいお店をコンシェルジュが予約代行してくれる「ビジネス・ダイニング by ぐるなび」も有効活用できます。
三井住友ビジネスカード for Owners
出張時の宿泊予約に便利な「ビジネス用じゃらんnetホテル予約」や「航空券チケットレス発券サービス」などの付帯サービスを提供している三井住友ビジネスカード for Owners。「エアライン&ホテルデスク」サービスで、海外出張時の予約を任せることもできます。
ここまでで、出張時の宿や交通チケットの手配が便利な法人カードを紹介しました。
次に、空港関連サービスの充実している法人カードを紹介します。
ビジネスシーン6:空港関連サービスの充実している法人カード2選
空港関連サービスの充実している法人カードは以下の2種類です。
それぞれの法人カードについて、おすすめポイントを詳しく解説します。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
アメックスビジネスプラチナは、空港関連サービスが充実しています。
全国1200カ所以上の空港ラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」が無料で利用可能です。
また、国内線法人専用運賃を利用できるオンライン予約システム「アメリカン・エキスプレス JALオンライン」もあります。エアポート送迎サービスでは、エアポートまでのタクシー送迎が優待価格で利用OK。
その他にも「手荷物無料宅配サービス」「手荷物ホテル当日宅配サービス」を利用していれば、年会費以上のサービスを享受できます。
楽天ビジネスカード
楽天ビジネスカードは、楽天プレミアムカードの追加カードとして発行するため、年会費が12,000円(税別)かかります。ですが、年会費が4万円以上かかる「プライオリティ・パス」が楽天プレミアムカードで入手すれば何度でも無料で利用できます。プライオリティ・パスを利用できる法人カードの中では、年会費が一番安く、コスト的にも十分元が取れます。
ここまでで、空港関連サービスの充実している法人カードを紹介しました。
最後は、経費管理に便利なクラウド会計ソフト連携まとめを解説します。
ビジネスシーン7:経費管理に便利なクラウド会計ソフト連携まとめ
最後は経費管理に便利なクラウド会計ソフトとの現状と、クラウドソフトと連携している法人カードのサービス内容について解説します。
ほとんどは「freee」と連携
ここまで紹介してきた法人カードのほとんどは、クラウド会計ソフト「freee」と連携しています。また、クラウド会計ソフトは年会費など維持コストが必要です。そのため多くの法人カードでは、初年度の年会費を優待価格で利用できるようにし、データ連携も可能です。
データ連携に関しては、「マネーフォワード」もfreeeと同程度まで実現しています。起業したばかりの個人事業主は、freeeまたはマネーフォワードを利用して会計処理をすると何かと便利でしょう。
「弥生」と連携している法人カードも
freeeまたはマネーフォワードに対し、「弥生」は税理士など税務処理のプロが使っているケースの多いソフトウェアです。かなり昔から使われていた会計ソフトということもあり、クラウド化してからも引き続き利用している税理士は多く見られます。会計処理を税理士などにアウトソーシングするつもりがある場合は、「弥生」を採用するとスムーズです。
まとめ
法人カードを利用するビジネスシーンと、それぞれのビジネスシーンで使いたい便利な付帯サービスを提供している法人カードについて解説しました。法人カードとひとくくりで説明しても、付帯サービスの内容にはかなり特徴があります。自分の事業にマッチした付帯サービスを持つ法人カードを選び、ビジネスをよりスムーズに進めていきましょう。
年会費は、一般カードで1,000円代、ゴールドカードで10,000円から、という傾向があります。ただ、付帯サービスの内容と利用頻度によっては、年会費以上の価値があるカードもあるので、サービス内容と利用頻度を吟味して、どの法人カードにするか決めましょう。
- 監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
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約80枚のクレジットカードを保有し、約130万円の年会費を支払っている。 一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。