減価償却とは資産の税務会計で使われる手法!資産の取得におすすめの法人カード4選

減価償却とは、適正な経営状態を反映して無駄の無い納税を進めるための重要な手続きです。
高額の資産を一度に経費計上してしまうと計算上は大赤字になってしまうといったことが起こります。
しかし、実態はとくに問題も無く経営されているとなれば、このギャップを是正する必要が生じるでしょう。
減価償却はそのためのシステムといえます。
減価償却には、定額法や定率法といった計算方法があり、資産によって選べる計算方法が異なります。
また、税法には細かな規定も多く、改正も少なくないため最新の情報チェックが必要です。
減価償却の理解が進んだら、おすすめの法人カードの検討に移りましょう。
ビジネスに役立つカードばかりです。
この記事の目次
- 減価償却とは取得した資産を法定耐用年数で経費計上するための仕組み
- 減価償却で節税になる
- 計算方法は主に定額法と定率法の2つがある
- 償却資産の法定耐用年数
- 償却を終えた資産の価値
- 減価償却の対象とならないもの
- 減価償却には税法の規定が重要になる
- 少額減価償却資産
- 一括償却資産
- 法人カードで決済した資産も減価償却の対象となる
- 取得費用の決済方法は関係ない
- 決済に手数料がかかる場合はコミコミで計上する
- 法人カード利用ならビジネスが加速する
- 資産の取得に使えるおすすめの法人カード4選
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- 三井住友ビジネスゴールドカード for Owners
- JCB CARD Biz GOLD
- オリコ EX Gold for Biz
- まとめ
減価償却とは取得した資産を法定耐用年数で経費計上するための仕組み
減価償却とは、事業で使用するために取得した固定資産を経費で処理するための仕組みです。
一気に消費する物品やサービスと異なり、ある程度の期間にわたり使用することから、法定された耐用年数にしたがって処理します。
実際にいつまで使えるかは無関係です。
つまり、減価償却は年間の費用と収益の関係を適正に評価するための制度といえます。
減価償却する資産を減価償却資産と呼びます。
減価償却で節税になる
減価償却をすることで法人税や個人事業主の所得税を安く抑える効果があります。
法定耐用年数の期間は減価償却費を計上することで節税でき、一括償却も合わせれば節税効果は大です。
減価償却費の計上はしっかりと行いましょう。
計算方法は主に定額法と定率法の2つがある
減価償却費の計算は実際に個別資産の状態を反映させるのではなく、あくまでも法律で決められた数値を用いて行います。
個別資産の利益に対する減少価値を計算することはほぼ不可能です。
定額法による減価償却
定額法は、毎年決まった金額を減価償却費として計上する方法です。
当該減価償却資産の取得価額に法定耐用年数ごとに定められた償却率をかけて算出します。
取得価額が100万円で法定耐用年数が5年の減価償却資産であれば、100万円×0.2で20万円が減価償却費です。
この場合は100万円を5で割った20万円と結果は同じですが、数値によって異なります。
定率法による減価償却
定率法は、当該資産の未償却残高に毎年同じ償却率をかけてその年の減価償却費を算出する方法です。
償却が進むにしたがって減価償却費の金額が小さくなります。
計算に使用する償却率は定額法と同様に法定耐用年数によって決められています。
5年の場合は0.4です。
100万円の減価償却資産の初年度は100万円×0.4で40万円の償却となります。
定率法での償却には保証率が設けられています。
償却率による計算結果が取得価額に保証率をかけた数値よりも低ければ、保証率で求めた数値を償却補償額とするものです。
つまり、最低でもこの償却額を下回らないというラインを決めます。
定額法と定率法は自由選択ではない
定額法と定率法のどちらを選択するかは法律の定めによります。
建物などは定額法しか使えません。
権利やソフトウェアなど物理的な形のない資産も定額法です。
その他の資産は基本的に定率法が法定されており、定額法を選択する場合には所轄の税務署長宛に届出が必要です。
定額法の届出を忘れた場合は定率法を使用することになります。
ただし、個人事業主の場合は定額法が原則となっており、選択できる資産についても定額法が法定の償却方法です。
定率法を選択したい場合は届出を行います。
※減価償却で注意すべきは、減価償却資産の取得時期によって扱いが異なる可能性がある点です。
たとえば、法定耐用年数5年の場合に定率法で用いる償却率0.4は平成24年4月1日以後に取得した減価償却資産に適用されます。
償却資産の法定耐用年数
減価償却資産の法定耐用年数は細目に分けられており、その中から該当するものを探す作業が必要になります。
耐用年数表は国税庁が公表しており、誰でも公式サイトで見ることが可能です。
該当するものがない場合やわからない場合は税務署へ問い合わせます。
ここでは、多くの事業者で使われている減価償却資産のいくつかを見ておきます。
木造モルタルの事務所用建物 | 22年 |
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一般用で660cc以下の小型自動車 | 4年 |
主に金属で作られた事務机 | 15年 |
エアコン | 6年 |
パソコン | 4年 |
コピー機やファクシミリ | 5年 |
ちなみに、牛や馬などの生き物や果樹などにも減価償却資産としての法定耐用年数が設定されています。
償却を終えた資産の価値
法定耐用年数が過ぎて減価償却が終った資産には、税務会計の法律上の価値はありません。
減価償却の終了とともに使用を終え廃棄してしまえば価値は0です。
とはいえ、法定耐用年数を超えて使える資産も数多く存在します。
そのまま捨ててしまうのはもったいない話です。捨ててしまうと新しい資産を取得しなければならないケースもあるでしょう。
減価償却を終えた資産を引き続き使用する場合、簿価を1円として残します。
つまり、最終年の減価償却費は1円少ない金額を計上することになります。
いよいよ処分という段階で1円を償却すれば完全に終了です。
減価償却の対象とならないもの
減価償却の対象となるのは、あくまでも一般的に期間の経過で価値の減少が起きる資産です。
期間の経過による価値の減少が起きない土地のような資産については減価償却資産とは呼ばず、減価償却の対象とはなりません。
また、期間の経過で価値が減少する資産であれば、すべてを法定耐用年数で減価償却するわけではありません。
たとえば、パソコンの法定耐用年数は4年です。
しかし、取得価額が10万円未満であれば、減価償却資産とせずに経費計上します。
減価償却が必要になるのは取得価額が10万円以上の資産です。
10万円未満の備品などは消耗品と同様に扱います。
次の章では、減価償却を考える際に重要となる税法の規定について解説します。
減価償却には税法の規定が重要になる
10万円未満で取得した物は減価償却資産としないことは前述のとおりです。
取得価額が10万円以上の減価償却資産には金額により3つの選択肢があります。
前述の通常処理と一括償却資産の特例処理、それに少額減価償却資産の特例処理です。
これらは事務処理の効率や節税にも関係する重要な税法の規定です。
少額減価償却資産
少額減価償却資産とは、取得価額が30万円未満の減価償却資産を指します。
少額減価償却資産は特例による処理が可能です。
適用対象となる事業者は青色申告を行っている個人事業主と所定の条件をクリアする中小規模法人に限られます。
少額減価償却資産は取得した年度に全額を経費として計上できます。
ただし、年度で300万円を限度とします。
一括償却資産
少額減価償却資産のうち、取得価額が20万円未満の資産であれば、一括償却資産として処理することが可能です。
こちらは適用対象の事業者が限定されていません。
対象となる減価償却資産を一括して資産計上し、3分割した金額を3年かけて処理する方法です。
次の章では、法人カード決済の資産も減価償却できることを解説します。
法人カードで決済した資産も減価償却の対象となる
経費といえば法人カードの出番です。
交通費や宿泊費、接待交際費や文房具など日常的にカード決済で使っている経費を考えたとき、10万円以上するものは多くないでしょう。
とはいえ、利用可能枠の残がある限り、10万円以上する資産を法人カードで買うことも可能です。
取得費用の決済方法は関係ない
資産を法人カードで買っても減価償却ができるのかという疑問を持つかもしれません。
減価償却資産は取得費用の出所や決済方法で決まるわけではないため、現金払いでも法人カード決済でも問題なく減価償却の対象となります。
決済に手数料がかかる場合はコミコミで計上する
現金払いなら資産の代金を計上すれば済みますが、法人カード決済で手数料を負担した場合もコミコミで計上できます。
若干の手数料がかかったとしても、ポイントバックを考えればお得になる可能性があるのが法人カードです。
また、カード決済手数料に限らず、資産の取得と事業の用に供するために必要となった直接的な費用は取得価額として合計額を計上できます。
法人カード利用ならビジネスが加速する
法人カードは利用可能枠の上限が200万円以上のカードが多く、一律の上限設定をしていないカードもあります。
そのため、キャッシュレスで高額の減価償却資産を購入する決済手段としては優先順位が高いといえるでしょう。
ポイントも貯まります。
さらに、法人カードは経費管理の一元化の頼もしいツールであり、キャッシュフローの改善や付帯サービスを活用したビジネスの加速に欠かせないアイテムです。
最後の章では、減価償却資産の取得に使えるおすすめの法人カードを4選紹介します。
資産の取得に使えるおすすめの法人カード4選
通常、2ヶ月分プラスアルファの経費を賄える利用可能枠が必要とされるのが法人カードです。
減価償却資産の取得価額は10万円から数十万円、種類によっては100万円を超えるものも珍しくありません。
個別の審査結果によるものの、利用可能枠も含めたトータルで資産の取得におすすめの法人カード4選を紹介します。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、基本スペックやステータス、付帯サービスのすべてがハイレベルな法人カードです。
減価償却資産の取得にもおすすめできます。
カードスペック
スタートアップで実績がないときは低めの利用可能枠で、利用実績を積み上げれば高額の減価償却資産の取得にも対応できるのがアメックスのビジネス・ゴールドです。
一律の利用可能枠設定がないため、初めから決済できない金額という壁にぶち当たる心配がありません。
年会費 | 31,000円(税別) |
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追加カード年会費 | 12,000円(税別) |
利用可能枠 | 一律の設定はなくユーザーの状況に応じ柔軟に設定 |
旅行傷害保険 最高額死亡・ 後遺障害 |
海外 1億円 国内 5,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、空港手荷物宅配、JR東海エクスプレス予約、レンタカー、海外携帯電話レンタル、エアポート送迎、トラベル・オンライン、福利厚生プログラムクラブオフなど |
おすすめポイント
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードのおすすめポイントは、充実した付帯サービスと高いステータス、デポジットで高額決済も可能なところです。
また、高額の減価償却資産の決済を考えているとき、その金額の利用が可能かどうかをウエブで確認できるサービスも役に立ちます。
数ある法人カードの中でも第一に検討したいカードです。
三井住友ビジネスゴールドカード for Owners
三井住友ビジネスゴールドカード for ownersは、VisaとMastercardのブランドをもつ法人カードの代表的な存在です。
業暦の浅い個人事業主や法人代表者でも申し込んでみる価値があります。
カードスペック
ゴールドクラスの法人カードで一律の限度額設定があるカードの中では、上限が300万円となっており最高レベルです。
年会費 | 10,000円(税別) |
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追加カード年会費 | 2,000円(税別) |
利用可能枠 | 50万円~300万円 |
旅行傷害保険 最高額死亡・ 後遺障害 |
海外 5,000万円 国内 5,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、レンタカー、福利厚生ベネフィット・ステーション、Visaビジネスオファー、Visaビジネスグルメオファーなど |
おすすめポイント
インターネット入会で初年度の年会費が無料になるなど、年会費の優遇システムが充実しています。
付帯サービスも自社と国際ブランドのサービスを合わせて不足が無いようにカバーしています。
スペックやサービスのバランスがとれた使いやすいカードです。
JCB CARD Biz GOLD
JCB CARD Biz GOLDは、日本を代表するJCBプロパーの法人カードです。
カードスペック
スペック的に近い存在の三井住友ビジネスゴールドカード for ownersとともに、標準的なゴールドクラスの法人カードとして人気を集めています。
どちらを選ぶかは国際ブランドの好み、必要性によるところも大きいでしょう。
年会費 | 10,000円(税別) |
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利用可能枠 | 50万~250万円 |
旅行傷害保険 最高額死亡・ 後遺障害 |
海外 1億円 国内 5,000万円 |
主要サービス | 空港ラウンジ、JAL ONLINE、ANA@desk、JCBゴールドグルメ優待、ゴルフエントリー、クラウド会計ソフト優待など |
おすすめポイント
年会費はインターネットからの入会で初年度が無料となります。
海外旅行傷害保険の最高額がプラチナクラスに匹敵する1億円であることと、ETCカードを無料で発行できる点から、国内外を走る出張の多いユーザーにはとくにおすすめです。
オリコ EX Gold for Biz
オリコ EX Gold for Bizには、法人代表者向けのMと個人事業主向けのSという2種類のカードがあります。
国際ブランドはVisaとMastercardの2種類です。
カードスペック
Mは追加カードありでキャッシング枠がなし。Sはその逆のスペックをもちます。
年会費 | 2,000円(税別) |
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追加カード年会費 | Mは無料 Sは追加カードの発行なし |
利用可能枠 | 10万円~300万円 |
旅行傷害保険 最高額死亡・ 後遺障害 |
海外 2,000万円 国内 1,000万円 |
おすすめポイント
なんといっても年会費の安さが魅力です。
初年度無料のうえ、Mの追加カードは無料です。
利用可能枠の設定が上限300万円になっている点で、年会費10,000円クラスの法人カードにも負けていません。
まとめ
減価償却は事業に用いる資産の費用負担を節税につなげる重要な仕組みです。
法人も個人事業主でも減価償却資産をもたない事業者は少ないでしょう。
損をすることの無いように、しっかりと税務会計処理を行ってください。
減価償却資産の取得には法人カードが便利です。
アメックス、Visa、Mastercard、JCBそれぞれにおすすめのカードがあります。
その中から、自分に合ったカードを見つけてビジネスに役立ててください。