法人カードの審査に重要な個人信用情報と保有しやすいおすすめカード3選
監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
「過去に個人名義のクレジットカードで支払いを延滞したことがある」
「債務整理の経験がある」
このようなトラブルがある場合、法人カードの審査に通過するかどうか心配になりますよね。
反対に、「法人カードは会社から申し込むのだから、代表者の個人信用情報は審査に関係ない」と思っている人もいるのではないでしょうか。
しかし、「代表者の個人信用情報は審査に関係ない」というのは法人カードの審査において大きな間違いです。
法人カードの審査では代表者の個人信用情報も審査の対象となります。
この記事では、以下についてを紹介していきます。
- そもそも個人信用情報とは何のことか
- 審査で重要視されるポイント
- 法人カードの審査に落ちないための対策
- 独自審査の導入で審査に通過しやすい法人カード
審査と個人信用情報の関わりについて知っていただき、あなたに適した法人カードが見つかる手助けになれば幸いです。
この記事の目次
- 法人カードの審査では代表者の個人信用情報が重要
- 個人信用情報とは?
- 個人信用情報に登録される4つの内容
- 個人信用情報の保有期間
- 自分の個人信用情報を確認するための方法
- 法人カードの審査に落ちないための3つの対策
- 個人信用情報を変える
- 独自審査を行うクレジットカードに申し込む
- プロモーションで申し込むのも方法の一つ
- 代表者の個人信用情報以外に審査で重要視されるポイント
- 会社の設立年数や赤字の有無
- 固定電話の回線を引く
- 独自審査を行うおすすめ法人カード3選
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
- ライフカードゴールドビジネス
- まとめ
法人カードの審査では代表者の個人信用情報が重要
会社代表者の個人信用情報は、法人カードの審査の際にチェックされる重要なポイントです。
一般的に法人カードは個人カードよりも審査基準が厳しく、「会社設立後3年間は黒字経営」などの通説もあります。
確かに、現状の経営状況が良ければ審査の通過はしやすいかもしれません。
しかし、これらを満たしていなくても法人カードの審査に通過するケースは実際に多くあるのです。
最近は、財務書類の提出なしに審査を受けられる法人カードも増えています。
その場合、審査で会社代表者の個人信用情報の重要度がさらに高くなり、登録内容が原因で審査に落ちる可能性も十分にあるでしょう。
審査に落ちてしまうと、その後のクレジットカードの審査に通過する可能性も厳しくなります。
そのようなことを避けるためにも、まずは個人信用情報にはどんな情報が登録されるのかを把握しておきましょう。
個人信用情報とは?
個人信用情報とは、クレジットヒストリー(クレヒス)とも呼ばれていて、個人のクレジットカードやローンなどの申込みに契約内容、支払・返済状況・利用残高などが登録されます。
クレジットカードでショッピングをするなど、現金を直接使わない取引は「信用取引」と呼ばれ、期日までにお金を支払う「個人の信用」に基づいて行われます。
個人の信用は形がないため、客観的に個人信用情報として表示するのです。
個人信用情報は各カード会社や信販会社、消費者金融が独自に保有していません。
指定信用情報機関に加盟して、割賦販売法や貸金業法などの様々なルールに基づいて信用情報の登録・照会を行います。
個人信用情報に登録される4つの内容
信用情報機関に登録される個人信用情報は以下の4つの内容です。
- 申し込みに関する情報
- 契約内容に関する情報
- 返済状況に関する情報
- 利用記録
なお、信用情報機関には「CIC(シー・アイ・シー)」「日本信用情報機構(JICC)」「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」の3つの機関が存在します。
個人信用情報の保有期間
個人信用情報はそれぞれの情報の種類別に保有期間があります。
主な期間は以下のとおりです。
情報の種類 | 保有期間 |
---|---|
申込情報 | 照会日又は申込日から6ヶ月 |
契約・取引(返済)に関する情報 | 契約期間中及び契約終了後から最長5年 |
利用記録情報 | 利用日から6ヶ月 |
これらの情報がずっと残ることはありません。保有期間を過ぎれば登録は削除されます。
自分の個人信用情報を確認するための方法
自分の個人信用情報に登録されている内容を確認したい場合、開示請求が可能です。
各信用情報機関の申し込み先を案内します。
インターネット開示・郵送開示・窓口開示のいずれかから選択ができて、手数料は1,000円程度です。
個人信用情報の知識を高めたら、次は法人カードの審査に落ちないためにどんな対策があるのかを知っておきましょう。
法人カードの審査に落ちないための3つの対策
法人カードの審査に落ちないための対策として、以下の3つがあります。
- 個人信用情報を変える
- 独自審査を行うクレジットカードに申し込む
- プロモーションで申し込むのも方法の一つ
過去にクレジットカードやローンなどで延滞や滞納、債務整理を行っている場合、審査通過はかなり厳しいです。
それでは、今後ずっと法人カードを作れないのか?となると、それも違います。
審査が不利にならないためにも、これらの対応策をぜひ取り入れてみてください。
個人信用情報を変える
審査通過の可能性を一番高める方法が、個人信用情報を変えることです。
- 借入の件数、借入額を減らす
- 延滞・滞納の履歴が削除されるのを待つ(直近24カ月)
- 過去の返済事故情報が消えるまで待つ(5年間)
時間はかかってしまいますが、審査に不利となる原因はないに越したことはありません。
今後、法人カードの審査に通過するためにも、日頃から返済はしっかりと行うようにしましょう。
独自審査を行うクレジットカードに申し込む
独自審査を行うクレジットカードは一般的な審査基準と異なり、過去の個人信用情報よりも、アメックスなどのような審査時の支払い能力で判断する場合があります。
もちろん、確実に審査に通過するとは言えませんが、申し込んでみる価値はあるのではないでしょうか。
プロモーションで申し込むのも方法の一つ
クレジットカードのプロモーションで申し込みをするのも、審査を通過するために検討したい方法です。
プロモーションとは主要空港や駅などでクレジットカードの勧誘を行う出張ブースのことで、大体は営業担当がいます。
そして、プロモーションには一定数のノルマもあることから、審査の面で優遇される場合もあるのです。
審査に落ちないための対策を3つご紹介しましたが、その他にも審査では代表者の個人信用情報以外に重要視されるポイントがあります。
一体、どんなことなのかをチェックしていきましょう。
代表者の個人信用情報以外に審査で重要視されるポイント
会社代表者の個人信用情報も重要ですが、その他にも審査で重要視されるポイントがあります。
- 会社の設立年数や赤字の有無
- 固定電話の回線を引く
それぞれどんな理由があるのかを説明していきましょう。
会社の設立年数や赤字の有無
会社代表者の個人信用情報が重視されると最初に説明しましたが、だからと言って会社の設立年数と黒字決算の2点が審査の際にスルーされることはありません。
「会社設立から3年間経過している」が一般的なラインで、設立から間もない会社は信頼度が高いとは言い切れないため3年という期間が設けられています。
しかし、設立から3年以上経過していても確実に審査に通過するとは言えません。
あくまでも基準と判断される年数であって、絶対ではないのです。
会社経営が軌道に乗っているか、今後も経営が続くのかが重要で、それらを判断できる運営期間が3年になるのでしょう。
カード会社は、倒産などによる利用料金の未回収だけは絶対的に避けたいからです。
そのため、黒字決算も重要になります。最近は財務書類の提出を求めるカード会社は少なくなったものの、入会申込書には売上高や最終利益を記入しなくてはなりません。
会社代表者の良好な個人情報に、これらの2つの基準もクリアしていれば審査に通る可能性は高くなるでしょう。
固定電話の回線を引く
代表の電話番号が固定電話と携帯電話では信用度に違いがあります。
確かに現在は携帯電話が普及していることから、固定電話がなくてもほとんどの用事は足りるでしょう。
しかし、代表電話番号に固定電話を書くことで、電話加入権を得ていたり従業員を雇っていたりするなどの信用を与えることができます。
最後に独自審査を行うおすすめ法人カードを3選のご紹介です。
ここまで個人信用情報についての様々な情報をチェックしたので、選ぶためのポイントがわかりやすくなったのではないでしょうか?
独自審査を行うおすすめ法人カード3選
独自審査を行うおすすめの法人カードを3選でご紹介しましょう。
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
- ライフカードゴールドビジネス
特典内容やサービスの充実はもちろん、年会費が安くてコストパフォーマンスに優れた法人カードもあります。ぜひ、選ぶ際の参考にしてください。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカード」は安心できる国際ブランドのアメックスが発行する法人カードで、外資系独自のスコアリングによる審査を導入しています。
年会費31,000円(税別)と比較的高めですが、ビジネスの経費管理や削減に役立つ特典にサービス、国内・海外の旅行傷害保険は最高1億円付帯、ショッピング関係の付帯保険などと内容が充実。
また、ゴールドカードなのでステータスや価値も十分にあります。
宿泊ホテルを優待価格で利用できたり、空港ラウンジや空港内のポーターサービスに手荷物の無料宅配があったりするなど、出張向けサービスも手厚いです。
その他にも接待の場で利用できるレストランの優待や手配も可能ですし、24時間通話無料もしくはコレクトコールで海外にいても電話サポートが受けられるオーバーシーズ・アシストなどの頼れるサービスもあります。
また、独自のベネフィットとして、事前承認の手続き(デポジットの入金)をすることで一時的に利用限度額の増枠が可能です。
急に高額な支払いが必要になった場合、すぐに対応できる点も利用する際に大きなメリットとなるでしょう。
年会費(初年度) | 31,000円(税別) |
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年会費(2年目~) | 31,000円(税別) |
還元率 | 0.3~0.4% |
発行期間 | 最大15営業日 |
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
「セゾン プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」も、スコアリングによる独自審査を導入していて、プラチナカードであるもののインビテーション(招待状)なしで申し込めます。
年会費についても20,000円(税別)とプラチナカードの中では格安価格ですが、利用特典やサービス内容は充実。
コストパフォーマンスに優れている法人カードと言えるでしょう。
- 海外・国内旅行傷害保険は海外で最高1億円、国内は最高5,000万円の補償
- 通常、年会費の発生する「プライオリティ・パス」も無料利用
- 24時間365日、コンシェルジュサービスの利用ができる「カードデスク・サービス」
その他にもセゾンカードの最大の特徴ともされる永久不滅ポイントで貯まったポイントをアイテムと交換したり、SAISON MILE CLUBに別途登録(登録料不要)することで、ショッピング1,000円ごとに10マイル貯められたりするなど便利です。
さらに、弁護士紹介サービスに法人向け顧問弁護士サービス「リーガルプロテクト」、全自動クラウド型会計ソフト「freee(フリー)」、クラウド型経費精算サービス「Staple(ステイプル)」の優待などのビジネスの効率化に役立つ特典もあります。
年会費(初年度) | 20,000円(税別) |
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年会費(2年目~) | 20,000円(税別) |
還元率 | 0.5~1.0% |
発行期間 | 最大3営業日 |
利用限度枠 | 30~300万円 |
ライフカードゴールドビジネス
初年度年会費が無料の「ライフカードゴールドビジネス」は個人事業主の方も申し込みやすいゴールドカードです。
ゴールドカードの場合、個人向けでも年会費が10,000円以上発生するのも珍しくないですが、2年目以降も2,000円(税別)の格安価格でキープできます。
収益が少なかったり、経費をおさえたかったりする場合に負担の少ない法人カードと言えるでしょう。
付帯保険は以下のようになっていて、他の法人カードの旅行傷害保険と比較すると補償金額は低めです。
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海外旅行傷害保険:最大2,000万円
何度海外へお出かけになっても保険適用、1回の旅行あたりの補償期間は最大で出国後90日目の午後まで
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国内旅行傷害保険:最大1,000万円
国内での「主催旅行」「各種交通機関の乗車券・搭乗券」「宿泊施設」の代金を事前にライフカードで支払った場合のみ適用
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シートベルト傷害保険:最大200万円
自動車搭乗中(日本国内のみ)にシートベルトを着用していた場合の事故を補償
しかし、他のカード会社にはないシートベルト傷害保険の付帯もありますし、年会費が安いという制約を考えたら妥当な範囲かもしれません。
その他にもゴールドカード特有の特典やサービスは充実しています。
- 全国主要空港の空港ラウンジサービス
- 弁護士無料サービスでは電話、面談による法律相談が1時間無料
- 全国のホテルに旅館、スポーツジムに映画館などの施設の優待
- 海外アシスタンスサービス「LIFE DESKでは、海外旅行の情報収集にホテルやレストランの予約、カードの紛失に盗難時の手続き案内、病気やケガの際に医師や病院の紹介に手配などのサポート
年会費の金額以上の恩恵を受けられて、お金をかけずに申し分のないスペックを探す場合に適したカードです。
年会費(初年度無料) | 2,000円(税別) |
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年会費(2年目~) | 2,000円(税別) |
還元率 | 0.5% |
発行期間 | Web完結型(最短3営業日) |
利用限度枠 | 10~500万円 |
まとめ
法人カードの審査では、会社代表者の個人信用情報は重要です。
そして、過去のクレジットカードやローンの返済履歴、現在の利用状況などは必ず共有され、一定の保有期間があることを説明しました。
もしも過去に延滞や滞納をした場合、すぐに審査通過するのは難しいかもしれませんが、「個人信用情報を変える」「独自審査を行うクレジットカードに申し込む」「プロモーションで申し込む」などの方法も取り入れてみると良いでしょう。
また、その他にも会社の設立年数や赤字の有無や固定電話の回線を引くこともポイントとなるので申し込みの際にはチェックしてください。
そして審査に通過する可能性を高めて、実際に手にしたカードをビジネスの中で役立てていきましょう。
- 監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
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