法人クレジットカードの3つの審査基準と通る為の4つの対策を徹底解説!
監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
法人クレジットカードを作りたいけど、次のような悩みがあるから申請に二の足を踏んでいませんか。
「法人クレジットカードを作成したいけど、審査基準が分からない」
「法人クレジットカードは、書類を揃えるのが大変と聞いた」
実は法人クレジットカードのなかには審査基準がゆるく、書類がほぼいらない会社があります。申し込み前にどのようなことに気をつければよいのか、何がポイントで落ちてしまうのかをこの記事でお伝えします。しっかりとポイントをつかむことで、法人クレジットカードの審査が通りやすくなります。
また、記事の最後には審査に通りやすいといわれるクレジットカード6つを紹介しています。
まずは、法人クレジットカードの3つの審査基準からみていきましょう。
この記事の目次
- これだけ知っておけば大丈夫!法人クレジットカードの3つの審査基準
- 事業そのものが3年以上経っていれば有利
- 2年連続黒字など財務状況も審査対象!
- 個人もしくは代表者の信用情報も審査対象!
- 法人クレジットカードの審査に落ちない為の4つの事前対策
- 対策1 固定電話は設置しておく
- 対策2 オフィスの住所も取得しておく
- 対策3 代表者が高いステータスのカードを所有しておく
- 対策4 プロモーションを利用して申し込む
- 法人クレジットカードの審査に必要な書類
- 多額な限度額の場合は必要な追加書類もあり
- 法人クレジットカードの審査に落ちてしまう3つの注意点
- 注意1:申込者本人に2ヶ月を超える長期延滞がある
- 注意2:過去に債務整理をしている
- 注意3:自己破産をしている
- 審査に通りやすい法人クレジットカード6選
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- 三井住友ビジネスカード for Owners(クラシック)
- オリコEx Gold for Biz
- ライフカードビジネスライト(スタンダード)
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
- ビジネクスト・法人クレジットカード
- まとめ
これだけ知っておけば大丈夫!法人クレジットカードの3つの審査基準
法人クレジットカードの審査基準は、事業年数・財務状況・信用情報の3つがポイントとなります。この3つのポイントは意外とハードルが低く設定されていることがあります。
どのような基準であれば、審査が通りやすいのかをみていきましょう。
事業そのものが3年以上経っていれば有利
事業がどれぐらい継続しているかによって審査の通り具合が変わります。一般的に会社の事業が3年以上経っていると、審査を通る上で有利になるといわれています。その理由は、事業の継続性にあります。
中小企業庁の統計によると、会社の生存率は3~4年で安定しているのがわかります。
参照:中小企業庁「第1部 2005年度における中小企業の動向 第2節 事業の存続・倒産と再生」
そして、3~4年経った会社は安定し、前年比93%程度の水準で事業が継続しているのです。
会社が安定していることは、クレジットカード会社にとっても安心してカードを発行できるポイントになります。それはクレジットカードを会社が使用しても、それを回収できることが見込めるからです。
会社設立から3年経っている場合は、クレジットカード審査にチャレンジしてみるとよいでしょう。
2年連続黒字など財務状況も審査対象!
会社の設立が3年以上経っているというポイントのほかに、財務状況も審査対象となります。申込書には設立年や従業員数、資本金の記入欄のほかに、前年度の売上高や最終利益を記入させる会社もあります。この売上高や最終利益のところが黒字であることが望ましいとされています。
また、申込書のほかに、補完書類として財務諸表や確定申告書の提出を求められることがあります。準備した財務諸表や確定申告書、もしくは決算書いずれかの書類を確認しながら正確に記入しましょう。
記入した数字と補完書類の数字が食い違うと、審査に悪影響が出ますので正確に記入しなければなりません。
諦めるのはまだ早い!赤字決済の場合でも審査は通る
前年度などが赤字だから法人のクレジットカード審査は通らない!と諦めてはいけません。赤字決算の場合でも、審査が通る場合があります。
会社を経営していれば、役員報酬や税金の関係から赤字決算にすることがあるかと思います。クレジットカード会社側もそのようなことがあるのを承知しており、赤字決算=NGということにはしていないようです。
また、事業を始めたばかりという場合にはまだ実績がない状態ですが、それでも審査に通ったという話があります。クレジットカード会社がみているのは、キャッシュフローが滞っていないかどうかのようです。
赤字である、まだ実績がないという場合でもキャッシュフローを確認してみましょう。それが正常ならば赤字決算などであっても、絶対に審査に通らないということではないので諦めてはいけません。
個人もしくは代表者の信用情報も審査対象!
会社の経営状態だけではなく、個人もしくは代表者の信用情報もクレジットカード審査では重要になってきます。会社が黒字でも、個人もしくは代表者のこれまでの信用情報がよくないと審査に悪影響が出てくるといわれています。
返済遅延があった場合には、指定信用情報機関に履歴が残っています。これまでしっかりお金を使った分は支払っているか、クレジットカード会社はそこをみているようです。
もし、これまで返済遅延など金融事故を起こしているか確認したい場合は、指定信用情報機関のCICなどに情報開示依頼をしてみるとよいでしょう。
指定信用情報機関のCIC
https://www.cic.co.jp/index.html
申込者の本人のクレジットヒストリーが審査対象!
これまでクレジットカードの返済遅延はしたことがないから安心というわけではありません。クレジットヒストリーといわれる、これまでのクレジットカードやキャッシングの利用履歴なども審査対象になります。
具体的にどのようなものが審査対象となるかというと、次のようなものです。
- クレジットカード利用
- 銀行カードローン
- 消費者金融
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 携帯電話の割賦販売
- その他ローンや借り入れ
返済の遅延はもちろん、ローンを組んでいる頻度や、現在どれだけのローンが残っているかも確認されます。
見落としやすいのが、携帯電話の割賦販売についてです。携帯料金の支払い忘れがあった場合、それは携帯電話の機種販売代金も支払い忘れとなっています。
それは支払いの遅延とみなされ、クレジットヒストリーに傷がついている場合があります。もし、現在も支払い忘れがある場合には早急に支払ってしまいましょう。
法人クレジットカードの審査に落ちない為の4つの事前対策
法人クレジットカードの審査で重要なのは、会社の信用です。
その信用を得るために、4つの事前対策を行いましょう。
対策1 固定電話は設置しておく
携帯電話などではなく、事業用固定電話番号を取得しましょう。
カード会社によっては固定電話番号が必須になります。
法人クレジットカードに申し込む場合は、IP電話でもいいので固定電話番号を用意しましょう。
対策2 オフィスの住所も取得しておく
個人事業主だと名刺にのみ住所を印刷して、住所がほぼ非公開になっていることが多くあります。
個人事業主の場合は、開業届を税務署に提出しておきましょう。
提出した書類の住所をオフィスの住所として、ホームページなどで公開することで信用が増します。
対策3 代表者が高いステータスのカードを所有しておく
代表となる人が、法人クレジットカードよりも先に個人で高いステータスのカードを所有するのもよいでしょう。
クレジットカードをすでに使用し、ちゃんと返済をしていることで信用が高くなります。
クレジットヒストリーに問題がないということは、クレジットカード会社にとって大きな信用となるのです。
対策4 プロモーションを利用して申し込む
プロモーションとはお店や銀行の店頭で、クレジットカード発行を促進している営業活動のことです。
クレジットカード会社が直接行っているプロモーションでは、担当者と話をする機会ができます。
そこで自分の財務状況などを相談し、審査が通りそうなら申し込みをするというのも手です。
法人クレジットカードの審査に必要な書類
法人クレジットカードの審査書類というと敷居が高いように思えますが、必要な書類は以下のものです。
- 本人確認書類
- 登記事項証明書/登記簿謄本/印鑑登録証明書(いずれか)
個人事業主の場合は、登記事項証明書などを準備できないので本人確認書類だけで大丈夫です。
多額な限度額の場合は必要な追加書類もあり
ただし、限度額を上限に設定、もしくはステータスの高いカードを申請しようとすると次の資料も必要になります。
- 決算書2期分
- 不動産謄本(法人もしくは代表者名義)
これらの書類が追加で必要だといわれた場合には速やかに準備し、提出するようにしましょう。
法人クレジットカードの審査に落ちてしまう3つの注意点
過去に返済が遅れたり、債務整理をしていたりするとブラックリストに載っている可能性があります。
このブラックリストに載っていると法人クレジットカードの審査に落ちてしまいます。
返済の遅れ、債務整理、自己破産の3つのポイントに自分が当てはまっていないか確認していきましょう。
注意1:申込者本人に2ヶ月を超える長期延滞がある
返済の遅延があったかどうかは、信用情報機関に情報開示をしてみるとよいでしょう。
- CIC(株式会社シー・アイ・シー) https://www.cic.co.jp/index.html
- JICC(日本信用情報機構) https://www.jicc.co.jp/
- JBA(全国銀行個人信用情報センター)https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/
情報の開示を依頼すると、はがきが届き、過去2年分の記録を見ることができます。未入金などで返済が行われなかった月が3ヵ月あるとブラックリストに登録され、審査に落ちる可能性が高くなります。
このような状態ならば、法人クレジットカードの申し込みを一度取りやめたほうが良いでしょう。クレジットカードの審査に落ちることも、クレジットヒストリーを傷つけることになります。クレジットカードの審査に落ちたことも、6カ月は記録に残ります。
未入金がある場合は払い込みを行い、審査落ちした場合には時間を置くこと。ブラックリストに載っている状況から脱したら、クレジットカードの審査に挑戦するよいでしょう。
信用情報機関に記録が残る期間
- クレジットの利用状況→契約期間中及び取引終了後5年間
- クレジットの申し込み状況→照会日より6カ月
注意2:過去に債務整理をしている
信用情報機関には、債務整理した記録も残されます。
その期間は5年です。
この5年の間は、クレジットカードを作ることができません。
注意3:自己破産をしている
債務整理のほかに、自己破産も信用情報機関には記録が残ります。
CIC、JICCは5年、JBAは10年記録されます。
この期間は債務整理の場合と同じく、クレジットカードを作ることができません。
ただし、金融ブラックは一定期間で復活する。
金融ブラックの状態(ブラックリストに載っている)だから、この先クレジットカードを作れないわけではありません。
信用情報機関が情報を記録している期間には制限があります。この期間を過ぎると記録が抹消され、クレジットカードを作れるようになります。記録が抹消されているかどうかは信用情報機関に確認してみましょう。
信用情報機関のサイトに、確認の方法が掲載されています。
- CIC(株式会社シー・アイ・シー)「情報開示とは」 https://www.cic.co.jp/mydata/index.html
- JICC(日本信用情報機構)「情報開示手続き等のご案内」 https://www.jicc.co.jp/kaiji/
- JBA(全国銀行個人信用情報センター)「本人開示の手続き」 https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/
審査に通りやすい法人クレジットカード6選
これまで返済の遅れ、債務整理、自己破産もなく、電話番号などを準備したなら法人クレジットカードの申し込みをしてみましょう。
とくに審査に通りやすいといわれている法人クレジットカード6つをご紹介いたします。
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- 三井住友ビジネスカード for Owners(クラシック)
- オリコEx Gold for Biz
- ライフカードビジネスライト(スタンダード)
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
- ビジネクスト・法人クレジットカード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
年会費は31,000円(税別)とお高めですが、ステータス性も高いアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード。
ホテルやレンタカー、国際線航空券のオンライン予約が可能なカード会員専用の旅行予約サイトがあります。
この予約サイトを利用すると優待金額で予約ができ、出張や移動が多い人にはマイルもたまる嬉しいカードです。
クレジットカードの審査基準について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
三井住友ビジネスカード for Owners(クラシック)
三井住友ビジネスカード for Owners(クラシック)は名前の通り、法人代表者と個人事業主を対象にした法人クレジットカードです。
「三井住友ビジネスカード」は法人を対象にしたクレジットカードになり、対象が異なります。
また、登記簿謄本や決算書なしで申し込みすることが可能です。
オリコEx Gold for Biz
オリコが提供するゴールドビジネスカードです。
個人事業主向けは「Ex Gold for Biz S」、法人代表者向けは「Ex Gold for Biz M」と分けられています。
所持していると設備資金などまとまった資金が必要な場合にも、優遇金利で資金を調達することができます。
ライフカードビジネスライト(スタンダード)
「会社設立・開業すぐでも申し込みOK」「フリーランス・副業の方にもおすすめ」と間口が広いのが特徴です。
ゴールドカードは年会費がかかりますが、スタンダードだと永久に年会費はかかりません。
また、提携している弁護士事務所と電話、または面談による法律相談を1時間無料で受けることができます。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
法人カードとしてだけでなく、個人カードとしても人気の高いプラチナクラスのカードです。
1,200ヵ所以上の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」に年会費無料で登録することができます。
プラチナクラスということで、取引先からの信用も高いのが魅力です。
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ビジネクスト・法人クレジットカード
利用限度額100万円以下なら、財務書類なしで審査をしてくれるビジネクスト・法人クレジットカード。
書類審査も免許証・健康保険証・パスポートなど身分証のコピーさえあればよいという手軽さも魅力です。
また、従業員分のクレジットカードを50枚まで発行してくれ、その50枚も年会費は無料になっています。
まとめ
今回は、法人クレジットカードの審査基準と審査についての口コミについてくわしく見てきました。
この記事のポイントは以下のとおりになります。
- 法人クレジットカードの審査基準は、事業年数・財務状況・信用情報の3つ
- 固定電話やオフィスの住所を用意し、高いステータスのカードを所有しておく
- クレジットカード会社によって審査期間はバラバラ
- ブラックリストに載っているかどうかは、信用情報機関に情報開示をしてみる
- 審査に通りやすいといわれる法人クレジットカードに申請してみる
法人クレジットカードの作成にあたって審査基準や、どのクレジットカードに申請すればよいのかと不安に思っていた人も、準備と選定をしっかり行うことで審査が通りやすくなることが分かったのではないでしょうか。
今回の記事が、法人クレジットカードへの申し込みというハードルを越えやすくできたなら幸いです。
- 監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
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約80枚のクレジットカードを保有し、約130万円の年会費を支払っている。 一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。