法人カードの審査期間はどの位? 審査期間や短縮するコツを徹底解説
監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
出張が迫っているなどの事情があれば、時間や労力を割いてしまう経費精算を効率よくするためにもはやく法人カードが欲しいと考えるもの。たとえ急いでいなくても、法人カードの審査期間はどのくらいなのか疑問に思うことがあるでしょう。
法人カードの審査期間の目安や、はやく持てる法人カードはどんなカードなのか知りたくありませんか。
今回の記事では、法人カードの審査期間の目安や審査期間を短縮するコツを解説していきます。
記事を読むことで、法人カードの審査期間の目安や審査期間を短縮するコツを理解し、適切な法人カードを申し込めるようになります。
この記事の目次
法人カードの審査期間
法人カードの審査に要する期間は、4日から1カ月と、大きな幅があります。
この章では、法人カードの審査期間がどのような理由で左右されるのかを紹介していきます。
詳しく見ていきましょう。
法人カードの審査期間はカードの種類やカード会社によって異なる
法人カードの審査に必要な期間は、カードによって異なります。
法人カードごとにどの程度の返済能力が求められるのかが異なることがその理由です。
具体的には、下記のような点によって審査期間が左右されます。
詳しく見ていきましょう。
カードのランク
同じ法人カードでも、カードのランクが上がると限度額が上がるのが一般的です。
限度額が上がることでより高い返済能力が求められるため、厳格な審査が行われ、審査期間も長くなります。
具体的には、一般カードが一番審査期間が短く、ゴールドカード、プラチナカードの順に時間がかかるのがほとんどです。
カードのランクに応じた限度額に見合う返済能力があるのかどうかを審査されることが、審査期間に影響を及ぼします。
カードの種類
法人カードの種類によっても、審査期間が異なります。
申し込みをするカードが個人事業主が対象なのか法人が対象なのかで審査項目が大きく異なることが理由です。
法人が対象のカードは代表者個人と会社の信用を審査する必要がありますが、個人事業主が対象であれば代表者個人の信用のみが審査されます。
審査される項目が少ないことから、個人事業主が対象になっているカードのほうが審査期間が短くて済みます。
発行会社
どのカード会社が発行するのかによっても、審査期間が変わります。
カード会社によって審査基準や求める返済能力の高さが異なるからです。
審査の厳しさは、下記のような属性でおおむね判断できます。
それぞれの特徴について見ていきましょう。
銀行系は厳しい
法人カードには、銀行や銀行の関連会社が発行しているカードがあります。 銀行系のクレジットカードは貸し倒れを防ぐために高い審査を設けているカードが多く、比較的審査が厳しいです。 例えば、三菱UFJ銀行系列のMUFGカード ビジネスは一般カードでも黒字決算であることを求めるなど、他のカードに比べて基準が高くなっています。 銀行によって差はありますが、他のカードと比べると審査が厳しく、発行までに時間がかかりがちです。
信販会社は比較的審査期間が短い
法人カードのなかで信販会社が発行しているカードは、銀行系に比べると審査の難易度が低いです。 いわゆる信販系のカードとよばれるもので、難易度が低い分審査期間も短くて済みます。 なかでも、クレディセゾンやライフカードなどが発行するカードは審査難易度が低く、審査期間も短いです。 審査期間を短くしたい人は、信販系の法人カードを選ぶといいでしょう。
会社関連の書類の提出が多いと期間が長くなる
法人カードの審査は、会社の信用とともに経営者個人の信用も審査の対象です。
法人カードの種類によって、どちらの比重が高いかが異なりますが、経営者個人の信用は必ず審査されます。
審査の比重がどこに置かれているかは、申し込みの際提出する書類である程度判断可能です。
本人確認資料だけでいい場合
法人カードの一部は、申し込みの際提出する書類は、経営者個人の本人確認資料のみで、会社の謄本などは必要ありません。
経営者個人の信用が主な審査対象である法人カードでは、このようなパターンになっています。
会社の信用よりも経営者個人の信用が重視されるため、謄本の提出が求められていません。
会社の信用を重視する法人カードに比べて審査対象項目が少なく、審査にかかる時間も短くて済みます。
本人確認資料と会社の謄本が必要な場合
法人カードは事業費決済のためのクレジットカードです。
個人と同じように法人が実在しているかどうか判断するために、会社の謄本の提出を求める法人カードもあります。
審査で確認されるのは、申込書の内容と謄本の内容が一致しているかです。
経営者個人の信用に加えて会社についても審査対象なので、本人確認資料のみでいい場合に比べると、少し審査に時間がかかります。
決算書も必要な場合はさらに厳格に審査され時間もかかる
法人カードの種類によっては、決算書の写しなどの提出が必要です。
会社としての返済能力があるかどうかを決算書によって判断します。
決算書の郵送や審査などに時間がかかるため、さらに審査に時間がかかります。
審査項目が増え、書類のやり取りに時間がかかる分、カード発行までの期間が長くなるでしょう。
この章では、法人カードの審査期間がどのような理由で左右されるのかを紹介してきました。
次の章では、どうすれば審査期間を短縮できるのかを紹介していきます。
審査期間を短縮する5つのコツ
法人カードは会社としての信用も審査する分、個人カードに比べると審査期間が長いです。
しかし、できるだけはやく手に入れられたほうが、支払いや付帯サービスを利用できます。
この章では、法人カードの審査期間をどうすれば短縮できるのかを紹介していきます。
詳しく見ていきましょう。
本人確認資料の住所と現住所を一致させておく
法人カードに申し込む際は、本人確認資料の写しも提出する必要があります。
申し込んだときに申告した住所や名前などが一致しているかを判断するためです。
もし本人確認資料の住所と申告した住所が違っていると追加で書類を提出するなどの手間がかかり、審査に時間がかかってしまいます。
住所が変わっているなら本人確認資料の住所変更手続きをしてから申し込みましょう。
ポイントカードやマイレージカード機能が付帯していないカードを選ぶ
法人カードにはクレジットカード機能以外にも、ポイントカードやマイレージカードなどの付帯機能が付いているカードがあります。
その場合、クレジットカードの発行手続きのほかにポイントカード等の発行手続きも行わなければならず、発行に時間がかかりがちです。
例えばANAカード〈法人用〉は、クレジットカード機能以外に、ANAマイレージカード機能も付帯しています。
できるだけはやく法人カードを発行したければ、マイレージカードやポイントカード機能が付いていないカードを選ぶといいでしょう。
申し込みの際正確な情報を申告する
法人カードの申し込みは、ネットや申込書で行うのが一般的です。
現在の正確な情報を申告すれば審査は比較的スムーズにすすみます。
しかし、記入の誤りや嘘の情報を申告してしまうと、審査が中断する要因となってしまい、時間がかかる原因になってしまいます。
審査をスムーズにすすめ、はやく法人カードを手に入れるためにも、正確な情報を申告しましょう。
事業の実態をわかるようにしておく
ある程度名の知れた会社であれば、比較的審査がスムーズにすすむことは多いです。
しかし、個人事業主や設立直後の法人の場合、実際どんな事業を行っているのかが外からあまりわかりません。
その場合固定電話を導入したり、ネットショップや公式サイトを公開したりなどして、事業が安定していることを示すのが大切です。
事業がうまくいっている印象を与えやすいよう、第三者から見て事業の実態がわかりやすい状態を作っておきましょう。
審査に通過しやすいカードを選ぶ
法人カードをはやく手に入れるためには、カード選びも大切です。
経営者だからランクが高いカードが欲しいと思う人は多いかもしれませんが、現在の経営状態に合わないカードを選んでしまうと、審査に時間がかかり、最悪の場合審査落ちしてしまうこともあります。
審査に通過しやすい法人カードは、下記のような基準で選ぶのがおすすめです。
詳しく見ていきましょう。
経営者個人の信用が重視されるカードを選ぶ
法人カードの一部は、経営者個人の信用が重視されます。
提出するのは本人確認資料のみで、会社の謄本などは提出の必要がありません。
例えば、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、経営者個人の信用が重視されます。
経営者個人の信用に問題がなければ、経営者個人の信用を重視する法人カードを選ぶことで、設立直後など会社の信用に自信が持てない状態でも審査に通過しやすいです。
提出書類が少ない法人カードを選ぶ
法人カードの種類ごとに、審査の際提出すべき書類が異なります。
本人確認資料だけでいい場合もあれば、会社の謄本や決算書などを提出しなければならない法人カードもあり、さまざまです。
提出すべき書類が少ないほうが、審査の際チェックされる項目が少なくて済みます。
提出書類が少ないと審査項目が少なく、提出書類が多く厳密に審査されるタイプの法人カードに比べて審査に通過しやすいでしょう。
赤字決算や設立直後でも申し込める法人カードを選ぶ
法人カードのなかには黒字決算やある程度の業歴が必要なカードもあり、審査が厳しいです。
しかし、法人カードには赤字決算や設立直後でも申し込める、比較的審査に通過しやすいカードもあります。
例えば、三井住友ビジネスカード for Ownersは、ある程度の収入があり延滞がなければ、赤字決算や設立直後でも審査に通過できる場合が。
赤字決算や設立直後でも審査に通過しやすい法人カードを選ぶことで、審査がスムーズにすすみやすく、はやく手に入れられるでしょう。
この章では、法人カードの審査期間をどうすれば短縮できるのかを紹介してきました。
次の章では、長い審査期間をかけたくない人におすすめの法人カードを紹介していきます。
長い審査期間をかけたくない人におすすめの法人カード3選
法人カードをつくるのであれば、少しでも審査期間が短いほうがはやく使えて助かります。
ここでは、法人カードを申し込む際、長い審査期間をかけたくない人におすすめの法人カードを紹介していきます。
詳しく見ていきましょう。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、アメリカン・エキスプレスが発行する法人ゴールドカードです。
ステータス性の高さから審査が厳しいイメージがありますが、経営者個人の信用が重視されるため、設立直後でも申し込みできます。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの概要は下記の通りです。
年会費 | 31,000円(税別) |
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追加カード年会費 | 12,000円(税別) |
主な付帯サービス
- 空港ラウンジ同伴者1名無料
- 一律の利用限度枠なし
- クラウド会計ソフトfreee優待
- ビジネス・ダイニング by ぐるなび
- 福利厚生プログラム「クラブオフ」VIP会員年間登録料無料
ビジネスやプライベートで役立つ付帯サービスがとても充実しているので、付帯サービスを活用したい経営者におすすめです。
ライフカードビジネスライト
ライフカードビジネスライト(ゴールドカード)は、信販会社のライフカードが発行する法人カードです。
申し込みから最短4日で発行できる、スピード発行をウリにしています。
ライフカードビジネスライト(ゴールドカード)の概要は下記の通りです。
年会費 | 年会費 初年度無料 2年目以降2,000円(税別)/枚 |
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従業員カード年会費 | 初年度無料 2年目以降2,000円(税別)/枚 (最大3枚まで) |
付帯サービス
- 国内主要空港のラウンジ無料
- 国内外旅行傷害保険
- シートベルト傷害保険
- クラウド会計ソフトfreee優待
- 福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」優待
スタンダードに比べて付帯サービスが充実しているゴールドカードでもスピード発行ができるので、出張が控えているなど急いで発行したいときにもおすすめです。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、クレディセゾンがアメリカン・エキスプレスと提携して発行している法人プラチナカードです。
プラチナカードとしては年会費が安く、信販系なので審査にも比較的通過しやすいです。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの概要は下記の通りです。
年会費 | 20,000円(税別) 前年度200万円以上の利用で 翌年度10,000円(税別) |
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追加カード | 3,000円(税別)/枚 4枚まで発行可能 |
付帯サービス
- カードデスク・サービス
- プライオリティ・パス無料
- 国内外旅行傷害保険
- 提携スポーツクラブ優待
- 弁護士サービス優待などのビジネスサポート
プラチナカードならではの充実した付帯サービスは、日常生活で使いやすく、審査に通過しやすい法人プラチナカードが欲しい人におすすめです。
- 年会費22,000円(税込)が初年度無料!キャンペーン期間:2021年5月6日(木)まで
- 各種税金・国民年金保険料をカードで支払うと最大20,000円相当還元中!キャンペーン期間:2021年3月31日(水)まで
- 新規入会&カード利用で最大9,000円相当プレゼント!
この章では、法人カードを申し込む際、長い審査期間をかけたくない人におすすめの法人カードを紹介してきました。
審査に通過しやすい法人カードを選ぶ際の参考にしてください。
まとめ
今回の記事では、法人カードの審査期間の目安や審査期間を短縮するコツを解説してきました。
記入ミスや虚偽申告をしないなどの基本的なことはもちろん、どんな法人カードを選ぶかでも、審査期間が変わってきます。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードのような、設立初年度でも持ちやすい法人カードを選ぶと、審査がスムーズです。
法人カードの審査期間について、ご理解いただけましたか。
今回の記事を参考にしながら、自分に合う法人カードを選んで申し込んでみてください。
- 監修者:トータルマネーコンサルタント 新井智美
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