クレジットカードの仕訳は簡単!仕訳方法をパターン別で徹底解説!

個人事業主や小規模の会社を経営している方は、自分で確定申告をしているかもしれません。そんな方の中には、
クレジットカードで経費を支払った時に、
「どのように仕訳したら良いかわからない」
「白色申告と青色申告ではどう違うのか」
「個人用クレジットカードと法人用クレジットカードでは仕訳方法が違うのか」
と考える方もいるのではないでしょうか。
曖昧なまま仕訳を行ってしまうと、後ほど修正に時間がかかったり、あるいは正確に確定申告できず、青色申告の資格を失うことになる可能性もあります。
そこでこの記事では、クレジットカードで経費を落とした場合の仕訳方法を紹介します。この記事を最後まで読めば、仕訳の仕方がはっきりとわかり確定申告の際に困りません。どうぞ最後までお読みください。
この記事の目次
白色申告の場合の仕訳方はシンプル
白色申告及び青色申告でも10万円控除を受ける場合は、複式簿記での基調が必要ないため仕訳方法は非常にシンプルです。
単式簿記で記載してきますが、単純にクレジットカードで会社の消耗品を購入した時には、購入した日付と購入した物の内容、金額を記すだけで良いのです。
帳簿は以下のようになります。
収入 | 支出 | |
---|---|---|
2月4日 | 消耗品費 3,580円 |
白色申告はこのようにシンプルなため簡単ですね。では、次に青色申告で65万円控除を受ける場合についてお伝えします。
青色申告でクレジットカードを使って支払った場合の仕訳方
ここからは青色申告で65万円控除を受ける場合についてお伝えしますが、その場合個人用カードを使うか、あるいは法人用のクレジットカードを使って会社の物を購入したかで扱い方が違います。
個人用カードを使って会社の経費を支払った場合は、クレジットカード会社から代金が引き落とされた時には、処理の必要はありません。費用を「消耗品費」、そしてクレジットカードに関しては「事業主借」を用います。
帳簿は以下のようになります。
借方 | 貸方 | |
---|---|---|
2月4日 | 消耗品費 3,580円 | 事業主借 3,580円 |
一方、法人カードを使って会社の経費を支払った場合は、購入時は「未払金」で処理を行います。代金が引き落とされた時には、「未払金」を借方に支払ったことになります。貸方の部分には「普通預金」として処理されます。
帳簿は以下のようになります。
借方 | 貸方 | |
---|---|---|
2月4日 | 消耗品費 3,580円 | 未払金 3,580円 |
3月10日 | 未払金 3,580円 | 普通預金 3,580円 |
なお、法人用クレジットカードを使った場合は、仕訳を簡略化しても良いとされています。「未払金」を使うよりも簡単なのでおすすめです。
この場合、帳簿は以下のようになります。記帳する際は、クレジットカード会社が引き落としを行った日付で記してください。
借方 | 貸方 | |
---|---|---|
3月10日 | 消耗品費 3,580円 | 普通預金 3,580円 |
ただし年をまたぐ場合は簡略化せずに「未払金」を使った方法で記帳しなければならないので注意が必要です。
その他に気を付けたい、クレジットカードで経費を支払った際の注意点
クレジットカードで経費を支払った際の注意点をまとめておきましょう。以下のようなケースで注意が必要です。
- インターネットで購入した際に領収書が発行されなかった場合
- 分割払いにした場合
- クレカのポイントやマイルを使った場合
- クレジットカードの利用明細が「WEB明細」の場合
それぞれ見ていきましょう。
インターネットで購入した際に領収書が発行されなかった場合
インターネット通販でクレジットカードを利用して物品を購入した場合、領収書が発行されない場合があります。なぜならクレジットカードで支払った段階では、カード会社が購入費を立て替えているからです。
こういった領収書がない場合は、購入した販売店が発行する「利用明細書」を使います。利用証明書は、販売店の名称、購入した物品あるいはサービス名、購入代金、購入日が記されています。
カード会社が発行する請求明細書は、領収書の代わりに使用することはできませんのでご注意ください。
分割払いにした場合
クレジットカードで購入した時に分割払いを選んだ場合、手数料が発生する場合があります。この時は「支払手数料」という勘定科目を使って仕訳を行ってください。
クレカのポイントやマイルを使った場合
クレジットカードによっては、ポイントやマイルが貯まります。ポイントやマイルを物品に交換した場合は、会計処理は必要ありません。
ただしクレジットカードで支払った際に得たポイントやマイルを商品券に交換したり、キャッシュバックを受けたりした場合は「雑収入」として記帳する必要があります。
クレジットカードの利用明細が「WEB明細」の場合
クレジットカード会社によっては、紙面の利用明細が送付されて来ず、「WEB明細」担っているところもあります。その場合は「WEB明細」をダウンロードして、紙面に残す必要があります。確定申告に関する書類は、紙面で保存することが義務となっているからです。
クレジットカード会社によっては、ダウンロードできる期限が決められている場合があります。ダウンロードを忘れていると、紙面で利用明細書を残すことができなくなることがあるので、「WEB明細」の場合はこまめにダウンロードし、印刷しておきましょう。
ここまでクレジットカードで支払った際の注意点をお伝えしました。次に法人向けのクレジットカードにまとめた方が楽ですので、その理由を紹介します。
法人向けのクレジットカードにまとめると経理は楽
法人向けのクレジットカードにまとめると経理が楽です。以下のような理由で楽になります。
- 経理の透明化
- キャッシュフローが楽
- データを移行できる
順に見ていきましょう。
経理の透明化
法人向けのクレジットカードをまとめると、経理を透明化することができます。つまり誰が、いつ、どこで、いくら使用したかがはっきりするのです。毎月クレジットカード会社から発行される利用明細書に記されます。
しかもクレジットカードですので、立て替えの必要がなくなります。社内での現金の受け渡しが減り、お金の管理がしやすくなるのです。
キャッシュフローが楽
キャッシュフローが楽になるのもメリットです。クレジットカードには毎月締め日があり、支払は翌月以降の決まった日になります。よって物品購入から、実際に登録した銀行口座からお金が引き落とされる日までの時間が生まれます。そのためキャッシュフローが楽になるのです。
データを移行できる
クレジットカード会社によっては、利用明細書が「WEB明細」で発行される場合がある、というのは先ほどお伝えした通りです。その場合、データ移行が簡単に行えます。CSVデータ形式でデータを取り出せる場合、自分の会社が使っている会計ソフトにそのまま取り出したデータを移行できるのです。
そうすると、いちいち勘定科目を考えたり、仕訳をする手間は必要なくなります。
ここまでで法人向けクレジットカードにまとめた方が良い理由について述べました。最後にに初めての方におすすめな法人カードを3つ紹介しましょう。
おすすめの法人カード3選
初めて法人カードを作る方におすすめのカードを3つ紹介します。
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
- JCB CARD Biz
では、それぞれの概要やおすすめする理由を見ていきましょう。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードの概要は以下の通りです。
年会費 | 税別12,000円(初年度無料) |
追加カード | 税別6,000円 |
付帯保険 | 国内・海外旅行傷害保険、ショッピング |
ポイント還元率 | 0.33〜0.5% |
交換可能マイル | ANAマイル、スカイマイル |
利用限度額 | 審査によって個別に決定 |
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードをおすすめできる理由は以下の2点です。
- ステータス性の高さ
- 作りやすいこと
アメックスのクレジットカードは昔作るのが難しかったことから、審査が厳しいというイメージが残っていますが、実は作りやすいカードと言われています。
アメックスは信用情報機関の情報に頼らず、独自で審査を行っています。そのため、勤続年数や雇用形態などの信用度があまり高くなくても、経営者自身に金融事故などの問題がなければ、アメックスの審査に通過できる可能性は十分にあります。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの概要は以下の通りです。
年会費 | 税別20,000円 |
追加カード | 税別3,000円、4枚まで |
付帯保険 | 国内・海外旅行傷害保険、ショッピング |
ポイント還元率 | 0.5〜1% |
交換可能マイル | ANAマイル、JALマイル |
利用限度額 | ~500万円 |
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードをおすすめする理由は、プラチナクラスにも関わらず、招待制ではないことです。多くのプラチナクラスの法人カードは、同じクレジットカード会社が発行するクレジットカードでクレジットヒストリーを作り、招待される必要があります。
しかしセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードはその必要がありません。また、プラチナクラスなので付帯サービスも充実した法人カードです。最初からある程度利用する個人事業主や会社の経営者にぜひ導入していただきたい法人カードです。
JCB CARD Biz
JCB CARD Bizの概要は以下のようになります。
年会費 | 1,250円(オンライン入会の場合、初年度無料) |
付帯保険 | 国内・海外旅行傷害保険、ショッピング |
ポイント還元率 | 0.5〜0.75% |
交換可能マイル | JALマイル・ANAマイル |
JCB CARD Bizはまずは1枚持っておきたいという個人事業主の方におすすめです。その最たる理由は年会費の安さです。法人カードは年会費が数万円というのも珍しくありません。しかしJCB CARD Bizは年会費がたったの1,250円です。
しかもオンライン入会の場合、初年度無料になります。まず1年試してみて、他の法人カードに切り替えたり、JCB CARD Biz GOLDに移行するといったプロセスをとっても良いでしょう。
まとめ
クレジットカードで会社の経費を支払った際の仕訳の仕方を紹介しました。白色申告と青色申告の10万円控除、青色申告の65万円控除の場合では仕訳方法が違います。
個人用のクレジットカードを使ったか、法人カードを使ったかでも記帳方法は違います。経理を簡単にするためにも法人カードにまとめましょう。
おすすめの法人カードも紹介しました。個人事業主か中小企業かでもおすすめの法人カードは変わってきます。自分の会社の規模にあった法人カードを作ってくださいね。