海外でお得に!クレジットカードと現金、国際ブランドのレートの違いを比較

海外旅行などで支払う際、なるべく優遇された為替レートでお得に決済したいですよね。
「クレジットカードのほうが現金よりもレートがいい」とはいうものの、実際にどれくらい違いがあるのか、詳しく把握している人は少ないのではないでしょうか。またカードによって、レートの違いがあるのも事実です。
そこで、クレジットカードと現金でどのくらいレートに差があるのか知りたいと思いませんか?また、クレジットカードの種類や国際ブランドによって違いも気になる、知りたいのではないでしょうか。
今回はそんなクレジットカードの、レートにまつわる疑問を解決します。これから海外へ出かける人が、現金両替とクレジットカードのレートの違いを理解し、どうすればお得に利用できるかを判断できるようになります。
この記事の目次
ドルの両替:現金とクレジットカード、レートを比較
海外へ出かけるとき、ある程度の額の現地通貨への両替は必須です。しかし、できるだけ手数料の負担は少ない方が助かります。
そこで、USドルを利用する場合、現金両替とクレジットカードで実際にどのくらいレートに差があるのかを詳しく見ていきます。
銀行両替、空港両替、クレジットカードを比較
銀行両替、空港両替、クレジットカードの特徴を比較していきます。
銀行両替
利点は、事前に準備ができる点です。空港内のことがよくわからない場合や、当日両替をするのは時間があるかどうか不安、といった場合にはおすすめの方法です。
また、為替相場の変動により、両替をした日から出発日までに大幅な円安となった場合、お得になります。
空港両替
- 出国前に準備ができる
- 自宅に両替したドルを忘れてきてしまう心配がない
- 旅行会社やWEB等のクーポンが出回っていてお得に両替できることがある
という利点があります。
注意点として、
- 出国が多い時間帯などには混み合うこともある
- 制限エリア内の両替所はレートが不利な場合が多い
ことも覚えておきましょう。
クレジットカード
最もレートが有利であるため、一番おすすめの方法です。カード社会のアメリカはスターバックスやマクドナルド等の少額利用でもカード決済が可能なため、気兼ねなく利用できます。
ただし、スキミングや盗難のリスクは伴うため、ICチップ付きカードにしたり、万が一の時の問い合わせ先を控えておくなど、対策が必要です。
それでは、銀行両替、空港両替、クレジットカードの具体的なレートを見ていきます。
最もレートが安いのはクレジットカード
銀行両替、空港両替、クレジットカードにおける1ドルのレートを比較していきます。
円→ドル | ドル→円 | |
---|---|---|
三井住友銀行 | 113.91円 | 107.78円 |
三菱UFJ銀行 | 113.68円 | 109.68円 |
みずほ銀行 | 113.91円 | 107.91円 |
羽田空港 トラベレックス | 113.52円 | - |
成田空港 GPA | 113.33円 | 108.21円 |
ドル→円 | 手数料 | 手数料加算後 | |
---|---|---|---|
VISA | 112.08円 | 1.63% | 113.90円 |
MasterCard | 111.12円 | 1.63% | 112.93円 |
JCB | 110.96円 | 1.60% | 112.73円 |
(2017/7/25 10:00現在)
銀行両替や空港両替では、日本円からドルに両替を行うため、基準となるのは円→ドルの値です。クレジットカードの場合は、ドルの利用を円に換算して請求されるため、ドル→円の値が基準になります。
大きな違いはなく、少しだけクレジットカードのレートが安いだけに見えますが、
- クレジットカードにポイントが付与される点
- 現金を両替して余ったら円に両替するため、円をドルに換えた時より安いレートで両替せざるを得ない点
以上の2点より、クレジットカードが一番レートがよく、手数料の負担が安いため、お得に利用することができます。
ここまで、USドルへ両替する時の現金とクレジットカードのレートを比較してきました。一番レートが有利なのはクレジットカードです。現金は必要最小限にして、基本的にはカード決済を利用するのがおすすめです。
次の章では、クレジットカードの5大国際ブランドの手数料を比較していきます。
国際ブランドによってレートに上乗せする手数料が違う
クレジットカードの手数料は、国際ブランド毎に異なります。同じ国際ブランドでも、発行会社によって手数料を上乗せしていることもあるため、手数料率が異なる場合もあります。
セゾンカードVISA、セゾンカードMasterCard:1.63%
MUFGVISA、MUFGMasterCard:2.16%
以上の点を踏まえて、5大国際ブランドの手数料を比較していきます。
5大国際ブランド手数料一覧
ブランド名 | 加算される手数料 | 基準が1ドル110円とすると? |
---|---|---|
VISA | 1.63~2.16% | 111.793円~112.376円 |
Mastercard | 1.63~2.16% | 111.793円~112.376円 |
JCB | 1.60% | 111.76円 |
AMEX | 2.00% | 112.2円 |
Diners | 1.30% | 111.43円 |
このように、おおむね国際ブランドごとに海外利用の手数料率が定められています。
注意!基準のレートは各ブランド様々
注意しておきたいのが、Dinersは手数料率は安いですが、基準レートが異なる点です。
国際ブランド各社が、その日の為替相場を元に毎日レートを設定しています。比較的、MasterCardやJCBがドルのレートがいい場合が多いと言われており、2017年7月25日のレートでは、両社がVISAより少し有利です。
DinersClubは、加算される手数料が安く一見有利なように見えますが、基準となるレートが高いため、不利な傾向にあります。
なぜなら、DinersClubの基準レートは非公開ですが、親会社であるCITIBANKのレートが基準と言われており、CITIBANKのレートは他社より不利な傾向にあるからです。
このように、基準のレートも国際ブランドによって異なるため、より有利なものを選ぶようにしましょう。
ここまで、国際ブランド毎のレートに上乗せする手数料についてご説明してきました。手数料だけでなく、基準レートもしっかり確認しておくのがポイントです。
次の章では、クレジットカードでドル決済をするときの注意点についてご紹介していきます。
クレジットカードでドル決済をするときの注意点
クレジットカードでドル決済をするとき、帰国後に気付いたとしても修正が難しい場合も多いため、注意が必要です。
特に、
- 支払い時に金額に誤りがないかどうか
- 請求明細と利用控えは合っているか
については入念に確認するべきです。
それぞれについて詳しく説明していきます。
支払い時、金額に間違いがないかを確認すること
支払い時に金額に誤りがないかを確認することが、一番重要な点です。帰国後に誤りに気付いても、店頭に出向いてのカードの決済し直しや電話でのやりとりが難しい場合が多いからです。
支払い時、注意すべきポイントは以下となります。
金額
物やサービス自体の料金以外には、税金やクレジットカードの加盟店手数料などが加算されます。
アメリカの税金には、
- Sales Tax(小売り税)
- Hotel Tax(ホテル税)
- Dining Tax(外食税)
などがあり、州によって税率が異なります。
通貨単位
希望の通貨単位で決済されていることを必ず確認しましょう。
上記を確認してから暗証番号入力(又はサイン)
暗証番号やサインは、金額を確認しました、という意思表示になります。必ず金額や通貨単位が正しいか確認をしてから入力(記入)してください。
必ず明細をもらう
後で明細と付け合わせるために、必ず明細をもらって帰ってください。
上記の点に注意して、金額に誤りがないかを確認しましょう。
利用控えと明細に間違いがないか確認すること
利用明細が手元に届いたら、クレジットカード利用時にもらっておいた明細と付け合わせることで、請求に誤りがないか確認しましょう。
特に確認したいのが、
- 利用したお店から身に覚えのない請求をされていないか
- スキミング等による不正使用をされていないか
です。
ホテルを利用した場合、ミニバーやレストランの利用分が後から加算される場合もあります。しかし、ホテル側のミスで他の人の請求が加算されている場合もあるため、正しいかどうか確認しましょう。
また、カード社会のアメリカではカード犯罪も多いため、日本よりスキミング等の犯罪に遭ってしまうことも残念ながら多いです。そのため、身に覚えのない請求はないか確認をしましょう。
クレジットカードが利用されたら、お知らせメールが届くカードもいくつかあります。もし不正利用に遭ってしまったとしてもそのようなサービスを利用しておけば、少しでも早く気付くことができます。不正使用のリスクを少なくするためには、おすすめです。
ここまで、クレジットカードでドル決済をするときの注意点をご紹介してきました。特に、通貨単位に気を付けるのは、海外旅行ならではです。
次の章では、クレジットカード払い以外に、両替手数料を抑える方法についてご紹介していきます。
海外旅行の手数料を抑える方法
海外旅行に行って現地通貨が不足してしまった場合に、手数料を抑えて現地通貨を手に入れる方法をご紹介します。
アメリカでは空港や銀行、ホテルなどは手数料が3~10%とあまりレートがよくありません。
2017年7月25日現在、為替相場では1ドル約111円なのに対し、アメリカで最も大きい銀行であるバンクオブアメリカのレートは1ドル117.37円です。レートは約5.7%と、日本の銀行で両替するのと比較しても、かなり条件が悪いことがわかります。
そこで、
- 海外キャッシング
- 海外プリペイドカード
などを利用することで、現地での両替手数料を抑えることができます。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
海外キャッシング
海外キャッシングは、現地での両替手数料より安い手数料で済ませられます。
海外キャッシングとは、クレジットカードのキャッシング機能を利用して、現地のATMで現地通貨を引き出すことです。ほとんどの場合ATM手数料はかかりませんが、キャッシングの利息が加算されて請求されます。
キャッシングの利息は、利用日から返済日までの日数によって、日割り計算されるため、実際発生する利息はわずかな率です。
- 利用日から支払日まで20日の場合
18%×(20/365)=0.98% - 50日の場合
18%×(50/365)=2.47%
上記の様に、現地で両替するよりは、コストを抑えられます。繰り上げ返済のできるクレジットカードを持っている場合は繰り上げ返済でさらに利息の負担を少なくすることができます。
しかし、以下の点に注意が必要です。
- ATMによっては利用手数料が発生する
- キャッシングの限度額の他に、「1日の限度額」「1回の限度額」が定められている場合がある
このように、海外キャッシングは、返済日までの日数によっては、クレジットカードのドル決済よりお得に利用できる場合があります。
海外プリペイドカード
海外プリペイドカードも、現地での両替よりはお得に利用できます。あらかじめチャージしておいた金額を上限として利用できるカードであるため、使いすぎを防げるというメリットもあります。
海外プリペイドカードで発生しうるコストは、
- 入会金・年会費
- チャージ手数料
- 現地ATM利用手数料
- 為替手数料
などです。
カードの種類によっては、これらの手数料を最小限まで抑えたものもあります。例えばマネパカードは、発生するのは現地ATM利用手数料のみです。
手数料はアメリカでは2USDなので、例えば300ドル引き出した場合の手数料は0.6%となり、かなりお得です。
- 万が一盗難に遭ってもロックができる点
- 使われてしまってもチャージした金額以上は被害に遭わない点
- 未成年でも申込可能な点
上記の様な点もメリットです。
このように、海外プリペイドカードも、手数料を抑える方法としておすすめです。
ここまで、海外旅行の現地両替手数料を抑える方法をご紹介してきました。未成年等のクレジットカードを持っていない人であれば、海外プリペイドカードがおすすめです。
しかし、すでにクレジットカードを持っている人なら、手元のカードのキャッシング機能を利用するのが手続きもシンプルかつポイントも貯められるのでおすすめです。
まとめ
今回の記事では、クレジットカードと現金、国際ブランドのレートの違いを比較してきました。再度ポイントをまとめます。
- 銀行両替、空港両替、クレジットカードの中ではクレジットカードが一番お得
- クレジットカードの5大国際ブランドの中ではJCBの手数料がお得
- 国際ブランドによって円への換算時の基準レートが異なる。
- Dinersは高いレートが基準
- 支払い時に金額と通貨単位に誤りがないか確認が必須
- 利用控えと明細を付け合わせることは必須
- 現地におけるドルの入手は、未成年には海外プリペイドカードがおすすめ
- クレジットカードをすでに持っている人にはクレジットカードのキャッシング機能がおすすめ
- キャッシングの繰り上げ返済を利用すれば、クレジットカードよりも手数料を抑えることは可能
このように、クレジットカードと現金、国際ブランドのレートの違いを比較すると、クレジットカードでのドル決済が一番レートが有利です。
しかし、それぞれの方法にメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴と違いを理解したうえで、どの支払い方法が自分にとってお得で、どれを利用するべきか判断するといいでしょう。