ETCカードを法人で作るならコレ!おすすめの法人向けカード11選
監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
起業をするにあたって高速道路の利用が多くなる方は、法人用のETCカードを作りたいとお考えではないでしょうか。
法人向けのETCカードにはいくつかの種類があり、どのように利用するかによって最適なカードは異なります。
本記事では、法人用のETCカードについて以下のことが理解できる情報をまとめました。
- 法人向けのETCカードにはどのような種類があるか
- 法人用にETCカードを作ることのメリット
- 自分の事業形態に最適な法人用のETCカードはどれか
法人用のETCカードを法人向けに作る場合のチェックポイントと、それぞれのニーズに応じたおすすめの法人向けのETCカードを11枚ピックアップしています。
一読することで、自社にあった法人用のETCカードが絞り込めますので、どの法人用ETCカードを作ればよいかが理解できるでしょう。
自分の事業形態に最適な法人用のETCカードをぜひ見つけて、経費の管理や節約に役立ててください。
この記事で一押しの法人カード
この記事の目次
- 法人向けETCカードの概要
- 法人用のETCカードとは法人や個人事業主がETC割引を受けられるカード
- 法人用ETCカードを作るメリット3つ
- 法人用のETCカードを作る場合のチェックポイント4つ
- 得られるポイントやサービス
- 入会費や年会費などのランニングコスト
- 事業規模に適しているか
- 審査を通過できるか
- チェックポイント別のおすすめETCカード(法人向け)
- 得られるポイントやサービスがおすすめのカード
- 低ランニングコストでおすすめのカード
- 新規起業の個人事業主が作りやすい法人向けETCカード
- 事業規模が大きい場合におすすめのETCカード(法人向け)
- ETCカード(法人向け)を作る方法3つ
- 法人カード+ETCカード(クレジット機能あり)
- 法人ETCカード(クレジット機能なし)
- ETCコーポレートカード(クレジット機能なし)
- まとめ
法人向けETCカードの概要
法人用のETCカードとは、どういう特徴を持ったETCカードなのでしょうか。
その特徴と、法人用のETCカードを持つメリットにも触れながら解説します。
法人用のETCカードとは法人や個人事業主がETC割引を受けられるカード
個人用のETCカードは、ETC割引制度がカードによって変わることはなく、同じようにサービスが受けられます。
一方、法人用のETCカードは、種類によって受けられる割引料金や作成難易度が異なり、事業の規模・ニーズによっても向いているカードが異なる点が大きな特徴です。
たとえば、下記のように大きく分けることができます。
-
NEXCO東・中・西日本の利用がETCカード1枚(※)につき毎月30,000円超える
※登録車両のみ使用可能で、1枚のカードを複数の車両で利用できない
→①最大割引率40%!の「ETCコーポレートカード」をチェック -
NEXCO東・中・西日本の利用がETCカード1枚(※)につき毎月30,000円超えない
※車両限定なく利用できる
→②クレジット機能がないため審査が最低限で済む
「法人ETCカード」をチェック
→③ETC割引以外に、ビジネスサポート等の充実した付帯サービスもほしい
「法人カード(ETC機能あり)」をチェック
①は割引率が高いのですが、②③についても、「ETCマイレージサービス」(※1)に申し込めば、ETCカードでの通行料金によりポイントが貯まり、規程ポイントにより還元額(無料通行分)と交換することができます(※2)。
※1NEXCO東/中/西日本、阪神高速道路㈱、本州四国連絡高速道路㈱が共同で運営。
※2道路事業者により還元額に交換できるポイントの単位が違います。
【参考】詳細については、ETCマイレージサービス公式サイトでご確認ください。
法人用ETCカードを作るメリット3つ
法人用のETCカードを作るメリットをまとめると以下の3点です。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
ETC割引サービスで有料道路の通行料金が大幅に割引となる
先述のとおり有料道路の通行料金が大幅に割引となり経費節減できる点は、法人用のETCカードを作る上でもっとも大きなメリットです。
個人用のETCカードよりも大きな割引が受けられる法人用のETCカードもあり、そういったETCカードを利用すれば、個人用のカードをそのまま流用するよりもさらに経費削減ができます。
交通費の管理や経理処理が容易になる
車移動が多い事業であれば、経理面でも法人用のETCカードは必須です。
特に起業直後は、個人のETCカードを利用して事業にかかっている交通費の支払いを済ませがちです。
しかし、そのまま個人用とビジネス用でカードを分けずにいると、経費としてどれだけかかっているのか把握しづらく、事務処理も手間がかかり、決算時などは本業に集中できなくなってしまう恐れがあります。
起業のタイミングで個人用と法人用を分けることで、高速道路料金などの経費管理が容易になります。
WebによるETC利用照会サービスを活用することで、
-
ETCクレジットカードの場合:
利用証明書・利用明細は15カ月以内 -
ETCコーポレートカードの場合:
利用証明書は過去62日間
利用証明書走行明細確認は過去124日間以内
を確認することができ、保存・印刷も可能です。
※参考:ETCコーポレートカード利用明細署例(NEXCO西日本)
利用方法については、「ETC利用照会サービス」にてご確認ください。
法人カードの種類によってはポイントが貯まる
クレジットカードに付随して作成するETCカードの場合、利用金額に応じてポイントやマイルが貯まります。
個人利用よりもはるかに利用金額が大きいため、ポイントやマイルもその分たくさん貯まりお得です。
ここまでで、法人用のETCカードの概要とそのメリットについて解説しました。
では、法人用のETCカードを作る際には、どのようなことに着目して最適なカードを選べばいいでしょう。
法人用のETCカードを作る場合のチェックポイント4つ
法人用のETCカードを作るにあたって、確認してほしいチェックポイントは以下の4点です。
これらのチェックポイントについて詳しく解説します。
得られるポイントやサービス
法人用のクレジットカード(以降法人カードとします)に付随するETCカードを選ぶ場合は、その法人カードで得られるポイントやサービスをカードごとに比較しましょう。
クレジットカード会社によって、ポイントの付与や受けられるサービスには大きな違いがあります。
例えば、アメリカン・エキスプレス・カードであれば旅行関連のサービスが手厚い、JCBであればレジャー関連のサービスが充実している、などです。
自社に合ったサービスを受け取れるよう、比較検討はしっかりと行ってください。
入会費や年会費などのランニングコスト
各カードを比較し、ランニングコストを抑えられるかどうかを検討してください。
法人用のETCカードは種類によって、入会費などのイニシャルコストと、年会費などのランニングコストがかかります。
特に年会費は毎年かかってくるため、あまりにも金額が大きい場合は経費を圧迫しかねません。
事業規模に適しているか
事業規模に適した枚数のETCカードを作れなければ、ETCカードを運用していく上で不便です。
そのような不便さを回避するため、選ぶ法人用のETCカードが、自分の事業規模に適しているかどうかを確認するようにしましょう。
特に法人カードに付随するETCカードは、枚数をあまり作れない場合が多いです。
ETCカードが必要な従業員が5名までの場合、10名以上の場合、それぞれでおすすめするETCカードは違ってきます。発行可能枚数は必ずチェックしてください。
審査を通過できるか
そもそも、法人カードの審査を通過できなければ法人用のETCカードも作れません。
特に起業間もない経営者や個人事業者には悩みの種です。
起業したばかりだと、事業実績を示すことは困難です。
そうなると法人や個人事業者としての信用が低くなり、法人カードに付随するETCカードを作りたくても、審査をパスしづらい状況に陥ってしまいます。
現在の事業状況において審査を通過しにくいことが予想できる法人カードは避けて、審査を通過できそうな法人カードを選ぶようにしましょう。
ETCカードを法人向けに作る場合のチェックポイントを4点解説しました。
これらのチェックポイントを踏まえつつ、チェックポイント別のおすすめETCカード(法人向け)を厳選してご紹介します。
各有料道路事業者のETC請求料金に対する疑義、ETC割引、ETCレーンの整備状況等についてはこちらからお問い合わせください。
チェックポイント別のおすすめETCカード(法人向け)
この章では、ETCカードを法人向けに作る際のチェックポイント別に、おすすめの法人向けETCカードを以下の順番で紹介します。
選んだ理由も含めて解説しますので、自分の事業に向いている法人向けETCカードをぜひ見つけてください。
得られるポイントやサービスがおすすめのカード
得られるポイントやサービスがおすすめのカードは以下の通りです。
それぞれ、元々のクレジットカードに付随するポイントやサービスが魅力的な法人向けのETCカードです。
年会費以上のサービス
「アメリカン・エクスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」
「アメリカン・エクスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」(以降アメックスビジネスゴールド)は、ETCカードは5枚まで発行可能で、ステータスの高い法人カードです。
アメックスビジネスゴールドをおすすめする理由は3つあります。
- 他の法人カードでいえばプラチナレベルの付帯サービス
- 追加カードは無制限に作れ、追加カードの使用明細やポイントなどはすべて本カードに集まる
- ETCカードを5枚まで作成できる
アメックスと言えば、空港のラウンジサービスや旅行の付帯保険の補償額の高さなど、旅行関連で高いレベルのサービスを受けられることで有名ですが、法人カードでも同様のサービスが受けられます。
また、請求書およびポイントはすべて本カードに集まりますので、交通費が経費の大部分を占めるような場合、本カードにポイントが多く貯まります。
年会費31,000円(税別)、追加カードは1枚につき年会費12,000円(税別)と、年会費は高いのですが、ポイント還元や付帯サービスの内容で、年会費以上のメリットがあるためおすすめです。
コスパ最強のプラチナカード
「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(以下、セゾンプラチナビジネス・アメックス)のETCカードは、年会費無料かつ1枚のクレジットカードに対して5枚まで発行可能です。
- 最短3営業日というスピード発行
- ゴールドカード並の年会費で持てるプラチナカード
- 海外旅行や出張に強く、ポイントも貯まりやすい
年会費は初年度無料で、2年目以降は20,000円(税別)となっておりますが、年間200万円以上のショッピング利用で翌年は半額の10,000円(税別)となります。
もちろん、プラチナカードとしてプライオリティ・パスを含むラウンジサービスや、海外・国内旅行傷害保険も自動付帯されています。
JALマイル(還元率1%)と永久不滅ポイント(還元率0.25%)がダブルで貯まる特典も含め、非常にコスパに優れたプラチナカードと言えるでしょう。
低ランニングコストでおすすめのカード
低ランニングコストでおすすめの法人向けETCカードは以下の通りです。
-
本カードの年会費無料で高還元
「NTTファイナンス Biz レギュラーカード」 -
年1回以上の利用で無料
「三井住友ビジネスカード for Owners」 - ポイント還元率が高く経費削減に貢献「楽天ビジネスカード」
それぞれランニングコストはどの程度なのか、順番に見ていきましょう。
本カードの年会費無料で高還元
「NTTファイナンス Biz レギュラーカード」
NTT ファイナンス Biz レギュラーカードは、法人カードには珍しく本カードの年会費が無料です。さらに、追加カードも従業員数分年会費無料で作成できます。
ETCカードについてのみ1枚につき500円の年会費はかかるものの、基本的に法人カード本体の年会費が2,000円~50,000円であることを考えると、かなりコスト低く利用できるETCカードです。
また、年会費無料にもかかわらず、還元率は法人カードとしては最高レベルの1.0%と高還元なので、とりあえず作っておいて損はないでしょう。
※興味のある方は、「お申し込みはこちら」から資料請求をすることも可能です。
年1回以上の利用で無料
「三井住友ビジネスカード for Owners」
年会費1,250円(税別)、追加カードは年会費400円(税別)と低ランニングコストの「三井住友ビジネスカード」。
ETCカードは年会費500円(税別)ですが、年に1回以上の利用があれば無料になるため、実質ETCカード分のランニングコストは無料です。
ポイント還元率が高く経費削減に貢献
「楽天ビジネスカード」
ETCカードは、1枚目の発行は無料で2枚目以降は500円(税別)かかります。
枚数制限なく発行できるため、従業員一人一人が所持することができます。
楽天ビジネスカードはポイント還元率が1%と高く(平均0.5%程度)、備品等の購入に楽天市場を利用すると、さらにポイントが付与されます。
楽天ビジネスカードは、個人用「楽天プレミアムカード」の追加カードという形での発行になるため、2枚セットで保有する必要があります。
プライベート用とビジネス用のカードとして所有することができるので便利です。
新規起業の個人事業主が作りやすい法人向けETCカード
新規企業したばかりの個人事業主は、提示できる事業の実績がないため、クレジットの法人カードの審査は通りにくい傾向にあります。
そんな個人事業主でも作りやすい法人向けのETCカードは以下の通りです。
それぞれの特徴について説明します。
ポイント還元率が高い
「オリコ EX Gold for Biz」
オリコ EX Gold for Bizは、個人事業主向けの「Orico EX Gold for Biz S」と、法人代表者向けの「Orico EX Gold for Biz M」もあります。
個人事業者向けの場合は追加カードの発行は不可ですが、法人代表者向けについては、追加カードは3枚発行追加することができ、カード1枚につきETCカード1枚を年会費無料で発行することが可能です。
どちらのタイプもおすすめの理由は以下の3点になります。
- ポイント還元率最大1.1%、ETCカードを作成できる法人カードとしては最高レベル
- 手数料無料の支払方法が3種類あり、でキャッシュフローの改善に役立つ
- 年会費は2,000円(税別)と安い
オリコ EX Gold for Bizには「暮らスマイル」というポイント還元制度があります。
ただ、通常のポイント還元率は0.5%とそれなりです。
しかし、年間利用額が200万円を超えると翌年から還元率が0.6~1.1%となり、法人カードの中でも屈指の還元率となります。
また、手数料無料の支払方法が、1回払い、2回払い、据置一括払いの3種類あり、キャッシュフローの改善に役立てられる点もおすすめポイントです。
起業したばかりの個人事業主にも積極的な
「ライフカードビジネスライト」
起業したばかりの個人事業主にも積極的に発行していることを公式サイトでも謳っている「ライフカードビジネスライト」もおすすめです。
決算書は不要で本人確認資料があればOKで、ETCカードも1枚だけですが作成できます。
年会費も無料でランニングコストも不要です。ただし、付帯保険・空港ラウンジ・ポイントサービスはありません。
これらのサービスも希望するなら、年会費10,000円(税別)のゴールドカードがおすすめです。
クレジット機能がないため審査は最低限
「法人ETCカード」
「法人ETCカード」は、高速情報協同組合が発行するクレジット機能のないETCカードです。
クレジットカードのような審査がいらないのが最大のメリット。過去有料道路の支払いでトラブルを起こしていないかなど、最低限の審査でETCカードが所持できます。
最高で4枚までしか発行されませんが、車載器さえあればレンタカーでも使用できるなど、起業して間もない個人事業主に使いやすい仕様です。
とりあえず法人ETCカードを使って事業の実績を積み上げ、他の法人向けETCカードへの切り替えを目指す、という使い方がおすすめです。
事業規模が大きい場合におすすめのETCカード(法人向け)
ここでは、事業規模が大きく、たくさんの枚数が発行できるおすすめの法人向けETCカードを紹介します。
無制限にETCカードを作れる
「JCB法人カード」
「JCB法人カード」(一般カード)は、年会費1,250円(税別)の低ランニングコストに加えて、ETCカードの発行枚数に制限がなくETCカード自体の年会費は無料という点が大きな特徴です。
所定の審査があり、希望通りの枚数が発行できない場合もありますが、事業の実績が示せる大規模な企業なら問題はないでしょう。
またそういった企業の場合、発行枚数に制限がない点が非常に助かります。
99枚までETCカードを作れる
「UC法人カード」
「UC法人カード」は、1枚当たり年会費1,250円(税別)で発行できる法人カードで、ETCカードの発行が99枚まで可能です。
ETCカード自体には年会費がかからないため、気兼ねなく枚数を増やすことができます。
大口・多頻度割引に適した
「ETCコーポレートカード」
「ETCコーポレートカード」はクレジット機能を持たない法人向けETCカードのひとつで、通常のETC料金の時間帯割引などに加えて、大口・多頻度割引制度を採用していることが大きな特徴です。
大口・多頻度割引とは、ETCシステムの利用により高速国道などの通行料金の割引制度以下のような条件での割引で、「一般有料道路の大口・多頻度割引」と「高速国道の大口・多頻度割引」があり別々に計算されます。
-
車両単位割引:
車両単位で1ヵ月の割引対象一般有料道路(※1)・高速国道のETC利用料金と割引率
5,000円~1万円の場合:10%(20%)(※2)
1万円~3万円の場合 :20%(30%)(※2)
3万円以上の場合 :30%(40%)(※2)
【参考】東/中/西日本高速道路株式会社「ETCコーポレートカード利用案内書」
-
契約者単位割引:
上記の車両単位割引に加えて、 契約者単位の利用額に応じた割引
1ヵ月の利用額が500万円以上かつ車両単位の平均利用額が3万円を超える場合、契約者単位の合計利用金額から10%割引
【参考】NEXCO東日本公式サイト「ドラぷら」
※1 NEXCO東日本/中日本/西日本が管理する一般有料道路のうち、大口・多頻度割引の対象としている道路
※2 ( ):ETC2.0を使用する事業用車両(注)に限り適用される割引率。(令和3年〔2021年〕3月末で)
(注)道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第58条に定める自動車検査証において道路運送車両法施行規則(昭和26年運輸省令第74号)第35条の3第1項第13号について事業用と区別、又は道路運送車両法施行規則第63条の2に定める軽自動車届出済証において事業用と区別されているETC2.0搭載車両。 |
通常のETC割引(深夜割引、休日割引)と大口・多頻度割引は重複適用可能ですが、平日朝夕割引は重複適用できないので注意してください。
また、よく利用するガソリンスタンドがある場合は、「ENEOS BUSINESS」(エネオスビジネス)や「出光法人専用カード」などの法人ガソリンカードを選択肢にいれるとよいでしょう。
法人ガソリンカードについての詳細は、下記記事でご確認ください。
【参考記事】
法人ガソリンカードでガソリン代をお得に!選ぶ際のポイントとおすすめカードの紹介
ここまで、チェックポイント別におすすめの法人向けETCカードを紹介しました。
最後に、法人向けのETCカードを作るための方法について紹介します。大まかに分けて3パターンあるため、それぞれの手続きについて解説します。
ETCカード(法人向け)を作る方法3つ
ここでは、法人向けのETCカードを作成するために必要な方法として、以下の3パターンを紹介します。
-
法人カード+ETCカード(クレジット機能あり)
※一般的なクレジットカードにETCカードとしても利用ができるもの - 法人ETCカード(クレジット機能なし)
- ETCコーポレートカード(クレジット機能なし)
法人カード+ETCカード(クレジット機能あり)
何らかの方法で事業の実績を示せる場合は、クレジットカード会社の法人カード+ETCカードを作成する方法がおすすめです。
会社の経費を使うとポイントもついてお得なうえ、保証金も必要ありません。
法人カード+ETCカードを作成する際の手続きは簡単で、クレジットカード会社に所定の資料を添えて申し込むだけ。
審査通過後にカードが送られてきます。
ただし、起業間もない法人や個人事業主は、通常事業の実績を示すことが難しいため、審査に通過しない場合もあるでしょう。
その際は、前項にある「新規起業の個人事業主が作りやすい法人向けETCカード」や、下記に紹介するクレジット機能なしの法人向けETCカードを作成することを検討しましょう。
法人ETCカード(クレジット機能なし)
高速情報協同組合やETC協同組合などの組合が発行している「法人ETCカード」は、クレジット機能なしでETC料金の割引が受けられるカードです。
最大4枚まで発行でき車両を限定しないため、小規模で起業間もない中小規模企業や個人事業主に適しています。
申し込み方法は、高速情報協同組合の場合はFAXまたはインターネット経由のみです。
- 協同組合の公式サイトから申込書をダウンロード
- 必要事項を記入してFAXまたは申し込みフォームを送信
- 「ETCカード申請書」が返送されてくる
- その申請書に必要事項を記入、添付書類とともに返送
このとき、同時に出資金として1万円の振り込み(組合退会時返金)も必要です。
ETCコーポレートカード(クレジット機能なし)
ETCコーポレートカードは、
といった2択になります。
東/中/西日本高速道路株式会社に直接申し込む場合
後払い料金を保証するための金額として、1ヵ月の利用金額の4倍もの保証金を積む必要があります。
大口・多頻度割引は「高速国道の大口・多頻度割引」と「一般有料道路の大口・多頻度割引」があり、すべての高速道路・一般有料道路で適用されます。
各協同組合経由で申し込む場合
各協同組合経由で申し込む場合は、保証金を入れる必要がありません。必要なのは出資金の1万円のみ(組合退会時返金)です。
ただし、大口・多頻度割引は首都高速と阪神高速しか適用されません。
それぞれのメリットとデメリットを踏まえてどちらに申し込むかを決める必要があります。
保証金を積む余裕がなく、よく利用する道路が当てはまる場合は各経由で申し込み、全国の高速道路を利用し、保証金が払える場合は利用制限のない東/中/西日本高速道路株式会社に直接申し込むことをおすすめします。
また、ETCコーポレートカードはカード1枚につき登録車両のみになるため、追加でカードが必要な場合は、
- ETCコーポレートカード追加発行申込書
- ETC車載器セットアップ証明書
- 自動車検査証(写し)
- 窓口会社が必要と認める書類
を用意する必要があります。
各協同組合に加盟していると、ETCカードの発行やETCマイレージサービスの登録手続きなどいろいろとサポートしてくれます。
事業協同組合は全国に多数あるため、実績や比較サイトなどで確認してから利用するといいでしょう。
【参考】国土交通省公式サイト「ETCコーポレートカード取扱窓口問い合わせ先」
申請先は違いますが、申込書を取り寄せ、必要な情報と添付書類を収めて必要な金額を納入する、という手順はどちらも同じです。
また、ETCカードには有効期限があり、それを過ぎた場合は、料金所にてETCレーンの発進制御バーが開かなくなるため、必ず把握しておいてください。
【参考】NEXCO東日本公式サイト「ドラぷら:カード有効期限の確認方法」
ETCコーポレートカードについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
ETCカード(法人向け)は、作りたいと考えている人の事業内容や起業直後かどうかなどの状況により、最適なカードが異なります。
作成手順が簡単でポイントサービスや付帯保険などの特典も受けられる法人カードとセットのETCカードが作れれば何かと便利です。
しかし、起業間もない場合は審査に通過しにくい点がネックです。
起業間もない場合は、起業を応援すると明確に表明しているクレジットカード会社の法人カード、クレジットカードが不要な法人ETCカード、条件があえばETCコーポレートカードに申し込むとよいでしょう。
場合によってはETCコーポレートカードの発行も視野に入れましょう。
ETCカードの発行可能枚数も確認しつつ、自分に最適な法人向けのETCカードを選んでくださいね。
- 監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
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約80枚のクレジットカードを保有し、約130万円の年会費を支払っている。 一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。