ETCカードを紛失!必要な届け出や再発行の手順を徹底解説

ETCカードを紛失した場合、「どこに何を連絡すればよいの?」「新しいETCカードはすぐに発行してもらえるだろうか」など色々と心配になると思います。
そこで今回は、ETCカードの紛失・盗難の際の適切な対処方法をご紹介していきます。紛失時にまずすべきことから再発行の手続きまで具体的に解説するので、ETCカードを紛失してしまっても慌てず冷静に対処できるようになるはずです。
この記事の目次
ETCカードを紛失したら、ETCカードの利用停止をする
ETCカードを紛失したり盗難に遭ったりした場合、最初にするべきことはカードの利用停止手続きです。この章では、ETCカード紛失時の最初の対応について、以下の項目に分けて解説します。
- カード会社に電話で利用停止をする
- 利用停止受付の対応可能時間
- 利用停止時に必要になるもの
ひとつずつチェックしておきましょう。
カード会社に電話で利用停止をする
ETCカードの利用停止は、発行元であるカード会社に連絡すればすみやかに対応してもらえます。利用停止の手続きをしておけば、紛失したETCカードは使えなくなるので、他者による悪用を防ぐことができます。
なお、連絡先はETCカードのタイプによって異なるので、3つのタイプごとにご紹介します。
クレジットカード付帯のETCカードの場合
クレジットカードの追加カードとして持っているETCカードの場合は、各カード会社に電話で連絡しましょう。
カード会社には、会員がカードを紛失したときのための専用ダイヤルがあり、クレジットカードだけではなくETCカードの紛失についても相談できます。一般的な問合せをする連絡先とは別に、「紛失・盗難専用ダイヤル」などの名称で窓口が設けられているので、紛失に気づいたら早急に連絡してください。
ETCパーソナルカードの場合
クレジット機能が付いていない「ETCパーソナルカード」の場合は、ETCパーソナルカード事務局(044-870-7333)が連絡先です。
ETCパーソナルカードは全国の高速道路会社6社が共同発行しているカードで、この事務局は共通の窓口という位置づけです。高速道路会社ごとにも「お客さまセンター」がありますが、お客さまセンターは基本的に交通情報や通行料金などについての問合せ窓口なので、紛失時は事務局に連絡しましょう。
ETCコーポレートカードの場合
ETCコーポレートカードを紛失してしまった場合は、「ETCコーポレートカード取扱窓口」で利用停止の手続きができます。このカードは東/中/西日本高速道路株式会社が発行する法人向けのETCカードで、大口・多頻度割引制度が適用されます。
取扱窓口の電話番号は地域によって異なるため、下記で最寄りの支社の連絡先を確認しましょう。
また、個人で契約しているわけではないので、所属する各事業協同組合にも連絡しておく必要があります。
利用停止受付の対応可能時間
ETCカードの利用停止を依頼する窓口の受付時間は、カード会社などによって異なります。
前項でご紹介したタイプごとの受付時間は以下のとおりです。なお、クレジットカード付帯のETCカードは主なカード会社の受付時間を記載しています。
クレジットカード付帯のETCカード (カード会社の紛失・盗難専用ダイヤル) 24時間・年中無休 |
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ETCパーソナルカード事務局 | 9時〜17時(土日祝日、年末年始は除く) |
ETCコーポレートカード取扱窓口 | 9時〜18時(土日祝日、年末年始は除く) |
多くのクレジットカード会社では24時間・年中無休で受け付けているので、いつでも連絡することが可能です。ETCパーソナルカード事務局やETCコーポレートカード取扱窓口の場合は平日のみで受付時間も決まっていますが、営業時間外の場合は高速道路会社の「お客さまセンター」に連絡してみましょう。
利用停止時に必要になるもの
ETCカードの無効手続きの際は、本人確認や紛失日時・場所などを聞かれることがあるので、確認できるものがあれば手元に用意しておきましょう。
なお、登録している方はETCマイレージサービスについても利用停止手続きをする必要があります。任意なので関係ない方もいますが、登録している場合、放置していると不正利用のリスクがあるので下記事務局にすみやかに連絡しましょう。マイレージIDを用意しておくとスムーズです。
ETCマイレージサービス事務局 | 0570-010125 ※携帯電話・PHSの場合:045-477-3793 9時〜21時(土日祝日は9時〜18時) 自動音声ダイヤル:050-2015-1010(24時間受付) |
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ここまで、ETCカードを紛失した際の利用停止手続きについてチェックしてきました。この他、警察への届け出も必要なので、次章で詳しく解説します。
警察にも届け出をする
ETCカードを紛失したら、カードの利用停止手続きをするとともに警察署にも届け出ましょう。
「盗まれたわけではないから大丈夫」と思う人もいるかもしれませんが、多くのカード会社では、カードの紛失に気づいたら警察にも届け出るよう指示しています。「警察」と聞くと大げさな感じがしてしまいますが、ETCカードの紛失時は当然の対応として届け出をしてOKなのです。
そこで、この章では警察に届け出る方法や、なぜ届け出が必要なのかをお伝えしていきます。
電話で届け出をしておく
ETCカードを紛失したことを警察に届け出る際は、まず電話で一報を入れておきましょう。連絡先は最寄りの交番や駐在所でも構いませんが、紛失した場所が特定できる場合は、そのエリアを管轄する警察署などに連絡した方がよいです。
通常、落としものなどをすると「遺失物届出書」を作成する必要があるので、基本的に警察署や交番まで出向く必要があります。でも、すぐに行けない場合などは対応が遅れてしまうので、取り急ぎ電話で連絡しておくことをおすすめします。警察署によっては電話による届け出も受け付けています。そうでない場合は指示に従いましょう。
電子申請による届け出も可能
パソコンから電子申請によって届け出ることもできます。インターネット環境や連絡がとれるメールアドレスが必要ですが、電子申請を利用すれば自宅で手続きを済ませることができて便利です。
また、遺失届出書の書式は警視庁のホームページからダウンロードできるので、あらかじめ作成したものを最寄りの警察署や交番に持参しても構いません。
紛失後に悪用される場合がある
ETCカードを紛失すると、他人に悪用されるリスクがあります。自分がうっかり落としてしまった場合でも、悪意のある人に拾われてしまったら不正利用されるおそれがあるので要注意です。
クレジットカード会社が発行するETCカードには、クレジットカードとETCカードが別々に発行されるタイプと、一体になっているタイプがあります。分離しているタイプの場合、ETCカードを紛失してもクレジット機能を不正に使われることはないものの、有料道路の通行に使われてしまうかもしれません。
クレジットカードとETCカードの機能が一体化したカードの場合は、クレジット機能も悪用されるリスクがあり、被害が大きくなる可能性があります。
不正利用を防ぐために警察への届け出が必要
警察への届け出は、不正利用による被害を最小限に抑えるためにも必要です。なぜなら、クレジットカードに付帯するETCカードの場合、警察に届け出をしていないとカード会社による補償が得られない可能性があるからです。
通常、クレジットカードには盗難保険が付帯されているため、紐付いているETCカードを不正利用されたとしても、損害を補償してもらえます。
補償の基準はカード会社によって異なりますが、紛失・盗難の届け出をした60日前までさかのぼり、それ以降の損害について補償されるのが一般的です。この場合の届け出はカード会社に対してですが、補償対象として認められるには、警察署への届け出が必要であることを公式サイトに明記しているカード会社もあります。
また、警察に届け出をしておけば、不正利用が本人ではなく第三者によるものであることを証明しやすくなるので、紛失時は必ず警察にも申し出ましょう。
車載機からの抜き忘れは補償の対象外
ETCカードを車載機に挿入したままにしていて紛失・盗難に遭った場合は、補償の対象とならない可能性があります。
ETCカードはクレジットカードのように会員本人が保管・管理するのが基本です。でも、実際は車に乗るたびにETCカードを挿入するのが面倒で、車載機に入れっぱなしという方もいるのではないでしょうか。
その場合、車上荒らしに遭ってカードを盗まれたとしても、本人の過失とみなされ、不正利用分も本人に請求される可能性があるのです。
車内への置き忘れについても同様なので、ETCカードは日頃から手元で管理するようにしましょう。
この章では、ETCカードを紛失したときに警察へ届け出る方法や重要性について確認してきました。最後の章では、ETCカードの再発行手続きについて解説します。
利用停止の後は再発行の手続きをする
紛失したETCカードの利用停止の手続きが済んだら、新しいETCカードを発行してもらいましょう。
再発行の手続きの窓口は、基本的に利用停止の手続きをしてくれるところと同じなので、違う番号にかけ直す必要はありません。通常、ETCカードを紛失したことを伝えたら、利用停止の件とともにオペレーターから再発行するかどうかを聞かれます。
なお、クレジットカードの再発行を24時間対応のWEBサービスで受付けているカード会社もありますが、ETCカードの紛失による再発行には対応していない場合があるので注意してください。
では、手順や必要なものなど再発行の手続きについて、より詳しく確認していきましょう。
再発行の流れ・再発行に必要なもの
ETCカードの再発行の基本的な流れは以下のとおりです。
- 担当窓口のオペレーターにETCカードの再発行を依頼する
- 再発行手数料を支払う
- 新しいカードが届く
クレジットカードに付帯するETCカードの場合、再発行の際に特別必要となる書類などはありませんが、再発行手数料がかかることがあります。料金はカード会社によって異なりますが、一般的には1,000円程度です。手数料を支払うタイミングや支払い方法についてはオペレーターの指示に従いましょう。
なお、再発行にあたっては審査が行われることもあります。審査といっても利用状況などの履歴に問題がないかをチェックする程度のようなので、支払いの延滞などがなければスムーズに再発行してもらえます。
新しいETCカードが届くまでは1〜2週間程度かかります。
ETCカードの再発行時の留意点
ETCカードが無事に手元に届けば、またETCを利用できるようになりますが、再発行にあたっては留意すべき点もあります。
特に気をつけておきたいのは、再発行されたカードのカード番号と、紛失したカードが見つかった場合の対処方法についてです。以下の項目で詳しくご説明するので確認してください。
カード番号は変更される
ETCカードを再発行すると、紛失したカードとは異なるカード番号に変更されます。
そのため、ETCマイレージサービスを利用している場合は、カード番号や有効期限などを改めて登録する必要があります。登録手続きはインターネットまたは書面でできるので、詳細は上記でご紹介したETCマイレージサービス事務局に問い合わせてください。
新たなカード番号を登録しないでいると、新しいETCカードで有料道路を通行してもポイントが加算されないので、忘れずに手続きしましょう。
紛失したカードが見つかったら廃棄する
カード会社などに連絡をした後に紛失したカードが見つかったら、すみやかに廃棄してください。カードが見つかった時点ですでに紛失の連絡が済んでいる場合、そのカードは利用停止の処理がされているので使えません。
新旧のETCカードが2枚あると紛らわしいですし、誤って失効したETCカードを車載機に挿入してしまうと、料金所の通行ゲートが開かず事故の原因になるおそれもあります。混在しないよう、古いカードはハサミなどで裁断した上で廃棄しましょう。
まとめ
この記事では、ETCカードを紛失したときの対処方法について解説してきました。ポイントをおさらいしましょう。
- クレジットカード付帯のETCカードを紛失したら、まずカード会社の専用窓口に電話をしてカードの利用停止処理をしてもらう
- ETCパーソナルカードやETCコーポレートカードの場合は、それぞれの事務局・窓口に連絡する
- 盗難や不正利用の有無にかかわらず、紛失したら警察にも届け出が必要
- ETCカードの再発行には手数料がかかることがある
ETCカードを紛失すると慌ててしまうかもしれませんが、適切に手続きすれば不正利用などの被害を防ぐことができますし、新しいカードも再発行してもらえます。
実際にETCカードを紛失して困っている方は、すみやかにカード会社や警察に連絡をして利用停止や再発行の手続きを進めましょう。ETCカードを利用中の方は、万が一に備えてカード会社の連絡先などをチェックしておくことをおすすめします。