夫婦で活用したいクレジットカードの使い方とおすすめのカード5選
監修者:夢のかけはし株式会社 秋口千佳
夫婦でクレジットカードを選ぶパターンとして、それぞれが自分用のカードを持ったうえで家計費などの共用経費を決済するカードを作るケースがあります。
また、自分用のカードは持たずにすべてを共用にするケースもあるでしょう。
さらに、自分用のカードを複数持ったり、共用カードを用途別に分けるなどで複数作ったりするケースも考えられます。
どのパターンを選ぶかはカードの使い方によるところが大ですし、クレジットカードごとの特徴や使い勝手も考慮して選ぶことになります。
この記事では、夫婦でクレジットカードを活用する最適な方法を見つけるための考え方と、夫婦におすすめのクレジットカード5選を紹介します。
この記事の目次
- 夫婦のクレジットカード選択で考慮すべきはカードの使い方
- それぞれの趣味に適したカードを使う
- クレジットカードを使いたい支出項目
- 家族カードを選ぶか別のカードにするか
- 会社が導入するコーポレートカードの存在
- 家族カードを持つメリット
- 家族カードは本会員のカードに付帯するカード
- ポイントもまとめて貯まる
- 家族カードのデメリット
- 家族カードは本会員カードの影響を受ける
- 利用可能枠が増えるわけではない
- 夫婦で別のクレジットカードを使うメリット
- お互いのカードに影響されない
- 利用可能枠がそれぞれに設定される
- 各自に最適なカードを選択できる
- 夫婦で別のクレジットカードを使うデメリット
- 2人分の利用可能枠で使いすぎる可能性あり
- 年会費の負担が大きくなる
- 夫婦で使いたいおすすめのクレジットカード5選
- アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
- dカード GOLD
- JCBゴールドカード
- 楽天プレミアムカード
- イオンカードセレクト
- まとめ
夫婦のクレジットカード選択で考慮すべきはカードの使い方
夫婦のクレジットカードを選ぶ際には、各自のカードと共通のカード、用途別のカードといった使い分けをするかしないかで選択肢が変わり得ます。
そのため、カードの使い方を明確にすることが重要です。
ちなみに、クレジットカードを使用できるのはカードの名義人だけとなっているため、1枚のカードを夫婦で使いまわすことはできません。
夫婦で1枚のカードを使う場合は、夫か妻どちらかの名義でカードを持ち、どちらの買い物であっても名義人が利用することになります。
それぞれの趣味に適したカードを使う
クレジットカードをお得に使う場合、使いたい場面で問題なく使えることと、利用する場面ならではのメリットがあることは外せない要素となります。
たとえば、趣味の分野で利用するとポイントが増量されたり、優待利用できたりといったカードがある場合は、夫婦で別々のカードを使うとよいでしょう。
もちろん、趣味が共通なら同じカードを2人とも持つという選択もあります。
クレジットカードを使いたい支出項目
個別の利用ではなく夫婦共通の支出をする場合、クレジットカードを使いたい項目をピックアップしておくとよいでしょう。
そのうえで、支出項目ごとにカードを分けておけば、費用の見える化が進み家計の改善に有用です。
ただし、カード枚数が増えることで逆に管理が面倒になるというケースも考えられるため、夫婦2人の性格も考慮して判断しましょう。
支出項目でカードを分けても分けなくても、それぞれにお得なカードを比較することで、よりよいカード選びにつながります。
固定費の支払
毎月発生する家賃や電気代、通信費などの固定費は金額が決まっていたり、一定の範囲に収まったりするものです。
そのため、予想外の出費にはなりにくく、クレジットカード決済しやすい支出項目といえるでしょう。
公共料金や税金などもカード決済できるものが増えています。
固定費専用のカードと決済用の銀行口座を用意し、まとまった残高があればしばらくは何もしないで支払いを完了できます。強いて言えば残高不足に注意するだけです。
また、固定費全体ではある程度まとまった利用金額になるため、還元率の差でお得度が大きく違ってきます。
固定費の支払いでポイント還元率の低いカードは避けた方が無難です。
日常的な買い物とネット決済の頻度
日常的な買い物でカード利用をするなら、利用頻度の高いスーパーのカードや提携カードが便利です。
通常ポイントだけでなくボーナスポイントや特定日のポイントアップといったお得さがあります。
イオンカードなどが有名です。
ネットで買い物をする機会が多いなら、よく利用するサイトのカードを持っておくとよいでしょう。
ポイントが貯まりやすい楽天カードなど、主要サイトにはオリジナルのカードがあります。
イベントで使う可能性
イレギュラーなイベントなどの決済に使用するなら、利用可能枠の大きなカードが望ましいといえます。
とくに海外旅行などは出費も大きく、夫婦2人分となると結構な額になるでしょう。
また、旅行なら空港ラウンジやチケット予約サービスといった付帯サービス、旅行傷害保険などの付帯保険についても吟味したいところです。
ちょっとしたお出かけやデートには飲食店などの優待サービスが役立ちます。
家族カードを選ぶか別のカードにするか
クレジットカードを使えるのは名義人だけという話をしましたが、一方の配偶者が持つカードを他方の配偶者も使いたい場合、家族カードを利用する手があります。
家族カードを発行すれば、夫婦2人ともカードを携帯することが可能です。
会社が導入するコーポレートカードの存在
勤務先の会社が従業員の福利厚生も兼ねてコーポレートカードを導入しているケースがあります。
利用代金は名義人である従業員が支払うものの、年会費を会社が負担するためその部分ではお得です。
さらに、使いたいサービスがあり、負担なしや優待価格で使えるなら他のカードを選ぶ必要がなくなるかもしれません。
次の章では、家族カードのメリットについて解説します。
家族カードを持つメリット
家族カードは、カードの使い分けの有無にかかわらず、名義人がいないときに名義人が持つカードを使う必要が生じた場合に威力を発揮します。
また、どちらか一方が主婦または主夫として家にいて、カードを持ち歩く場面が限定される夫婦にも向いているのが家族カードです。
家族カード会員には大きく分けて2つのメリットがあります。
本会員の資格を活かせる点とポイントを貯めやすい点です。
家族カードは本会員のカードに付帯するカード
家族カードはクレジットカードの本会員カードに付帯して発行される家族用の追加カードです。
そのため、本会員カードと同じように使うことができます。
カードにもよりますが、付帯サービスも本会員カードに準じて利用可能です。
また、多くのカードで旅行傷害保険は本会員カードと同様か多少劣る内容で付帯します。
年会費は本会員カードよりも安く、審査についても本会員の資格をベースに発行されるため、基本的には行われないのが一般的です。
つまり、よほどのことがなければ発行されるのが家族カードであり、カードを持ちにくい人でもカードユーザーになれるアイテムといえます。
ポイントもまとめて貯まる
家族カードの利用で付与されるポイントは、本会員カードのポイントと合算されるのが一般的です。
つまり、ポイントが貯まりやすく交換するアイテムの選択肢も広がります。
次の章では、家族カードのデメリットについて解説します。
家族カードのデメリット
家族カードにはメリットと表裏の関係となるデメリットも存在します。
家族カード会員が独立した資格ではないことによる2つの大きなデメリットを確認したうえでの判断が必要です。
家族カードは本会員カードの影響を受ける
本会員カードに付帯するカードである家族カードは、本会員カードに生じたマイナスの影響を受けます。
具体的には、本会員カードが利用停止や解約になれば家族カードも使えなくなるのが通常の扱いです。
利用可能枠が増えるわけではない
本会員カードの発行基準をベースにしている家族カードには、独立した利用可能枠が設定されるわけではありません。
たとえば、本会員カードの利用可能枠が100万円の場合、家族カードも含めて100万円までの利用が可能となっています。
したがって、本会員カードで100万円を使い切っていれば、家族カードを利用しようとしても残高不足となって使えません。
次の章では、夫婦で別のクレジットカードを使うメリットについて解説します。
夫婦で別のクレジットカードを使うメリット
夫婦がそれぞれ別のクレジットカードを持つメリットを端的に表現するなら、相手のカードを考えなくてもよいことだといえるでしょう。
夫婦2人とも外で働いているなら、自分用のカードがあった方が便利だといえます。
この場合、利用の自由度という点で家族カードよりも別のカードの方が適している可能性が大です。
具体的なメリットは大きく3つあり、独立したユーザーとして各々の独自性を活かせるものとなっています。
お互いのカードに影響されない
別々のカードを持つためには、まったく異なる申し込みをそれぞれが行います。
したがって、審査も別です。
また、仮に一方のカードで延滞や利用停止があったとしても、他方のカードには関係がありません。
利用可能枠がそれぞれに設定される
まったくの別契約であるため、利用可能枠もそれぞれの審査内容に応じて設定されます。
当然、相手のカードでいくら使っていても自分のカードの枠が減ることはありません。
各自に最適なカードを選択できる
家族カードが本会員カードのサービス内容を踏襲するのに対し、別のカードを選択すれば各自に最適な内容のカードを持つことが可能です。
すでに述べたように、趣味に応じてお得なカードを選ぶのもよいでしょう。
次の章では、夫婦で別のクレジットカードを使うデメリットについて解説します。
夫婦で別のクレジットカードを使うデメリット
夫婦で別のクレジットカードを使う場合のデメリットもチェックしておきましょう。
注意すべきデメリットは大きく2つあり、どちらも家庭の経済状況に関わるものです。
2人分の利用可能枠で使いすぎる可能性あり
それぞれに利用可能枠があるため、合計するとかなりの高額になるケースもあるでしょう。
とくに、2人とも職業をもって稼いでいる場合はそれぞれの利用可能枠も大きくなりがちです。
計画的に使わないと使いすぎで慌てることになるかもしれません。
年会費の負担が大きくなる
家族カードの年会費は基本カードより安く、1枚目は無料というカードもすくなくありません。
しかし、別のカードを持てばそれぞれに本会員カードの年会費がかかります。
ランクの高いカードであれば、年会費の負担も馬鹿になりません。
最後の章では、夫婦で使いたい人気のおすすめカードを5枚紹介します。
夫婦で使いたいおすすめのクレジットカード5選
夫婦で使いたい・使えるカード、人気の高いおすすめのクレジットカード5選を紹介します。
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、社会人としての高いステータスと使えるスペック、付帯サービスで評価の高いカードです。
■主要データ
国際ブランド | アメリカン・エキスプレス |
---|---|
年会費 | 29,000円(税別) |
家族カード年会費 | 1枚目は無料で2枚目から1枚につき12,000円(税別) |
利用可能枠 | 一律の設定はなくユーザーに応じて柔軟に設定 |
主要付帯サービス | H.I.S.アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク、手荷物無料宅配サービス、プライオリティ・パス、キャンセル・プロテクション、ポイントプログラム「メンバーシップ・リワード」 |
旅行傷害保険 傷害死亡・後遺傷害 |
国内・最高5,000万円 |
海外・最高1億円 |
アメックスならオンラインで入力した金額の決済が可能かどうかを確認できるため、大きな決済を予定している場合は事前に可否をチェックできます。
また、デポジットにより無理なく大型の支払いをカード決済することも可能です。
dカード GOLD
dカード GOLDはNTTドコモが発行するゴールドランクのクレジットカードです。
■主要データ
国際ブランド | Visa、Mastercard |
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年会費 | 10,000円(税別) |
家族カード年会費 | 1枚目は無料で2枚目から1枚につき1,000円(税別) |
利用可能枠 | 一律の公表範囲はなくユーザーごとに審査で決定 |
主要付帯サービス | 最大10万円のケータイ補償、空港ラウンジ、年間利用特典、ポイントプログラム「dポイント」 |
旅行傷害保険 傷害死亡・後遺傷害 |
国内・最高5,000万円 |
海外・最高1億円 |
NTTドコモのクレジットカードらしさを感じられるのが、ドコモの携帯電話料金で10%のポイントが貯まることです。
その他のドコモのサービスでも10%貯まります。
夫婦揃ってドコモユーザーなら見逃せないカードです。
JCBゴールドカード
JCBゴールドカードは、日本ブランドのクレジットカードとして高い人気を誇るゴールドカードです。
■主要データ
国際ブランド | JCB |
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年会費 | 10,000円(税別) インターネット入会なら初年度無料 |
家族カード年会費 | 1枚目は無料で2枚目から1枚につき1,000円(税別) 基本カードが無料なら家族カードも無料 |
利用可能枠 | 一律の公表範囲はなくユーザーごとに審査で決定 |
主要付帯サービス | 空港ラウンジ、ゴールド会員専用デスク、飲食店の優待利用、情報誌無料送付、ポイントプログラム「Oki Doki」 |
旅行傷害保険 傷害死亡・後遺傷害 |
国内・最高5,000万円 |
海外・最高1億円 |
年会費と比べて旅行傷害保険の補償が大きく、とくに海外旅行が好きな夫婦ならよりおすすめといえるカードです。
楽天プレミアムカード
楽天プレミアムカードはポイントアップのサービスが多く、楽天ポイントがドンドン貯まるカードです。
■主要データ
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス |
---|---|
年会費 | 10,000円(税別) |
家族カード年会費 | 500円(税別) |
利用可能枠 | 最高300万円 |
主要付帯サービス | トラベルデスク、プライオリティ・パス、各種ポイントアップサービス、ポイントプログラム「楽天ポイント」 |
旅行傷害保険 傷害死亡・後遺傷害 |
国内・最高5,000万円 |
海外・最高5,000万円 |
楽天市場の利用が多い夫婦には選択の可能性が高いカードといえるでしょう。
イオンカードセレクト
イオンカードセレクトは、イオングループでの買い物で圧倒的な威力を発揮するイオン銀行発行のカードです。
イオン系列ではポイント2倍で20日と30日に5%オフになるなどお得に使えます。
■主要データ
国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB |
---|---|
年会費 | 無料 |
家族カード年会費 | 無料 |
利用可能枠 | 一律の公表範囲はなくユーザーごとに審査で決定 |
主要付帯サービス | 各種ポイントアップサービス、ポイントプログラム「ときめきポイント」、ゴールドカードへの無料切り替えインビテーション、キャッシュカード機能、預金金利優遇 |
旅行傷害保険 傷害死亡・後遺傷害 |
なし |
利用可能枠の公表はありませんが、キャッシングサービスの融資額が1,000~300万円で利用可能枠内となっているため、ある程度は利用可能枠の範囲が推測できそうです。
イオンをメインに買い物する夫婦なら使い勝手がよいでしょう。
まとめ
夫婦のどちらか一方が家庭内を拠点として行動し、クレジットカード決済をする機会が少ないのであれば、家族カードの選択もあります。
しかし、自分らしいカードライフを考えるなら別カードを持つこともアリでしょう。
さらに、自分用のカードとして一般用と趣味などに特化したカードの2種類を持つ使い方もアリです。
どのようなカードの持ち方をしても、必ずメリットとデメリットが存在します。
その中で、よりメリットが大きいのはどれかを考えることが重要です。
ただ、キャッシュレス社会が進む中にあって、カードの使い分けが当たり前になりつつあるともいえます。
- 監修者:夢のかけはし株式会社 秋口千佳
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大学院卒業と同時に税理士事務所に就職し、経営者の相談に応じていた。税金のことだけでは経営書の力になれないことを実感し、お金に関する悩み相談のスペシャリストであるCFP@を取得。その後に起業・独立。個別相談を中心に、お子様へのお小遣いセミナーから高齢者向けの相続セミナーまで、幅広い年齢層に向けて、お金に関する勉強会を開催しています。