マイナポイント事業とは?使える決済サービスとおすすめのクレジットカードも紹介
監修者:ファイナンシャルプランナー 稲村優貴子
2020年6月で「キャッシュレス・消費者還元事業」が終了するため、キャッシュレス決済を対象としたポイント還元はなくなってしまいます。
今後の負担増加に困っているという方も多いのではないでしょうか。
そこで注目したいのが、2020年9月から始まる「マイナポイント事業」です。
マイナポイント事業もキャッシュレス決済を対象にした施策ですが、ポイントの還元を受けるためには、所定の手続きが必要になります。
本記事では、主に以下について詳しく説明していきます。
本記事のポイント
マイナポイントの活用におすすめのクレジットカードもご紹介しますので、マイナポイント事業について詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
マイナポイントとはキャッシュレス決済の利用で国から付与されるポイント
マイナポイントは、国が実施する消費活性化策「マイナポイント事業」で還元されるポイントです。
マイナポイント事業は、以下の2つを目的として実施されます。
- マイナンバーカードの普及促進
- キャッシュレス決済の普及促進
なお、マイナポイント事業は「2020年9月から2021年3月末まで」の期間限定で行われる施策です。
マイナポイントの仕組み
マイナポイントは、キャッシュレス決済事業者への前払いなどによって取得することができます。
ただし、ポイントは国から付与されるわけではなく、キャッシュレス決済事業者を通して利用者に付与されます。
※マイナポイント還元のイメージ
マイナポイントの還元対象となる決済事業者は、主に以下です。
- d払い
- PayPay
- メルペイ
- au PAY
- nanaco
- Suica
- PASMO
- FamiPay
- 楽天Edy
- WAON など
「マイナポイント」というポイントは存在しないので、勘違いしないようにしましょう。
還元されるポイントは「各決済事業者のポイント」です。
d払いであれば、還元されるポイントは「dポイント」となります。

d払い
株式会社NTTドコモ付与率と上限
2万円までのチャージや支払いに対して、5,000円相当分のポイントが付与されます。
付与率は25%です。
対象となる金額は上限20,000円のため、付与される上限は「ひとりあたり5,000円」となります。
リミットはあれど25%という高い還元率のクレジットカードやキャッシュレス決済サービスはないので、利用する価値は十分にあるでしょう。
次の章では、マイナポイントを受け取るために必要な手続きの流れを、詳しくご紹介します。
マイナポイント還元の手続き方法
この章では、主に以下について解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
手続きに必要なもの
マイナポイントを取得するには、以下の2つが必要です。
- マイナンバーカード
- マイキーIDの発行
マイナンバーカード
マイナンバーカードとは「マイナンバーが記載されたプラスチック製のカード」です。
紙に印字された「通知カード」とは異なるので注意してください。
マイキーIDの発行
マイキーIDは、マイナポイント還元時に本人であることを証明するIDです。
続けて、手続きの具体的な流れを見ていきます。
手続きの流れ
マイナポイントの還元を受けるための流れは以下のとおりです。
マイナンバーカードを取得する
マイキーIDを発行する
キャッシュレス決済サービスを選択する
チャージや決済金額に応じてポイントが付与される
手続き完了後は、キャッシュレス決済サービスの変更ができないので、注意してください。
マイナンバーカードの取得方法
マイナンバーカードは、通知カードに同封されていた「個人番号カード交付申請書」に必要事項を記載して申請、入手します。
交付申請書を紛失したり、住所の変更があったりした場合は、自治体の窓口で交付申請書を再発行してもらいましょう。
マイナンバーカードには、マイナポイントの取得以外にも、日常生活で役立つメリットがあります。
- コンビニでも住民票や印鑑証明書が入手できる
- 電子確定申告ができる
- オンラインでの様々な本人認証に役立つ
マイナンバーカードを所有していないという方も、この機会にマイナンバーカードを作成してみてはいかがでしょうか。
マイキーIDの登録方法
マイナンバーカードを取得したら、以下のいずれかの方法でマイキーIDを発行しましょう。
PCから発行する方法
PCを使う場合は、総務省の「マイキープラットフォーム」からマイキーIDを発行します。(※)
※PCからマイキーIDの作成を行う場合は、「Internet Explorer 11」からアクセスしてください。
発行には、「マイキーID作成・登録準備ソフト」が必要になるため、マイキープラットフォーム上からダウンロードしておきましょう。
発行の流れは以下のとおりです。
ICカードリーダライタでマイナンバーカードを読み取る
マイナンバーカードの受け取り時に設定した暗証番号を入力する
発行完了
PCからの手続きをするためには「ICカードリーダライタ」を用意しなければいけませんが、すでに所有している方なら、スムーズな発行が実現するでしょう。
スマホから発行する方法
専用アプリ「マイナポイント」をダウンロードして、アプリ上から発行します。
ICカードリーダライタは不要ですが、専用アプリが使えるのはiPhone7以降に限られるので注意が必要です。
発行の流れは以下となります。
アプリを起動してマイナンバーカードを読み取る
マイナンバーカードの受け取り時に設定した暗証番号を入力する
「発行」をタップする
発行完了
とくに難しい手続きは必要ありません。
マイナポイント手続きスポットを利用する
市区町村窓口やコンビニなど、全国9万カ所に設置される「マイナポイント手続スポット」でも、マイキーIDの発行とキャッシュレス決済サービスの選択が可能です。
次の章では、取得したマイナポイントの使い方を紹介します。
マイナポイントの使い方
取得したマイナポイントは、ショッピングなどの決済に利用できます。
ただし、マイナポイントは国から付与されるわけではなく、キャッシュレス決済事業者を通して還元されるため、マイナポイント申込時に選択したキャッシュレス決済事業者以外での利用はできません。
次の章では、マイナポイント還元の対象となっているおすすめのクレジットカードを5枚ご紹介します。
マイナポイントが使えるおすすめのクレジットカード5選
この章では、マイナポイント還元の対象となっているおすすめのクレジットカードを5枚ご紹介します。
還元されたポイントの使いやすさだけではなく、クレジットカードとして利便性にも注目して厳選しましたので、ぜひ参考にしてください。
ステータス性の高さが魅力「三井住友カード」
三井住友カードのショッピング利用に対して、マイナポイントが付与されます。
付与されるポイントは「Vポイント」です。
付与されるタイミング | 累積20,000円 |
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2万円利用時の付与上限 | 5,000ポイント |
Vポイントは、Google Playギフトコードや他社ポイントなどに交換することも可能です。
銀行系のクレジットカードなのでステータス性が高く、セキュリティも万全。
国際ブランドはVISAで、200以上の国や地域でカードを利用できます。
一般カードにも海外旅行傷害保険が自動付帯しているため、海外渡航の機会が多い方にもおすすめです。
年会費無料で高還元「オリコカード THE POINT」
オリコカードのショッピング利用に対して、マイナポイントが付与されます。
付与されるポイントは「オリコポイント」です。
付与されるタイミング | 毎月締翌々月に付与 |
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2万円利用時の付与上限 | 5,000ポイント |
貯まったオリコポイントは、ギフト券やギフトコード、マイルなどに交換できます。
JALとANAマイルへの移行手数料は無料です。
オリコカード THE POINTは年会費無料で還元率が1.0%と高いため、日常的にクレジットカードを使う方にも適しているでしょう。
電子マネーiDとQUICPayにも対応しているので、少額の支払いもスピーディーです。
即日発行も可能「エポスカード」
VISA加盟店でのエポスカードショッピング利用に対して、マイナポイントが付与されます。
付与されるポイントは「エポスポイント」です。
付与されるタイミング | 毎月締翌々月に付与 |
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2万円利用時の付与上限 | 5,000ポイント |
エポスポイントは、全国のマルイで支払いに利用することができます。
エポスVisaプリペイドカードにポイントを移行すれば、Visa加盟店での支払いにも充てられます。
全国共通ギフト券や航空マイル、他社ポイントなどへの移行も可能です。
エポスカードの年会費は無料で発行は最短即日。全国10,000店舗で使える優待や、1,000円から利用できるキャッシング機能も付いた利便性の高さも魅力です。
ネット通販に最適「楽天カード」
楽天カードの利用に対して、マイナポイントが付与されます。
付与されるポイントは「楽天ポイント」です。
付与されるタイミング | 利用金額の累積が2万円になった月の翌々月25日 |
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2万円利用時の付与上限 | 5,000ポイント |
楽天ポイントは「1ポイント=1円」として使えます。500円単位でなければ使えないカードも多いですが、楽天カードは1円単位での利用が可能です。
ポイントの活用幅も広く、以下のようなさまざまなシーンで使えます。
楽天グループで使う
楽天市場での買い物だけではなく、楽天ブックスや楽天トラベルでの支払いに使えます。
楽天ポイント加盟店で使う
街の楽天ポイント加盟店で現金の代わりに使えます。
マクドナルドや出光昭和シェル、ファミリーマート、ミスタードーナッツなどの多彩な加盟店があるので、普段使いにも役立つでしょう。
楽天Edyに交換する
「1ポイント=楽天Edy1円」として交換できます。
月々の支払いに使う
カード請求額の支払いにポイントを充てられます。
楽天カードは年会費無料でありながら、1.0%という高い還元率を実現しています。
楽天グループの決済でカードを使えば、還元率が最大16倍にアップするチャンスもあります。
毎日のショッピングに活躍「イオンカード」
イオンカードのショッピング利用に対して、マイナポイントが付与されます。
付与されるポイントは「WAON」です。
付与されるタイミング | 当月利用分を翌月末日頃 |
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2万円利用時の付与上限 | 5,000ポイント |
還元されたポイントは、カードに付帯するWAONでの利用に限られるため、イオンカードを申し込む時には必ず「WAON一体型タイプ」を選択しましょう。
WAONは、数多くの店舗で使える活用幅の広い電子マネーです。
イオンカードの年会費は無料。毎月20日と30日のイオン「お客様感謝デー」でカードを使えば5%オフになるほか、イオンシネマや提携カラオケ店での割引などの豊富な特典も付帯しています。
まとめ
今回は、マイナポイントを取得する方法や使い方、マイナポイントを活用できるおすすめのクレジットカードなどについて解説しました。
主な内容を改めて確認しておきましょう。
4つのポイント
- マイナポイントは国から消費者に還元されるポイント
- マイナポイント事業の実施期間は2020年9月から2021年3月末
- マイナポイントを取得するためには、マイナンバーカードとマイキーIDの発行が必要
- 発行上限は5,000ポイント
マイナポイント事業は期間限定で、取得できるポイントに上限があります。
しかし、還元率25%という高さは、マイナンバーカードやクレジットカードを新たに発行してでも、参加する価値があるでしょう。
- 監修者:ファイナンシャルプランナー 稲村優貴子
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現在FP For You代表としてメディア出演・相談・講演・執筆業務を行っている。年間500件の個別相談をこなし、20年以上のキャリアで教育資金・住宅資金・離婚カウンセリング等相談内容は多岐にわたる。