PiTaPaカードの賢い方を解説!メリット・デメリットをまとめ
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テキスト関西を中心に普及している交通系電子マネーとして、PiTaPa(ピタパ)があります。
PiTaPaは対象の交通機関や加盟店で利用できる、後払い式の電子マネーです。そのためベーシックカード以外のPiTaPaカードの、ほぼ全てがクレジットカードとしての機能も備えています。
現在50以上の交通機関がPiTaPaを導入しており、それぞれ独自の割引サービスを提供しています。PiTaPaカードはこれらの私鉄やバスに乗車できるだけでなく、これ1枚だけで各社の割引サービスを受けられるのが大きな特徴です。
またPiTaPaエリア外では、事前にチャージしておくことで相互利用エリアの鉄道も乗車可能になります。PiTaPaカードさえ持っていれば、ICOCAやSuicaなどの前払い式電子マネーを持たなくても全国の電車に乗れるのです。
PiTaPaは基本後払い式でありながら、用途によってはチャージが必要というやや特殊な電子マネーです。またクレジット機能を搭載した提携カードの種類が非常に多いので、どのPiTaPaカードを選べばよいのか、どう利用すればよいのか分からないという方も多いかもしれませんね。
ここではPiTaPaのメリット・デメリットを解説するとともに、おすすめのPiTaPaカードを紹介します。
トータルマネーコンサルタント
監修者新井 智美
福岡大学法学部法律学科卒業。
1995年4月 情報通信会社入社。
2006年11月 ファイナンシャル・プランニング技能士1級取得。
2017年10月 独立。
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆および監修も行い、現在年間200本以上の執筆および監修をこなしている。これまでの執筆および監修実績 は1,000本以上に及ぶ。
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レイク:融資とは?出資や投資との違いや種類についてわかりやすく解説
auじぶん銀行:資産運用について知っておきたいことまとめ!種類や方法、注意点を解説株式会社エイチームライフデザイン
編集者イーデス編集部
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PiTaPaについて
PiTaPaは交通系電子マネーの1つですが、他の交通系電子マネーとは異なりやや特殊な決済サービスです。
SuicaとICOCAが東西で相互利用が可能なように、PiTaPaも全国の相互利用エリアの鉄道に乗車できますが、いくつか注意すべき点があります。
新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
PiTaPaの特徴はポストペイ式(後払い式)のため、チャージが不要なことです。
ただし、最近拡大している相互利用エリアで利用するためには、プリペイド式となってしまうため、事前チャージが必要になる点を覚えておきましょう。
関西の私鉄から始まった交通系電子マネー
PiTaPaは元々、 関西の私鉄や市営交通などが提携してサービスを開始した交通系電子マネーです。 交通系電子マネーの多くがチャージ式であるのとは対照的に、PiTaPaは後払い式となっています。
事前にチャージを行わなくても、PiTaPaエリアでは乗車することが可能なのです。 PiTaPaは交通機関以外の事業者でも、積極的に導入されています。
例えばカフェならサンマルク、量販店ならヨドバシカメラなど、全国に展開しているチェーン店でも関西限定で導入しているお店が少なくありません。
これらはPiTaPaショッピング加盟店と呼ばれています。 また提携している店舗やサービスで決済すると独自の割引を受けられることもあります。
関西で暮らすならPiTaPaカードは必携と言っても良いくらい、交通利用だけにとどまらないお得な電子マネーなのです。
提携カードには独自の特典も付帯
PiTaPaは多数の提携カードが発行されており、ほとんどのPiTaPaカードがクレジットカードとしての機能も持っています。あるいはクレジットカードと2枚1セットで発行している事業者もあります。
提携カードは発行している会社ごとに独自の特典が付帯されています。クレジット決済でポイントを貯められるだけでなく、系列の交通機関の利用でもポイントを貯められるPiTaPaカードも多いです。
あまりにも種類が多いため自分にぴったりのPiTaPaカードを選ぶのは大変かもしれませんが、使いこなせると非常にお得ですよ。 まずはPiTaPaカード自体の割引サービスから確認してみましょう。
様々な運賃割引サービスが適用される
PiTaPaに加盟している交通機関はそれぞれが独自の割引サービスを提供しており、その割引はどのPiTaPaカードでも適用されます。 その割引サービスは大きく3つのタイプに分けられます。
- 利用額割引
- 利用回数割引
- 登録型割引サービス
利用額割引と利用回数割引については条件を満たせば自動的に適用されます。事前の申請などは不要で、PiTaPaで乗車するだけでOKです。 登録型割引サービスについては事前に申込みが必要です。
また申込にあたり一定の条件が設定されていることもあります。 ここではそれぞれの概要と、代表的な割引サービスについて簡単に紹介します。
新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
PiTaPaカードには1カ月の利用金額に制限が設けられている点もぜひ覚えておきましょう。
交通機関の利用:月15万円
ショッピング利用:月5万円(1日3万円)
ICE定期券購入:月20万円
利用額割引
利用額に応じて運賃の割引を適用するタイプは、大阪市交通局の地下鉄・ニュートラム・バスを始めとする30以上の交通機関で導入されています。 例えば大阪市営交通のフリースタイル(一般)は事前登録が不要で、毎月1回の利用から自動的に割引が適用されます。
1か月の利用額 | 実際の支払額 | 割引率 |
---|---|---|
~10,000円 | 利用額×0.9 | 10% |
11,000円 | 9,700円 | 約12% |
12,000円 | 10,350円 | 約14% |
13,000円 | 11,200円 | 約14% |
14,000円 | 12,050円 | 約14% |
14,010円~ | 12,050円+(利用額-14,000円)×0.75 | 約14%~ |
1,000円未満の端数については別途定められた料率をかけて加算します。例えば1か月で10,500円分利用したとすると、10,000円×0.9+500円×0.7=9,350円が実際の支払額です。
大阪市営交通では磁気カードの「回数カード」が3,000円で販売されていますが、こちらは3,300円分の利用が可能なので割引率は約9.1%です。最低でも10%割引かれるPiTaPa フリースタイルのほうが明らかにお得ですね。
また事前に登録が必要な「登録型割引サービス」に分類されますが、さらに割引率が高いフリースタイル(学生・シニア)、任意の登録駅と対象駅の区間について利用額の上限を設定するプレミアム(一般)、定期券をお持ちの方におすすめのマイスタイル(一般・学生)など利用スタイルに応じて様々な割引サービスを選べます。
対象交通機関:大阪市交通局、近畿日本鉄道、京都市交通局、京都バス、神戸市交通局、京阪バス、近鉄バス、南海バスなど
利用回数割引
利用回数割引は阪急電鉄や京阪電車など10の交通機関で採用されています。 一例として阪急電鉄の割引条件は以下のようになっています。
- 1か月に同一運賃区間を11回以上乗車
- 11回目から30回目は10%割引
- 31回目以降は15%割引
割引額などは交通機関によって異なりますが、概ね11回以上乗車すると割引運賃が適用されるようになります。
対象交通機関:阪急電鉄、京阪電車(京阪線)、南海電鉄、阪神電車、山陽電車、神戸電鉄、大阪モノレール、泉北高速鉄道、神戸高速、能勢電鉄
登録型割引サービス
事前に登録が必要な代わりに、大幅な割引を受けられるサービスも様々な交通機関で提供されています。
先ほども紹介した大阪市営交通を例に挙げると、フリースタイル(学生)は学生登録を済ませるだけで割引率が20%スタートになります。ものすごい割引率です。
特定の路線をよく利用する場合は、登録型割引サービスが提供されていないか調べてみると良いでしょう。
対象交通機関:大阪市交通局、阪急電鉄、京阪電車(京阪線)、近畿日本鉄道、大阪モノレール、能勢電鉄、阪堺電車、叡山電車など
基本的に後払い方式なのでチャージ不要
既に説明した通り、PiTaPaは後払い式の電子マネーです。
PiTaPaエリアの交通機関や、PiTaPaショッピング加盟店におけるPiTaPa決済はすべて後払いとなります。
しかし、実はPiTaPaにはチャージ機能も搭載されています。 後払いなのになぜチャージ機能が搭載されているのでしょうか。
相互利用エリアでは事前にチャージが可能
PiTaPaは全国の相互利用エリアの交通機関で利用可能です。 しかし、相互利用エリアで乗車するためには事前にチャージする必要があります。
PiTaPaエリア内ではチャージ残高が0でも利用できますが、エリア外ではチャージしないと改札を通れません。ちなみにPiTaPaカードへのチャージは各交通機関のICカードに対応している券売機等で可能です。
オートチャージに対応
またPiTaPaはオートチャージ機能にも対応しています。オートチャージはPiTaPaエリアの改札を通った時に行われます。 しかしPiTaPaエリアではチャージしても使うことがないので、自動的にチャージされると便利かと言えばそれほどでもありません。
JRと私鉄を頻繁に乗り換える人なら、その恩恵を受けられるでしょう。
逆に言えば、PiTaPaエリアでしか利用しないならチャージ自体が不要です。
おすすめのPiTaPa搭載クレジットカード
PiTaPaカードは各交通機関が提供している乗車割引サービスについては共通で適用可能ですが、提携カードごとに独自の特典も付帯されています。
自身がよく利用する交通機関が発行しているPiTaPaカードを選ぶのは無難ですが、せっかくならお得な特典が付帯されているPiTaPaカードを持ってみてはいかがでしょうか。
ここでは筆者が注目しているPiTaPaの提携カードを3種類紹介します。
新井智美 / トータルマネーコンサルタント
【専門家の解説】
PiTaPaにはさまざまな提携クレジットカードが用意されており、交通機関利用以外でも特典が受けられます。
ただし、クレジットカードによって特典の内容が異なるほか、年会費無料となる条件が附帯する国際ブランドによっても異なりますので、保有コストを抑え、かつ、ポイントを有効にためることができるクレジットカードを選ぶようにしましょう。
また、銀行が発行主体となっているクレジットカードなら、同時にPiTaPaカードを申し込むことで、キャッシュカードとしても利用できます。
何枚もカードを持ち歩きたくないと考えるなら、銀行系のクレジットカード(一体型)を選ぶことをおすすめします。
もちろんPiTaPaカードのみを保有しておくだけでも十分メリットはありますが、1年間に1度も利用が無かった場合は維持管理費(カード1枚につき1,100円(税込))が発生する点には注意が必要です。
OSAKA PiTaPa(JCBカード、京都ぷらす)
国際ブランド | JCB |
---|---|
クレジット年会費 | 初年度無料。次年度以降本会員は1,375円(税込)、家族会員は440円(税込)。本会員・家族会員のいずれかが年1回以上利用すると次年度も無料。(※年会費・キャッシング・カードローン・PiTaPa利用を除く) |
PiTaPa維持管理料 | 1,100円(税込)。年に1回以上PiTaPaを利用すると無料。 |
ポイント還元率 | 0.5%(1,000円につき50ポイント) |
大阪市営地下鉄・バスのPiTaPa利用 | 0.5%ポイント還元 |
おすすめポイント | 大阪市営交通のPiTaPa利用でポイントが貯まる 大阪・京都の観光や食事で割引を受けられる ETCカードの年会費が無料 |
OSAKA PiTaPaは大阪や京都の市営交通をよく利用する方におすすめのPiTaPaカードです。 クレジット機能が付いているOSAKA PiTaPaは4種類のカードが発行されおり、それぞれPiTaPa維持管理料とは別でクレジットカードの年会費が設定されています。
いずれも条件を満たすことで無料になりますが、MastercardとVISAブランドは年間10万円以上と条件がかなり厳しいです。
そこでおすすめなのがJCBブランドのOSAKA PiTaPaです。「OSAKA PiTaPa JCBカード」は年に1回でもクレジットカードを利用すれば次年度の年会費が無料になります。
PiTaPa利用では無料にならない点に注意が必要ですが、MastercardやVISAに比べるとかなりやさしい条件ですね。
ちなみに「京都ぷらす OSAKA PiTaPa カード」はVISAブランドですが、こちらも年1回以上のクレジット利用で年会費が無料になります。ただしETCカードの年会費も無料で持てるのはJCBカードだけの特典です。
クレジット決済のポイント還元率は0.5%相当。1,000円につき50ポイントの「ショップdeポイント」が付与され、500ポイント貯まると自動的にPiTaPa利用分から50円割引かれます。
OSAKA PiTaPaだけの特典
OSAKA PiTaPaには主に3つの特典が付帯されています。
- 大阪市営地下鉄・ニュートラム・バスの乗車で貯まる「OSAKA PiTaPaポイント」
- 大阪市内や京都の観光スポットやお店で提示優待サービスを受けられる「OSAKA PiTaPa提示優待サービス」
- 全国約2,700店舗の加盟店で料金が20%OFFになる「CHECK&CHECK CLUB」
PiTaPaカードは通常、PiTaPa利用分についてはポイントが付与されません。しかしOSAKA PiTaPaは大阪市営地下鉄やバス利用分の0.5%相当が「OSAKA PiTaPaポイント」で還元されます。
これはOSAKA PiTaPaだけのメリットです。貯まったOSAKA PiTaPaポイントは1ポイント=1ポイントでショップdeポイントに移行して自動的に合算されます。
また大阪だけなく京都の観光スポットも特別価格で利用できるのが優待サービスも付帯されています。OSAKA PiTaPaですが、京都観光もお得になるクレジットカードなのです。
さらにCHECK&CHECK CLUBの加盟店では20%割引などの特典も受けられます。加盟店の数は全国約2,700店舗で、口コミで評判が良い飲食店が中心に登録されています。
大阪や京都へ出かける機会が多いならOSAKA PiTaPaカードがおすすめです。ETCカードも作りたいならJCB、VISAブランドが良ければ京都ぷらすを選ぶと良いでしょう。
e-kenet VISA PiTaPaカード
国際ブランド | VISA |
---|---|
クレジット年会費 | 初年度無料。次年度以降2,200円(税込)。年1回以上クレジット利用があれば次年度も無料。 |
PiTaPa維持管理料 | 1,100円(税込)。年に1回以上PiTaPaを利用すると無料。 |
ポイント還元率 | VISA加盟店:0.5%相当 おけいはんポイント加盟店:1% |
京阪電車でのPiTaPa利用 | 1%+αポイント還元 |
おすすめポイント | 京阪グループや加盟店の利用がお得 京阪電車の利用でポイントが貯まる |
e-kenet VISA PiTaPaカードは京阪沿線に住んでいる方におすすめです。 クレジット決済のポイント還元率は0.5~1%程度ですが、おけいはんポイント加盟店ではそれぞれ独自の特典が用意されています。
例えばくずはモールなら支払額500円につき1ポイントの優待ポイントが付与されます。また駐車場の料金が1時間無料のサービスを受けられます。
京阪電車の区間指定割引で10%のボーナスポイント付与
京阪電車では登録型割引サービスとして「区間指定割引」があります。 これはよく利用する区間をあらかじめ指定して登録しておくと、その区間内では南海乗り降りしても1か月定期の運賃を超えることはなくなる割引サービスです。
通常、1か月定期の運賃は3か月定期や6か月定期と比べると割高ですが、その10%相当がおけいはんポイントで還元されるのが魅力的です。
ちなみにおけいはんポイントは500ポイント貯めると、おけいはんポイント加盟店で使える500円相当の「おけいはんクーポン」と交換できます。
京阪沿線に暮らしている方なら、様々な恩恵を受けられるでしょう。
JMB KIPSカード(一般カード)
国際ブランド | Mastercard・VISA |
---|---|
クレジット年会費 | 初年度無料。次年度以降1,320円(税込)。KIPS PiTaPaカードを年1回以上利用、またはクレジット利用額が5万円以上であれば次年度も無料。 |
PiTaPa維持管理料 | 1,100円(税込)。年に1回以上PiTaPaを利用すると無料。 |
ポイント還元率 | 近鉄グループ:0.5~5% 近鉄グループ以外:0.5% |
近鉄電車でのPiTaPa利用 | 0.5%ポイント還元 |
おすすめポイント | 近鉄百貨店やキンショーのポイント還元率が高い PiTaPa利用のみでもクレジットカード年会費が無料になる |
JMB KIPSカードの特徴は、PiTaPa利用のみでもクレジットカードの年会費が無料になる点です。 PiTaPaの提携カードはどれもPiTaPaカードの維持管理料とクレジットカードの年会費を別々で設定しています。
一定の条件を満たすことで無料になるカードは多いですが、クレジットカードの年会費はPiTaPa以外でクレジット決済を利用しないと無料にならない場合がほとんどです。
しかしJMB KIPSカードならPiTaPaを利用するだけで維持管理料と年会費の両方が無料になるので、クレジット利用を忘れて年会費が発生してしまう恐れがありません。
近鉄グループの利用でポイント還元率がアップ
独自の付帯特典としては、近鉄グループで決済するとポイント還元率が最大で5%になります。 近鉄グループ以外では0.5%なので、基本的には近鉄グループでショッピングをしたり、近鉄電車を利用する方におすすめです。
500ポイント貯めると近鉄グループで利用可能なクーポン500円相当と交換できます。また近鉄百貨店インターネットショップでは1ポイント=1円から利用することが可能です。
ポイントはJALマイルへ交換可能
ポイントの使い道は他にもあります。 例えばJMB KIPSカードは近鉄グループが発行しているクレジットカードの中で唯一、JALのマイルに交換することが可能です。
基本的には近鉄グループをよく利用する方向けですが、PiTaPa利用だけで年会費が無料になる提携カードを求めている方にもおすすめです。
他の交通系電子マネーと比較したメリット・デメリット
以上の内容を踏まえて、交通系電子マネーとして見たPiTaPaのメリットとデメリットについて考えてみましょう。
メリット
PiTaPa最大の特徴は、やはりチャージ不要で利用できることでしょう。
関西の私鉄はチャージ不要
関西のPiTaPaに加盟している私鉄やバス、市営交通についてはすべてPiTaPaカードで利用できます。しかも後払い方式なので事前にチャージする必要もありません。
提携カードが豊富で特典も充実
またPiTaPaカードの数十種類もの提携カードが発行されており、PiTaPa共通の割引サービスに加えて独自の特典も付帯されています。
ここまで豊富な特典が付帯されている交通系電子マネーは他にないでしょう。少なくとも関西では、有効に活用できれば非常にお得な電子マネーです。
デメリット
PiTaPaは他の交通系電子マネーと比べるといろいろと特殊で、それがデメリットにもなっています。
相互利用エリアではチャージが必要
本来のPiTaPaエリア内ではチャージ不要で改札を通れることがPiTaPaの特徴であり大きなメリットですが、相互利用エリアに出ると途端にチャージが必要になってしまいます。
オートチャージを利用すればその都度チャージする手間は省けますが、オートチャージが行われるのはPiTaPaエリア内だけという点にも注意が必要です。
エリア外で残高がなくなってしまった場合は、手動でチャージするしかありません。
相互利用に対応しているのは交通機関のみ
またSuicaやICOCAなど他社の交通系電子マネーと互換性があるのは、鉄道利用のみです。
コンビニやカフェなどのショッピング利用については、正式にPiTaPaに対応している店舗でないと決済できません。逆も然りで、PiTaPaショッピング加盟店ではSuicaやICOCAは使用できません。
互換性の問題についてはPiTaPaの大きな課題ですが、元々交通系電子マネー自体がそれぞれ独自に開発されてきたということもあり、完全に対応させることは難しいようです。
PiTaPaは相互利用エリアに対応していますが、互換性があるのはあくまでも交通機関だけという点はしっかりと頭に入れておきましょう。
割引非適用時はSuicaのほうがお得
筆者は関西在住ですが、実はOSAKA PiTaPa JCBカード以外にも交通系電子マネーをもう1つ利用しています。それはSuicaです。
Suicaはビューカードからチャージすると、1.5%相当のJRE POINTが貯まります。つまりどの交通機関で利用しても一律で1.5%の還元を受けられるのです。
Suicaをクレジットカードからチャージする方法は限られているので関東以外では若干使いにくいのですが、おサイフケータイやApple Payに対応しているスマートフォンを持っていれば問題ありません。
モバイルSuicaならいつでもどこにいても、アプリからクレジットチャージが可能だからです。 PiTaPaエリア内では各交通機関が独自の割引サービスを提供していますが、利用回数が少なければあまり大した恩恵が受けられないのがデメリット。
そこで割引を受けにくい路線では、Suicaを利用しているというわけです。
PiTaPaの割引が適用されるほど利用しないなら、関西圏に住んでいる方でもSuicaを利用するほうがお得になるかもしれませんよ。
まとめ
少し特殊な交通系電子マネー、PiTaPaについて解説しました。 PiTaPaは交通機関の割引サービスにしても、提携カードの付帯特典についても、とにかく数が多いのですべてを把握することはなかなか難しいです。
基本的にはよく利用する交通機関が発行している提携カードを選ぶのが無難でしょう。 例えば近鉄電車や近鉄百貨店をまったく利用しない方がJMB KIPSカードを持ってもほとんどポイントを貯められないので、年会費無料のハードルが低くてもまったく意味がありません。
一方で京阪沿線に住んでいるなら、とりあえずe-kenetカードを作っておくだけでも様々な特典を受けられる可能性があります。
そもそも後払い式であるにもかかわらず、相互利用エリアではチャージが必要だったりとPiTaPa自体を理解するのが大変かもしれませんが、どの提携カードも使いこなせるとお得な特典が満載です。
ぜひ自分にぴったりのPiTaPaカードを見つけてください。